日本各地の神社には、聖域を守護する二対の狛犬(こまいぬ)さんがいる。前回、それが日本に伝わるまでの歴史的ルートについて書いた。中国の獅子像が高麗(こま)からきたことで、「こまいぬ」と呼ばれるようになったという。
まあ、くわしくは前回を見てくれ。
ここでは狛犬のルーツをさらにたどり、エジプトのスフィンクスとつながるという説について書いていこう。
辞書(百科事典マイペディアの解説)によると、日本で初めて狛犬が登場したのは平安時代で、京都御所の清涼殿に獅子の像と置かれ、これが狛犬の始まりになったとされる。
京都御所の清涼殿(とガイドの後頭部)
さらに日本の狛犬のルーツをたどると、古代インドの獅子像にたどりつくと、「京都国立博物館」のホームページに説明がある。
本当の起源は、仏像の前に2頭のライオン(獅子)を置いたことにあり、狛犬の形はそこから来ているのです。
狛犬は仏教とともに、シルクロード → 中国 → 朝鮮半島に伝わり、日本にもたらされたらしい。
パキスタンのガンダーラ遺跡で見た仏像
ライオンが仏像を支えている(守っている?)。写真がボケているのは許してほしい。
狛犬の始まりとなった「獅子像(ライオンの像)」の起源をさかのぼると、「古代インド・オリエント」にいきつく。
狛犬の起源は古代オリエント・インドに遡(さかのぼ)ります。狛犬はライオン(獅子)を象った像ですが、それがはるばるシルクロードを通って日本まで伝わってきました。
オリエント(古代オリエント)とは現在の中東にあった古代文明のこと。そして狛犬の起源をたどっていくと、エジプトのスフィンクスとつながりがあるという。
当時、古代オリエントの国では、神や王の守護獣として百獣の王であるライオンが用いられた。その代表例がエジプトのスフィンクスだ。(明治神宮Q&A)。
ネット上は「狛犬の先祖がスフィンクスだった」と説明しているページがいくつかあるが、この説はややアヤシイ。古代オリエントにあった 「ライオンを象(かたど)った像」が南のエジプトに伝わって、スフィンクスになったとされる。そして、古代オリエントにあった 「ライオン像」が東方に伝わり、インド、中国、朝鮮を通って日本に来て狛犬になった。
つまり、日本の狛犬とエジプトのスフィンクスは「共通の先祖(古代オリエントのライオン像)から生まれた」という可能性が高いのだ。
どちらにしても神社の狛犬とエジプトのスフィンクスには、つながりがあることはまず間違いない。
まさに歴史のロマンですね~。
おまけ
この明治神宮のホームページを見ると、本物のライオンが日本に初めて来たのは1866年とある。
1866年といえば、坂本龍馬が薩長同盟を成立させた年だ。
さらに翌年の1867年には、大政奉還をして江戸幕府は崩壊している。
○今回の復習
・世界4大文明はなに?
・日本にライオンが来た1866年、坂本龍馬が成立させたことは?
・その次の年1867年に、将軍が政権を天皇に返したことをなんという?
答え
・黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明
・薩長同盟
・大政奉還
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