旭日旗とハーケンクロイツは、日本とナチスぐらい違う

 

ヤフーに「旭日旗 ハーケンクロイツ」と入力すると「違い」と表示される。

 

 

旭日旗とハーケンクロイツ(かぎ十字)を「同じ」と主張する声が聞こえるから、その違いを知ろうとする人がいまの日本でたくさんいる。
ということで今回は、違いのわかる人になろう。
結論からいえば、旭日旗とハーケンクロイツは別物だ。
それは日本とナチス=ドイツぐらいまったく違う。

 

海上自衛隊がかかげる旭日旗

 

ナチスのハーケンクロイツ

 

韓国では「旭日旗をアジアのハーケンクロイツ」と独特な主張を世界に発信する人たちがいる。
でも韓国でそれは正義。
だから、中央日報のような全国紙が国民に紹介する。(2019.06.25)

韓国のサイバー外交活動団体であるVANKが日本の旭日旗広報に対応し、ナチスの象徴であるハーケンクロイツ(かぎ十字)と比較する動画を24日にユーチューブに掲載した。

韓国VANK、旭日旗の実体知らせる動画を公開…ハーケンクロイツと比較

 

韓国政府も東京オリンピックで旭日旗の使用を禁止するよう、国際オリンピック委員会(IOC)に訴えた。
韓国はこういう“反日姿勢”をあらわにするから、日韓関係はうまくいかないのだ。と読売新聞が社説で怒っている。(2019/09/22)

韓国は「日本の侵略による苦痛を想起させる」と主張する。歴史問題の蒸し返しを図っているのではないか。文政権は、こうした姿勢が日韓両国民の相手国に対する感情を悪化させ、民間交流を萎縮させることを識すべきだ。

韓国人客の減少 反日感情の広がりを懸念する

旭日旗は日米友好のシンボル的存在で、在日米軍基地もこうやってトップ画面で使っている。

 

韓国が世界に向かって旭日旗を非難するときには、か・な・ら・ずといっていいほど、ナチス=ドイツが使っていた「ハーケンクロイツ(かぎ十字)」を持ち出す。
旭日旗の知識が薄い欧米社会には、「人類の敵」と混同させるやり方は“有効”だ。

第二次世界大戦中、日本はドイツやイタリアと同盟を組んでいた。
「日独伊三国同盟」は中学校の歴史でならったはず。
韓国は意図的に日本をナチス=ドイツと同一視するから、「日独はしていたことも同じでは?」とかん違いする日本人もいるのだろう。
日本とドイツは同盟国として米英仏などと戦ったけれど、やっていたことはまったく違う。

ドイツをはじめヨーロッパの多くの国では、ナチスを象徴する旗や制服、スローガンなどを公共の場で用いることが法律で禁止されている。
*旭日旗をハーケンクロイツと同じだと主張する韓国では、国内で旭日旗の使用が法的に禁止されていない。
旭日旗の使用を法律で禁止する国がないということも、ハーケンクロイツとの違いのひとつ。

ドイツ人に話を聞くと、もしハーケンクロイツのデザインのあるTシャツやブローチなどをして、街を歩いたりレストランで食事をしたりすると、即逮捕案件で罰金を払わないといけない。
そしてそんな前歴が残ると、ドイツでまともな仕事に就くことがむずかしくなる。
ただハーケンクロイツを見せることより、ひじを伸ばして手を挙げる「ナチス式敬礼」のほうがドイツ社会ではタブーになっているらしい。

 

ハーケンクロイツが欧米社会で絶対的なタブーになっているのは、このマークがホロコーストと深く結びついているから。

ナチス=ドイツはユダヤ人という民族を全滅させるため、大虐殺(ホロコースト)を行った。
ヨーロッパ中のユダヤ人を強制収容所に入れて、次々と殺害していく。このホロコーストによって600万人のユダヤ人が虐殺された。
この行為の根本にはユダヤ人への蔑視や憎悪がある。

ホロコーストの最高責任者の1人である「アイヒマン」の言葉を見れば、ナチスの考え方が見えてくる。

ユダヤ人は、ドイツ国民の永遠の敵であり、殲滅(せんめつ)し尽くさねばならない。

われわれに手のとどくかぎりのユダヤ人はすべて、現在のこの戦争中に、一人の例外もなしに抹殺されねばならない。

今、われわれが、ユダヤ民族の生物学的基礎を破壊するのに成功しなければ、いつかユダヤ人がわがドイツ国民を抹殺するであろう

「アウシュヴィッツ収容所 (講談社学術文庫)」

 

こんな人種差別思想にもとづいて、ナチス=ドイツは強制収容所を各地につくってユダヤ人を抹殺していく。

アウシュヴィッツ強制収容所

 

連合軍が到着したときの収容所の様子

ユダヤ人の死体が山積みにされている。

 

毒ガスで殺害されたユダヤ人

皮肉なことに、毒ガスを開発したのはフリッツ・ハーバーというユダヤ人だった。

 

死体はここで焼却されていた。
上の画像は「NHK 映像の世紀 第5集」から。

 

ハーケンクロイツの旗のもとにナチスはこんなことをしていた。
それに対して日本はどうか?
日本はナチスとまったく違う。

「朝鮮人は、日本国民の永遠の敵であり、殲滅(せんめつ)し尽くさねばならない」という人種差別思想を持って、朝鮮半島にアウシュヴィッツ収容所のような建物を建設し、「朝鮮人大虐殺」をやったという事実はない。
あの時代の日本がしことはこんなことだ。

併合当初の10年間は所得税の免税措置を行い、さらに日本統治以前は進んでいなかったインフラストラクチャーの整備や、近代教育制度(朝鮮語は必須科目)や近代工業の導入など統治下に置いた朝鮮半島の開発に力を入れ、開発工事や運営の主な労働力を朝鮮人に求めることで雇用を創出した。

日本統治時代の朝鮮

 

日本統治時代に生きた韓国人はその時代をふり返って、評論家の山本七平氏に「ごく普通の調子」でこう評価した。

「これだけ民生を向上させ、さらにこれだけ穏健な政府は過去においてはなかった」と。この点では私が会ったすべての人の意見は、共通の常識の如くに一致していた。そして批判は常に、この評価を前提としての批判であった。

「洪思翊中将の処刑 (山本七平)」

 

日本の統治を批判する人もいたけど、それまで朝鮮半島に存在した政府よりはよかったという。

この本が出版されたのは1986年(昭和61年)だから、ここに出てくる人たちは現在の日韓関係とはまったく関係ない。
いまでいう嫌韓・反日といった先入観がないし利害関係もない。
だからこの時代の証言は信用できる。

 

真ん中の人物が洪 思翊(こう しよく、ホン・サイク)

朝鮮出身の日本陸軍軍人としては、王公族として皇族と同等の優遇を受けた李垠中将と並び、最も高い階級に昇った。

洪 思翊

ナチス=ドイツ政権下でこういう待遇をうけたユダヤ人は存在しなかった。

 

だからといって、「日本の統治はよかった」と言っているわけではない。
この本には、日本人が朝鮮人を差別していたことや創始改名を苦に自殺した朝鮮人の話もでてくる。
ただ、日本とナチス=ドイツがしたことはまったく違うという事実を指摘しただけ。

 

韓国紙が書くようにハーケンクロイツは「ナチスの象徴である」と同時に、欧米では人種差別の象徴と考えられている。だから絶対的なタブーになっているのだ。
これに対して、韓国の政府やマスコミは旭日旗を「帝国主義」や「軍国主義」の象徴とみていて、人種差別のシンボルとは主張していない。
日本とナチスはやっていることが違うから、旭日旗とハーケンクロイツでは意味するものも違う。
ホロコーストを象徴するものを在日米軍が使うわけない。

おまけに書けば、きょねん京都で出会ったイスラエル人に「韓国はよく日本とナチスを同一視しているけど、どう思うか?」と聞いたら、「日本もホロコーストのようなことをしたの?」と驚いていた。
ハーケンクロイツは人類最悪の人種差別を象徴する旗なのだ。

旭日旗は日本文化の中では、出産のお祝い漁師の大漁旗のように、めでたいことの象徴として使われていた。

くわしいことは外務省の説明をどうぞ。

旭日旗について

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。