前回の記事で、「日本は20万人の朝鮮人女性を強制連行した」という外国人のコメントを紹介した。
ユーチューブにある「comfort woman」の動画を見たとき、コメント欄にそんな書き込みがあった。
ファクト(事実)にフィクション(虚偽)を融合させたこんな「ファクション」は、いまでも韓国側が主張している。
前回そんなことを書いたのだけど、だが待ってほしい。
これは全て韓国側が悪いわけではないのだ。
故吉田清治氏という日本人にも大きな責任がある。
この人が「日本軍は朝鮮人女性を強制連行した」とウソをついたことが、慰安婦問題に決定的な影響をあたえたから。
その吉田清治氏とはこんな人物だ。
1980年代に、太平洋戦争中に軍の命令により朝鮮で若い女性を慰安婦にするために自身が強制連行したとする証言を数多く行い、自らそれについての出版物を出した人物。
この証言が後に、慰安婦問題での対立を生んで、日韓関係を悪化させた。
いま韓国や外国人が主張している「慰安婦の強制連行説」は、吉田証言に基づくものが多い。
でも吉田氏は晩年、自分の証言のほとんどがウソやでっち上げであることを白状する。
虚偽の証言で日韓関係を極度に悪化させたのだから、吉田清治氏が非難されても仕方ない。
でもネットを見ると、息子までたたく人がいる。
これはおかしい。
この息子さんは父の犯した誤りを認めて、それを正す活動をしている。
今回はそのことを紹介しようと思う。
「吉田清治」で検索すると、息子のことがよく出てくる。
「奴隷狩りのように女性らを強制連行した」
「済州島で200人の女性を拉致した」
そんなことを言ったり書いたりしていた吉田清治氏は、1983年に、韓国の国立墓地に「強制連行」を謝罪する石碑を建てている。
1983年12月23日、吉田は、韓国忠清南道天安市を訪問し、彼本人の名前と謝罪文が刻まれた謝罪碑の前で土下座した。当時、吉田は、韓国のある組織(「KCIA」と推測される)から借金をしていた。
吉田清治
謝罪碑の前で吉田氏は「あなたは日本の侵略戦争のために徴用・強制連行され」と見えない慰安婦に語りかける。
そして、「私は徴用と強制連行を実行指揮した日本人の一人として非人道的なその行為と精神を深く反省し、こちらに謝罪するところです」と土下座した。
韓国から帰国した父のパスポートを見て、息子はビックリしたという。
日本からの出国と帰国のスタンプはあるけれど、韓国の入出国のスタンプが押されていない。
父に理由を聞いたら、韓国の空港に着くとすぐに韓国政府の人間によって特別室へ連れて行かれ、そのままソウルに直行したからだという。
日本軍の蛮行を謝罪するこの碑が、韓国で特別重視されていたことが分かる。
でも先ほど書いたように、このあと吉田清治氏は自分の証言はウソだと認めた。
父親の虚偽証言で日韓関係を悪化させたことを、息子は心苦しく思う。
それで父の犯した間違いを正すことを決意し、先ほどの「日帝強制徴用謝罪碑」から謝罪をなくして、ただの慰霊碑に変えた。
これに韓国が驚く。
謝罪碑を変えたのが吉田氏の長男と分かったとき、中央日報は「(韓国に)衝撃を与えている」と書いた。
その記事(2017年05月12日)に、変更の理由が書いてある。
吉田氏の長男が「父が発信し続けた虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすることになった」とし、「父が私費を投じて建てた碑であれば、遺族の権限で撤去が可能だ」と報じた。
強制徴用謝罪碑を慰霊碑に変更したのは碑建立者・吉田氏の長男
こんな人をたたいてはいけない。
いまユーチューブで、「”Herstory” Comfort Women Animation – English」という動画のコメント欄を見たら、1時間前にも「日本政府は韓国人女性に謝罪しろ」という書き込みがあった。
でもその前に、動画の内容に根拠があるかどうか、ファクトチェック(事実確認)をしてほしいのだけど。
残念ながら、フェイクニュースはいまも世界に拡散中だ。
さらにそれを信じる日本人がいて、”日韓の良い関係”が成立していることにはビックリ。
虚偽情報に基づく友好って、一体なんなんだ?
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