もうどのぐらいの人が覚えいてるか分からないけど、2014年に「浦和レッズ差別横断幕事件」が起きた。
レッズのサポーターグループが試合当日、スタジアム内で「JAPANESE ONLY(日本人以外お断り)」と書かれた横断幕をかかげて大問題になる。
浦和の槙野智章選手はツイッターで、「今日の試合負けた以上にもっと残念なことがあった…。」となげき、菅内閣官房長官は「一人ひとりの人権が尊重される豊かで成熟する社会を実現する我が国の方針においては甚だ残念で遺憾」とコメントする。
レッズ側も厳しいペナルティーをうけた。
浦和レッズは、無観客試合開催に先立ち、チケットの払い戻し、宿泊費のキャンセル料などを負担することに決めた。クラブ側の損失額は、3億円以上と予想されている。
「JAPANESE ONLY」という横断幕をかかげた3人は、「差別の意図はなく、反省している」と説明したけどそれは通らない。
差別は気持ちではなくて行為によって判断されるから。
心の中で思うだけなら制裁は受けないけど、それを言動で表したらアウトだ。
さて、ここからの話は永遠の隣国・韓国さん。
いま日韓関係は逆から見たら絶好調、つまり戦後最悪といっていいほど悪化している。
特に韓国で反日感情が高まっていて、「日本製品は使わないし、日本には行かない」と日本を拒否する「ノージャパン運動」が生まれた。
韓国のネットをのぞいてほしい。
こんなものが山ほどある。
そんな韓国で、日本人が旅客船への乗船を断られるという出来事が起きた。
韓国人の男性と日本人女性の韓日カップルが国内を旅行をしていて、鬱陵島への船のチケットを買おうとしたところ、職員から「国籍は日本か。安全上の問題で日本人の乗船は禁止だ」と言われる。
「ホテルもレンタカーも予約してあった」と男性が抗議しても、日本人を乗せることはできないと言う。
もちろん、「安全上の問題」なんてのは理由にならない。
韓日関係が悪化しているといっても、日本人であるだけで襲われるほど韓国は治安の悪い国ではない。
この「JAPANESE ONLY」も差別行為だ。
韓国人男性は、「未来の妻になる人がこうやって(差別)されるのを見て本当につらかった」と話す。
この出来事を韓国人はどう思ったか?
レコードチャイナの記事(2019年9月3日)からネットのコメントを紹介しようと思う。
「日本人は乗せない」と乗船拒否、韓国旅行中のユーチューバーカップルの動画が物議
「今の状況で日本人を連れて行くのに、事前に情報を確認しなかった方が悪い」
「もし問題が起こったら『なぜ乗船を許可した?』と問題になっていただろう」
こんなふうに旅客船側に立つ人もいれば、
「国があってこその自分。悔しかっただろうけど、今の時期にこの動画を掲載するのは国を批判することと同じ」
とこの出来事を公開したことを「反韓国的行為」と非難する人もいる。
もちろん、乗船拒否を批判する人もいた。
「韓国に来てくれた日本の市民になぜ?」
「これはやり過ぎ。2人に謝罪してほしい」
「成熟した市民意識を見せるべきだ」
くり返すけど、これは差別行為だ。
「国籍は韓国か。安全上の問題で韓国人の乗船は禁止だ」ということが日本で起きたらニュースになる。
「安全上の問題」に合理的な理由があれば別だけど。
「日本人はお断り」という空気は以前から韓国社会にあった。
釜山に「日本人は立ち入り禁止」という飲食店が登場したことは前に記事で書いた。
この飲食店を見た外国人は、「This ain’t nationalism, this is racism.」(これは愛国主義ではなくて、差別主義だ」とツイートする。
これには韓国人も抗議の声を上げた。
今回のような旅行船でいえば、大人1人2万ウォン(約1750円)のチケットを、日本人には別料金で販売するというところが出て、このときも問題になった。
レコードチャイナの記事(2019年8月6日)
鯨海旅行船を運営する韓国南東部の蔚山(ウルサン)南区都市管理公団が今月4日に「船着場と近隣の鯨博物館広場の2カ所に『8月の日本人観光客は超特価料金815万ウォン(約71万円)』と書かれた垂れ幕を掲げた」と明らかにした。
日本人観光客だけ“超特価”料金?韓国地方自治体の垂れ幕が物議
韓国に関心のある人なら、「815」という数字に引っかかると思う。
8月15日は日本がアメリカに降伏した日、韓国にとっては日本統治が終了した記念日なのだ。
だから815万ウォンというのは、「愛国反日」を強調した数字になる。
こういうことを地方自治体がするからオソロシイ。
といってもこれはただの“宣伝”で、実際には日本人からも韓国人と同じ料金をとるつもりだったらしい。
でも、これはやり過ぎた。
韓国人からも批判の声が上がって、公団側は態度をこう変える。
指摘を受けた公団側は、垂れ幕の「日本人観光客」に「安倍に従う日本人」を付け足したという。
まえに韓国の現役警察官が警察内部のネットワークを使って、「ジャパン・ボイコット」を呼びかけたことを記事で紹介した。
これを見た他の警察官全員が参加を表明したというから、いま韓国は普通の日本人には理解がむずかしい。
こういう社会の空気から考えたら、「安全上の問題で」というけど、実際には「日本人」であることが理由で乗船拒否にあったのだと思う。
トップの文大統領が「日本には二度と負けない」と宣言し、マスコミは日本の輸出管理を「経済侵略」と呼んで国民の反日感情をあおりにおある。
いまの韓国社会の空気はこうして出来上がった。
でも、過激化する「愛国反日」を不安に思い、批判する韓国人がいるのも事実。
そんな韓国人が増えた影響もあって、「ノージャパン」が最近では「ノーアベ」に変わった。
話を「浦和レッズ差別横断幕事件」に戻す。
この差別行為を韓国紙・中央日報は、浦和サポーター個人ではなくて日本社会全体の問題ととらえた。(2014年03月18日の記事)
「Japanese Only」は結局「Only Japanese」(孤立した日本人)」を招く。それが真理だ。もうひとつの真理。差別する国は結局差別を受けることになる。
「Japanese Only」と「Only Japanese」
いまこの教訓が必要なのは韓国だ。
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