「フレネミー」という言葉を聞いたことありますか?
フレネミー(Frenemy)とは「フレンド」と「エナミー(敵)」をつなげてつくった言葉で、「友だちと思わせて実は敵」とか「ライバルだけど友だち」といった意味がある。
ネットを見ると、女子的に「彼氏を奪う友だち」もフレネミーになるらしい。
フレネミーの意味はもっといろいろあるから、興味があったらフレネミーをクリックしてほしい。
友だちだと思っていたら、敵だった。
「信頼させてからの裏切り」には腹が立つ。
「あいつは最低なヤツだ」とまわりに言いふらしている人がいたら、「ちょっと、体育館裏に来い(昭和風)」となる。
でも、自分の前では仲良しを演じていて、影で「あいつ最低」と言っている人間がいたら、「祈れ、そして死ね」と言いたくもなる。
フレネミーの場合、敵か味方かハッキリ分からないことがあるから、その点でもやっかいだ。
今の韓国を見ていて、「ひょっとしたらこの人も、韓国政府にとってのフレネミーじゃないか?」という人がいる。
それは韓国の女性家族部長官の鄭(チョン)氏。
日本でいえば大臣になるから、以下、女性家族相と書く。
この鄭(チョン)女性家族相の「反日無双」というか、暴走ぶりについては、前に記事で書いたことがある。
鄭女性家族相は、「和解・癒やし財団」を年内にも解散させてしまいたいと言う。
「和解・癒やし財団」は元慰安婦を支援するためにつくられた団体。
2015年の慰安婦合意にもとづいて、日本が韓国側にわたした10億円をもとにして設立された。
この団体がなくなったら、元慰安婦を支援することができなくなってしまう。
だから日本には、「それはつまり、韓国は日韓合意を破棄した、ということだな」と受けとめられる。
そうなったら日韓関係は閉店ガラガラ、終わりだ。
さらに鄭女性家族相は、アメリカやドイツで慰安婦問題についての国際会議を開いて、「日本に圧力をかけねばならない」とも言っている。
「慰安婦問題で日本に圧力をかけてやる!」なんて言ったら、たぶん返り討ちにされて、結局は韓国がダメージを負う。
それで前にこんな記事を書いた。
韓国「慰安婦問題で日本に圧力をかける!」→ブーメランの予感。
実際、日本は鄭(チョン)女性家族相の言葉にすぐ反応した。
和解・癒やし財団を解散させることについては、菅官房長官が「合意を1ミリたりとも動かす考えはない」と抗議する。
「財団は存続させて、元慰安婦の人たちを支援しろ」ということだろう。
読売新聞は社説(2018年01月25日)で、この大臣を「無責任」だと批判している。
韓国の女性家族相は韓国紙のインタビューで、慰安婦を支援する財団の年内解散にまで言及した。こうした合意の白紙化に向けた無責任な動きに
「合意の白紙化」なんてあり得ない。
そんなことをしたら、日韓関係が白紙になってしまう。
まあ、それは韓国が決めることだけど。
産経新聞の社説(2018.1.25)は、国際社会を利用して「日本に圧力をかけねばならない」という言葉に反発した。
鄭鉉栢女性家族相の発言にも耳を疑う。(中略)合意破棄に等しいと首脳会談で厳しく指摘すべきだ。
2015年の慰安婦合意のときに「慰安婦問題について、国際社会で互いに非難しない」ということを、韓国政府も確認している。
それなのに「国際社会で日本に圧力をかける」と言うのだから、これも合意違反と見られて当然。
鄭女性家族相が言ったことは、何から何まであり得ない。
それで「反日無双」とか「反日暴走」とか書いたわけだ。
女性家族相は日本の政府や新聞からぶっ叩かれたのだけど、実は韓国も、この大臣には困っているらしい。
中央日報の記事(2018年01月24日)によると、この大臣の言うことは政府の方針と違っているため、韓国でも批判を受けている。
鄭長官の発言が韓日関係を考慮していない慎重でない発言という批判を受ける理由だ。
慰安婦合意を検証した作業部会は、日本政府が「和解・癒やし財団」の設立のために10億円を出したことは、「日本が慰安婦問題で責任を認めたことになる」とした。
だから、女性家族大臣の言葉はこれを否定することになる。
*このとき韓国政府の作業部会は「日本が法的責任を事実上認めたと解釈できる側面がある」と、ごちゃごちゃした言い方をしていた。
でも、日本政府は慰安婦問題で法的責任を一切認めていない。
韓国は何としても、「日本が法的責任を認めた」ということにしたかったから、「事実上認めたと解釈できる側面がある」とよく分からん文になる。
自分たちの願望を無理やり入れるから、不自然な文になる。
「韓国あるある」の1つ。
話を女性家族大臣に戻す。
同じ組織にいて1人だけ違うことを言っていると、トップやまわりが迷惑する。
これは小学校の班でも同じ。
大臣の言うように財団を解散させた場合、「日本側は財団の清算を合意破棄と見なす可能性が高い」と中央日報は警告している。
日本がそうとらえるのは間違いないだろう。
「慰安婦合意は間違いだった」と言った文大統領も、合意の破棄だけは言わなかった。
それを言ったら、韓日関係が破たんするから。
でも、大声で反日を言うと国内の受けはいいから、韓国政府にとってこの大臣をコントロールするのはかなり面倒だと思う。
しかも今はタイミングが悪い。
日本政府は今の韓国政府を信用していない。
安倍首相は施政方針演説で、韓国を「重要な隣国」とは呼ばなかった。
韓国がこれに衝撃を受けている。
ハンギョレ新聞と中央日報はそれぞれこんな記事を載せていた。
「安倍首相にとって韓国はもう『重要な隣国』ではない」
「施政方針演説で改憲を強調した安倍首相、『韓国は重要な隣国』言及せず」
くわしいことはこの記事をどうぞ。
韓国を“最も重要な隣国”と言わなかった安倍首相。それが何か?
最悪のタイミングで最悪の選択をする。
言ってはいけないときに、口にしてしまう。
信頼できる仲間と思ったら、実はやっかいな敵だった。
韓国政府にとって鄭(チョン)女性家族相は、そんなフレネミーのような気がする。
おまけ
組織にとって怖いのは、敵よりも無能な味方である場合もある。
無能な味方(むのうなみかた)とは、戦術、戦略から国政、外交に至るまで全ての局面において無能なトップに次いで弊害の大きい存在である。
韓国政府の両足を引っぱる大臣は、こっちかもしれない。
「韓国の敵は韓国人だった」
こんな言葉を今までに何度も見たことがある。
おまけのおまけ
ここから先は、韓国の大臣とは一切関係ない。
いいですか?
上の内容から切り離しますよ?
ドイツの軍人「ハンス・フォン・ゼークト」が唱えたといわれる「ゼークトの組織論」がある。
それによると、軍人はこの4つのタイプに分類されるという。
・有能な怠け者は司令官にせよ。
・有能な働き者は参謀に向いている。
・無能な怠け者も連絡将校か下級兵士くらいは務まる。
・無能な働き者は処刑するしかない。
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