いま、韓国に吹く風はとても冷たい。
中央日報の紙面(2108年11月19日)を見てほしい。
経済も日本との関係も、最悪坂を転がり落ちている。
経済のことは知らんけど、韓日関係については悪化の最大原因は韓国にある。
先月10月に下した韓国最高裁の判決だ。
徴用工訴訟で、日本企業(新日鉄住金)に約4000万円の賠償金を命じた。
これは国際法違反だ。
それだけではなく、53年前に日本と結んだ約束(日韓請求権協定)も破ったことになる。
日本人の韓国への信頼は地に落ちた。
「冷えた韓日関係」というより、完全凍結だ。
徴用工訴訟について、韓国はいま冷や汗をかいている。
これは一線を越えたから。
竹島問題や慰安婦問題では、「間違った認識を正せ!」「正しい歴史を直視しろ!」と日本政府を責めていればよかった。
でも、徴用工訴訟はそうではない。
日本の民間企業を巻き込んでしまったのだ。
だから日本では、政府も企業も韓国を見る目は冷めきっている。
韓国の最高裁がつくり出した嫌韓に、韓国政府が恐怖している。
日本に対して弱気の韓国は珍しい。
いつもと立場が逆転した。
先月の「旭日旗騒動」では、韓国の与党は「戦犯国として最低限の恥も知らない」と日本を批判した。
そしてこれはパク報道官のお言葉。
「過去に対する徹底した反省と謝罪なしには、韓半島(朝鮮半島)の平和と繁栄で再編される東アジアの未来に日本はいないことをはっきりと述べておく」
こう言われたから、こちらはしっかり覚えておいた。
このへんのことは下の記事をどうぞ。
でも、今回の徴用工訴訟では一転して、韓国からこんな強気発言が出てこない。
中央日報のコラム(2017年11月24日)では、これまた珍しく日本に配慮した記述がある。
ある日本の記者は「1990年代以降、政権が交代するたびにアップグレードされた謝罪を要求することに対し、日本国民に疲労感が出ている」と伝えた。「ゴールポストが動く」という声もある。
強大国の算法は違う…感情でなく冷静な外交を
韓国の約束破り(ゴールポストが動く)に疲れ果てている人もいるけど、最近では、「もう相手にしないからどうでもいい」と気楽な人も多い。
日本政府も「戦略的放置だ」と、韓国を清々しく無視している。
とはいえ、日本政府は日本の企業を守らないといけない。
それで最高裁の判決に対して、安倍首相は「国際法違反で考えられない」「絶対に受け入れられない」と韓国の“異常性”を強調。
河野外相も「日本企業の正当な経済活動の保護の観点からも、国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然とした対応を講ずる考え」と、韓国に強く警告した。
こんな攻めの日本に、韓国与党は「戦犯国」「最低限の恥も知らない」と猛反発。
・・する気力が今回はなかった。
政府高官は代わりにこう言っている。
「日本政府が過度にわが政府を批判することは事態の解決に役立たない」
つまり、「日本は韓国政府を批判しないでほしい」という意味なんだけど、上から目線でお願いするとこんな表現になる。
この政府高官の言葉は、聯合ニュースの記事(2018.11.07)から。
強制徴用判決に対する日本の反発 「事態解決に役立たない」=韓国高官
それにしても、「役に立たない過度な批判」をしていたのは誰なのか。
中央日報が韓国政府に求めた「感情でなく冷静な外交を」というのは、「過去に対する反省と謝罪なしには、未来に日本はいない」ということを今回は言うなよ、ということ。
実際、韓国政府の反応はおとなしい。
冷静な外交を求められたら、何も言えなくなってしまった。
朝鮮日報の報道(2018/10/30)でも、韓国政府はお手上げ状態だ。
現政権が朴槿恵(パク・クネ)前政権時代の慰安婦合意を「誤った合意」と規定したことで韓日関係が極度に悪化した上、今回の判決が重ねての悪材料となり得るため、今後の対応はさらに重要になる。
徴用工訴訟原告勝訴で韓日関係に亀裂も 韓国政府が対応に苦慮
攻めと守り、いまや日韓の立場は完全に逆転した。
先月の韓国は日本を挑発していたけど、いまはダンマリ。
日本は積極的に発言して、韓国を攻めている。
なんで韓国はいつも自分の言葉でダメージを負うのか。
一般論として「ホメるときは感情的に、怒るときは冷静に」が望ましい。
でないと、思わぬブーメランが返ってくる。
「日本は冷静に!自重して!」とあせる韓国政府を見ると、マジでそう思う。
この徴用工訴訟は韓国の国内問題なんだから、韓国政府の責任で解決してほしい。
徴用工問題や慰安婦問題で約束を破られたのだから、韓国にはもう信頼していない。
それでも心配はしているから、まあがんばってください。
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