自分に甘くて他人に厳しい。
そんな二重基準を持つ人間はどこの世界でも嫌われる。
例えば「この川では、5月と6月の2か月間は魚を捕ってはいけない」と言った本人がその期間中に魚釣りをしていれば「ふざけんな!」と怒られる。
「オレはいいけど、おまえはダメ」というジャイアンみたいな人間は、ネット界で「ダブスタ(ダブルスタンダード)」と非難されることが多い。
韓国語でそんな二重基準を「ネロナムブル」と言う。
これは「自分がすればロマンス、他人がすれば不倫」という意味で、自分で自分を特例扱いするジャイアン的発想だ。
自分がすれば恋愛だけど、他人がすれば「おまえは道徳的に堕落している」と相手を責める。
痴漢が盗撮を叱るみたいな「ネロナムブル」は直接的でわかりやすく、とても韓国的な表現だと思う。
韓国メディアの報道を見ていると、ときどきこの二重基準が出てくる。
最近では中央日報の記事(2018年12月30日)で、元議員が文政権をこの言葉を使って批判していた。
「積弊清算内容のうち民間人監視、ブラックリスト、採用不正、公営放送などのメディア掌握があった。しかし現政権でも似たようなことが起きている。『ネロナムブル』だ」と批判した。
鄭斗彦元議員「文在寅政権は盧武鉉政権2期ではなく朴槿恵政権2期」
いまの文政権は朴槿恵(パク・クネ)前政権を「正義に反することを多くおこなった」と非難して、その時代の不正を暴いているけれど、この元議員から見れば文政権も同じことをしている。
文政権の正義は「自称」で、やってることはネロナムブル。
きょうの朝鮮日報の記事でも「権力を私物化し、自分たちの仲間に政府の職責を分け与える現政権」と書いてあるから、文政権を「ダブスタ政権」と見る韓国人は多そうだ。
でも、韓国国内のことは韓国人にまかせればいい。
問題は、日本を相手にすると韓国はよく二重基準を適用することだ。
1か月ほど前、中央日報にこんな記事(2018年12月06日)があった。
「慰安婦」問題の国際化…韓国外大日本研究所、国際学術大会開催へ
このブログで何度も書いたけど、慰安婦問題は2015年の日韓合意で「最終的で不可逆的な解決」を日韓両政府が確認している。
もう日韓がこの問題で話し合うことはないから、この合意がファイナルアンサーだ。
あとはお互いがこのとき交わした合意を守るだけ。
日本は韓国側に10億円をわたすなど、すべての約束を誠実におこなった。
でも、韓国はまだ。
韓国側はソウルの日本大使館前にある慰安婦像を撤去しないといけないのだけど、まったく手をつけていない。
だから、像は平穏無事に新年を迎えてしまった。
いま韓国側がしていることは、「慰安婦問題はまだ解決されていない」という自分たちの主張を世界にアピールこと。
上の記事では、韓国で国際的な学術大会を開いて「韓国側の立場が国際社会の世論で大勢を占めていきつつあることを確認する大切な機会」にするよう意気込んでいる。
日韓の政治・歴史問題である慰安婦問題を「国際化」しようと全身全霊で取り組んでいる。
その目的は世界に韓国の主張を伝えて味方を増やし、「日本包囲網」を形成すること。
約束を守らない韓国が、「心からの反省」や「真の謝罪」を日本に要求するのはネロナムブルだ。
「自分がすればロマンス、他人がすれば不倫」という韓国の対日二重基準は続く。
きょうの中央日報記事の(2019年01月08日)を見てみよう。
「韓国、北への接触を見つけられたためレーダー照射か」 日本自民党の暴言
自民党がレーダー照射問題について話し合う場を持った。
その席で自民党議員が「うそにうそを重ねている韓国を絶対に信じることはできない」「韓国側がレーダー照射を認めていないので、さらに強力な証拠を出すべき」と、韓国のテキトー対応に不満を爆発させる。
でも、いまの国民の怒りはこんなもんじゃない。
自分の言葉を自分で否定する韓国を「絶対に信じることはできない」というのは当然として、強力な証拠より効果的な制裁を求めている人が多い。
いまの韓国は、日本が何を言っても見せても事実を認めない。
それどころか逆に反発して、日本に謝罪を求めてくる。
この話し合いでは「韓国がどんなうそをつくのか国際社会にはっきりと知らせるほうが国益」という意見も飛び出した。
待ってました。
韓国ではなくて世界に日本の主張をアピールして、どちらが正しいか国際社会にジャッジしてもらう。
国民の総意と言って問題ないと思う。
でもきのうの記事で書いたように、韓国は「世界基準」を徹底的に嫌う。
日本側には、レーダー照射問題について韓国との話し合いを中断して、アメリカや国連安全保障理事会に判断をゆだねるという考えもある。
この問題について韓国は、根拠の薄い分を声の大きさでカバーしようとしている。
そんな韓国にとって、「判断は世界に」という日本の意見は受け入れられない。
記事では「事実上、韓日米三角共助を破るという意図とも解釈することができる」と見当違いの解釈で反発している。
韓日米の協力体制を現在進行形で破っているのはどこの国なのか。
韓国には、韓日友好や共助体制とかを人質にとって、日本に言うことを聞かせようとする悪いクセがある。
自分たちは慰安婦問題を「国際化」しようとするけど、日本が同じことをすると怒り出す。
自分で自分を特別扱いする。そんな韓国の対日ネロナムブルは相変わらず。
「韓国は日本の被害国」という前提を持っている以上、この認識は変わらない。
1965年と2015年に2回も「最終的な解決」を確認したのだから3度目はない。
韓国はもう日本に何でも要求できる特権的地位にはいないのだけど、今回のレーダー照射問題を見ても、それを受け入れるつもりはなさそうだ。
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