韓国民にとって3月1日は、ただの祝日ではなくて「神聖な日」。
それは、日本統治下にあった1919年3月1日、韓国で独立を求める大規模な抗議運動が起きたから。
このとき多くの犠牲者が出たことから、この日は死者の魂に頭を下げる日でもある。
にもかかわらず、その日に日本旅行に出かける韓国人がいることに、中央日報がコラム(2019年02月27日)で嘆いている。
「三一節連休に日本に行くの?」
数年前から、韓国での日本旅行ブームが止まらない。
韓日関係は悪化していっても、「日本を訪れる韓国観光客数は毎年史上最高値を更新している」という。
まるでバブル景気。
このコラムでは、韓国人にとって日本観光が人気の理由として「コスパの良さ」を挙げている。
チョイと話はそれるけど、日本に行くことを非難しているのに、「コスパ」という和製英語を使っているのが面白い。
これは日本人がつくった言葉で、知り合いのアメリカ人やイギリス人は「コスパ」の意味が分からなかった。
「コスト・パフォーマンス」と言っても理解できない。
いまの韓国人にとって、日本旅行は国内旅行と感覚的にはあまり変わらない。
日本への飛行機チケットは2万円~3万円で手に入るし、キャンペーン料金なら1万円以下もあるという。
飛行時間も1~3時間だから、週末旅行にピッタリ。
先週、韓国から来たアメリカ人に話を聞いたら、韓国の物価は「日本よりチョイ安い」ぐらい。
コンビニのコーラ(500ml)は120円ほどで、安い韓国料理なら500円以下で食べられるという。
地下鉄や電車も、市内の移動ならだいたい120円ですむ。
でも、日本より高いものもある。
このアメリカ人は日本のスターバックスでは、コーヒーがショートで280円(税抜き)という安さに驚いていた。
韓国なら400円はするらしい。
そういえば、一緒に一蘭のラーメン(890円)を食べたときは、韓国でこれを食べたら1000円は超えると言っていた。
日本は清潔だし、食べ物もおいしい。
そんなことで韓国は、「ほぼすべての年齢層が日本を訪れる」という事態になっているとか。
でも、ふだんはともかく、“この日”に日本へ遊びに行くことには、韓国でも批判があるようだ。
日帝植民統治に抵抗した三・一運動記念日に日本に行くことに対しては刺すような視線もなくはない。「なぜ三一節に行く必要があるのか」という指摘だ。
こういう視線は知っているけど、韓国の若い人たちには「歴史は歴史、旅行は旅行」という見方をする人が多い。日本へ旅行に行くからといって、日本を“許した”わけではない。
だから日本が好きな韓国人でも、慰安婦問題や徴用工問題などの過去の歴史問題については、「日本は謝罪しなければならない」と言う人が多いはず。
その意味では“反日”なのだけど、「それはそれ。楽しいとおいしいは正義」という考え方なのだろう。
別の視点からいえば、韓国観光がツマラナイということでもある。
それにしても、「三一節連休に日本に行くの?」という新聞コラムを見ると、やっぱり日本と韓国は違うと思う。
日本人はもう過去を乗り越えたから、8月6日にアメリカ旅行に行っても、新聞が文句を言うことはない。
ネットの匿名書き込みでも、「こんな日にアメリカに行くの?」なんてのを見たことがない。
良いか悪いかではなくて、韓国人と日本人は別の価値観を持っているってこと。
だから日本のネットでは、「大嫌いな日本になんで?」といった書き込みが多い。
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