「人生には三つの坂がある」
そう言ったのは小泉純一郎元首相。
だれの人生にもある3つの坂というのは、「のぼり坂」「くだり坂」と「まさか」という坂。
人生には順風・逆風とそれ以外の風が吹くものだ。
12月20日、日本にも「まさか」が現れた。
友好国と思っていた韓国の海軍が、飛行している自衛隊機に火器管制レーダー(以下、射撃用レーダー)を照射する。
これはミサイル発射など攻撃直前におこなうもので、敵に対する行為だ。
外務省幹部は「友好国なのにありえない」と、このまさかにショックを受けた。
この思いは片思いだったらしい。
日本の報道によると、ショックを通り越して、日本政府内にはあきらめムードが広がっている。
「もう韓国との関係回復は不可能」
「文在寅政権はもう相手にしない方がいい」
ネットのコメントもほぼ同じ。
友人(と思っていた)人からいきなり銃を突きつけられたら「おい、それはどういうつもりだ?」と聞くはず。
射撃用レーダーをあてられた自衛隊機も、韓国軍の駆逐艦に無線でその意図をたずねた。
これは事故なのか故意なのか?
日本側はくわしい事情を知りたかった。
でも、韓国からは返事がない。
この出来事が明らかになったあと、韓国側はレーダー照射についていろいろな説明をしていたのだけど、この「問い合わせ無視」のことは何も言っていなかった。
「これはひょっとしたら、韓国にとってかなり都合の悪いことか?それとも、見たくないものは見ない主義なのか?」と思っていたら、やっと韓国国防部が声明を発表した。
朝鮮日報の記事(2018/12/24)
「通信感度があまりにも低くてノイズがひどく、われわれが認知したのは『コリア・コースト(ガード)』(海洋警察)との単語だけで、船舶を救助した際に周辺に海洋警察艦がいたため、海洋警察艦を呼び出していると認識していた」
日本哨戒機追跡のためレーダー運用せず 「威嚇なかった」=韓国国防部
そうか。
電波が弱くて、相手の言っていることがよく分からなかった。
だから、日本側の問い合わせには応じられなかったのか。
これを確認するだけにしては、発表に時間がかかり過ぎた。
その点が気になるけど、そういうことなら仕方ない。
・・・では済まされなかった。
今回の日本は前に出る。
韓国側が唯一確認できたという「コリア・コースト」について、防衛省は「そのような用語を用いた事実はない」とすぐに否定。
「通信感度があまりにも低くてノイズがひどく」に関しては、ホームページでこう反論している。
海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。
具体的な根拠。韓国はこれに弱い。
種類のちがう電波で3回問い合わせたのに、「電波が弱かったから」は通じない。
駆逐艦の機材がポンコツだったのか?
それとも当時、英語の分かる人員がいなかったか?
どちらにしても「コリア・コーストだけが聞き取れた」と公の場で言ったら、「そんな言葉は言ってない」と日本に迎撃されたのは痛かった。
というか、見ていて痛々しい。
デタラメな説明をする韓国が悪いのだけど、それが日韓の国民レベルで知れわたってしまったは辛いだろう。
韓国の全国紙(中央日報)はこんな記事(2018年12月25日)を載せていたし。
日本防衛省「火器管制レーダー特有の電波を確認」…韓国軍の発表を全面否認
韓国の説明はいつも根拠に乏しい。
このあと韓国は、上の防衛省の反論に何も反論していない。
今回のレーダー照射問題で防衛省は、「証拠はある」と明言して反論してきた。
具体的な根拠をそえての反論には何も言い返せない。
それがいまの韓国軍だ。
投げたブーメランが戻ってきて自分が傷つくことは今までにもあったけど、韓国がここまで連続してダメージを負うのは初めて見たかもしれない。
まるで自傷行為をしているようだ。
レーダー照射からその後の説明まで「まさか」が連続。
だから日本政府に「もう相手にしない方がいい」と言われてしまうのだけど、自衛隊員の生命にかかわることについてはそうもいかない。
隣国という運命に嘆くしかない。
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