日本人と中国人&韓国人の違い①失敗怖くて決めるの遅っ!

 

戦国時代、ヨーロッパからルイス・フロイスという宣教師が日本へやって来た。

この人は高校日本史で習う重要人物だから、知らなかったら覚えておこう。

ルイス・フロイス 1532~97 ポルトガルのイエズス会宣教師。

1563年に来日。
京都で信長に謁見、秀吉とも親しくし、キリシタン布教の地歩を固めた。追放令で退去後、再来日し、長崎で死去。「日本史」を執筆した。

「日本史用語集 山川出版」

 

フロイスは16世紀の日本人を見て、こんなことを思った。

「The place is awesome but if you don’t like porn then you need to just stay on the first floor of any anime/manga shop lol」
(意訳)
あの場所はすごいよ。でも、もし君がポルノを好きじゃなかったら、どのアニメショップでも、2階以上は行かない方がいい。笑。

あ、ちがった。
これは平成の秋葉原を訪れた外国人の感想だった↓

動画で英語を学ぼう 213 秋葉原を1分で外国人に紹介するっ。

 

イエズス会の宣教師ルイス・フロイスはヨーロッパ人と日本人の違いをこう書いた。

われわれは、怒りの感情を大いに表すし、また短慮をあまり抑制しない。彼ら(日本人)は特異の方法でそれを抑える。そしてきわめて中庸を得、思慮深い。

「ヨーロッパ文化と日本文化  (岩波文庫)」

日本人は感情を抑えて表面には出さない。そしてものごとをよく考えて判断する。

このイメージはいまの日本人にも通じる。
知り合いの外国人もよく同じことを言う。

思慮深いのはいいことだけど、何事にも〆切はある。
決めるのが遅いと、チャンスを逃すという最大の失敗をおかすこともある。
とくに価値観や考え方の違う海外では。

 

 

5年ぐらい前、東南アジアの親日国カンボジアを旅行したときのこと。

「首都のプノンペンはどんどん発展してますねえ」

一緒にいた日本語ガイドにそう言うと、彼はこんな不満を口にする。

「そうなんです。だからいまのカンボジアでは仕事が増えているんですけど、日本の会社はダメなんです。日本人はここでも日本の考え方で仕事をしようとするから、うまくいかないんです」

彼は日本企業に雇われて、現地の会社と交渉することもある。
でも仕事の受注で、日本はよく中国や韓国の企業に負けてしまう。
ガイドいわく、その理由は2つ。

中国人や韓国人に比べて、日本人は決定が遅いし考え方がキレイすぎる。

カンボジア人の彼から見ると、日本人は失敗をすごく怖がる。
それで思慮深く検討しているうちに、中国や韓国企業に仕事をとられてしまう。

日本人とカンボジア人とのやり取りの間で、「なんで今ここで決断しないんだ!」と日本人に腹立たしく思うことが何度もあったという。

 

仕事をさせたら、日本の会社は中国や韓国の会社には負けない。
というか質は日本のほうが上。
でも、カンボジア人の感覚からするとスピードが遅い。
日本企業があれこれ考えている間にチャンスはよそに奪われていく。

フロイスの言葉でいえば「怒りの感情を大いに表すし、また短慮をあまり抑制しない」というヨーロッパ人が、韓国人や中国人になる。
でもスピード感覚でいえば、そのほうがカンボジア人のペースに合っている。

彼の仕事は日本語ガイドだから、商談が続けば仕事も続く。
だから、「わかりました。この件は一度、持ち帰って検討させていただきます」という日本人の言葉を聞くと絶望しか感じない。

カンボジアの有名ガイド・ローズも日本人のイヤなところとして「人をすぐ警戒する」と話していた。
やっぱり失敗や危険が怖いのだ。

 

ミャンマーでのことだけど、「think.leopalace21」の記事でも同じ問題を指摘している。

ミャンマーには、中国や韓国、タイ、シンガポールといった国々も進出し、中国や韓国の企業が即決で意思決定を図るのに対して、日本の企業は意思決定が遅いとされています。

ミャンマーへの進出が増加する日系企業の海外戦略とは〜ASEANへの海外進出〜

 

ソウルでお世話になった韓国人の日本語ガイドも、「日本人はスタートが遅いです」と言っていた。
日本人は失敗やリスクをよ~く考えてから行動を始める。

韓国人はちがう。
話を聞いて、その場で直感的に判断して前に進む。
まず動く。動き出して、問題が起きたらそのつど解決していく。
これがビジネスの韓流らしい。

パリパリ(早く早く)気質の韓国人らしいと思う。
この韓国人ガイドも、日本人のリスク恐怖症と決定先延ばし主義には、ウンザリさせられることが多いと言う。

「日本人はいろんな理屈を言うけど、結局失敗が怖いんですよ」

ボクより高いビビンバを食べながら、ガイドはそう話していた。

でもスタートが早い代わりに、韓国人の見通しは甘い。
だから仕事を始めると、次々と問題が発生することはガイドも認めていた。

思慮深さとパリパリを使い分けられるといいのに。

 

次回は、カンボジアのガイドが指摘した「ここがダメだよ日本人」の2つ目。
考え方がキレイすぎる、ということについて書いていきますよ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。