「マジ迷惑」
「あいつらド迷惑だら」
日本人がよく使う言葉に「迷惑」がある。
日本人は迷惑行為に敏感だから。
この迷惑という言葉はもともと仏教用語で、意味も今のものとはちがう。
東本願寺のホームページにはこんな説明がある。
迷(めい)は本当の道にまようことを意味し、惑(わく)は途方にくれてとまどうことを意味する。両方の字が示すように、この言葉も本来は迷いとまどうことを意味する仏教語である。
「ゆずり合いありがとう」の国に住む人たちは、相手の気持ちを考えて行動する。
だから他人に迷惑をかけることが少なくて、外国人は日本人を「considerate(思いやりがある)」と言う。
でも、民度はピンキリ。
キリ(最低)のゾーンについていえば、今年6月、高速道路で「あおり運転」の一斉取り締まりをしたら、一週間で1000人以上が検挙された。
謙虚さのかけらもない。
それでも全体的に見れば、「日本人は礼儀正しい」という評判が海外にはある。
でも、そんな評判を落としてくれる日本人もいる。
SNSが普及してから、残念で不快な人が増えたように思う。
ったく、最近の若者ってやつは。
ハデハデあげあげなタイのお寺
最近、東京スポーツの記事(2018年10月04日)で、海外で活躍する日本人のことが書いてあった。
バンコク寺院に群がる日本人観光客 “インスタ映えスポット”で迷惑行為連発
タイのバンコクには、「ワット・パクナム」という日本人の間で超有名&大人気の仏教寺院がある。
その理由は天井の仏画を見れば一目瞭然。
丸いドーム状の天井には神秘的な画が描かれていて、異世界に来たような思いがする。
ボクがそれを見た時は、写真を撮るのも息を吸うのも忘れてしまった。
まー行ったことないんだけど。
画像すら持ってないから、日本人をトリコにする仏画は上の記事を見てほしい。
それを見れば、日本人観光客に「インスタ寺院」と呼ばれるのも納得。
ヤフーに「ワットパクナム」と入れると、
たくさんの日本人観光客が集まれば、ピンからキリまで出てくる。
最低では、良い画を撮ろうとこの神聖な空間で大騒ぎする若い日本人が多くて、地元の人たちのヒンシュクを買っているという。
自分がジャンプしているところを仲間に撮ってもらう。
動画配信をしていて、しゃべりながら歩き回る。
タイ人が祈りをささげている横で、そんなことをする日本人がいる。
だからネット掲示板に「蠅うぜ~」「ワニのエサにすればいいよ」なんて書き込まれてしまう。
一般的な日本人のイメージ「considerate」とは逆で、現地では「日本人感じ悪いよね」という悪評が立ち始めているとか。
とくに夏休み中の8月9月に、SNS命の若者が集中したとか。
そのうちブラックリストに入れられて、タイに入国できなくなるかも↓
2016~17タイ旅行の注意点②国王の喪中は服や言動で目立たない・楽しみすぎない
日本にいるタイ人やミャンマー人とお寺に行くとわかるけど、ガチの仏教徒はとてもまじめ。
ふだんはラフな格好をしている20代の女の子でも、お寺や神社に行く時は、絶対に穴あきジーンズははかないと話していた。
短パン・サンダル姿の自分が恥ずかしくなる。
どちらかというと、日本人観光客は加害者ではなく被害者の側にいた。
同じような迷惑行為は日本でもあった。
でもこっちの方がムカつく。
9月6日、北海道で死者41人負傷者681人を出す大きな地震が起きた。
このとき救助隊の後から「ハエ」もやって来て、倒壊した家の写真を撮り始める。
札幌市は「住む人の感情に配慮してほしい」とお願いしているのだけど、撮影者はガン無視。
なかには逆ギレするヤツもいた。
毎日新聞の記事(2018年9月22日)から。
傾いた家を背景にして記念撮影したり、住民に注意されると逆上したりするケースもあり、市も対応に苦慮している。(中略)大きな被害が出た地区の畑の中に、見知らぬ男性が入り込んでいるのを目撃した。「何しているんですか」と聞いたところ「見ていたら悪いのか!」と逆上されたという。
液状化地域、やじ馬続々 傾いた家背景に記念撮影
「ワニのエサにすればいいよ」
建物倒壊の危険性が高いため「立ち入り禁止」と書いて規制のロープを張っていたけど、若者や親子連れが勝手に中へ入って記念撮影をする。
車で走りながら動画撮影をする人もいる。
被災した人の気持ちを考えず、SNSで見栄えする画を探しまくる。
最近の若者はどうかしている。
と言いたいところだけど、そんな日本人はむかしからいた。
2001年9月11日にアメリカで同時多発テロ事件が起きた。
ワールドトレードセンターに旅客機が激突して、ビルは崩壊。
これだけで約3000人の死者を出す。
このあとワールドトレードセンターの跡地にたくさんの日本人観光客がやって来て、笑顔でピースする写真を撮っていた。
でも、ここは「死亡事故現場」のようなところだ。
当然、現地のヒンシュクを買うことになる。
さすがに「見ていたら悪いのか!」と逆ギレする日本人はいなかったと思う。
写真撮影になると周りが見えなくなって、迷惑やヒンシュクを買う行為をする日本人はむかしからいた。
SNSを利用している若者だけじゃない。
ワールドトレードセンターの跡地(グラウンド・ゼロ)
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