10月22日におこなわれた選挙は、「日本で初めて」という画期的な選挙だった。
18歳と19歳の人たちが投票したのは、今回の選挙が初めてだから。
結果は自民党の大勝。
この理由は、若い人たちが自民党を支持していたことが大きい。
朝日新聞の記事(2017年10月12日)から。
比例区で自民に投票するとの回答は、18~29歳で61%に、30代では50%に上る。14年衆院選の序盤調査と比べてわずかに減ってはいるが、他党を引き離していることに変わりはない。
逆に、高齢の人たちの間では立憲民政党を支持する人が多い。
何はともあれ、これからもしばらくは安倍政権が続くことになる。
この選挙結果に対して、海外ではどんな反応があったのか?
お隣の韓国での反応を中心に書いていきたい。
選挙の翌日、中央日報にはこんな記事があった。
崖っぷちの安倍政権を救った北核危機…改憲が実現すれば日本は戦争を遂行できる「普通の国」に生まれ変わる
韓国では、この選挙結果によって、日本で憲法改正の動きが進むことに警戒感を持っている。
自民党の圧勝で選挙は終わった。これで安倍首相が推進してきた平和憲法改正は弾みがつくことになった。
たしかにそうだろう。
与党が3分の2の議席を取ったのだから。
これで憲法改正の発議が可能になる。
改憲の動きは進むと考えるのがふつうだ。
そうなると韓国としては、日本に支配されていた悪夢が脳裏によみがえる。
日本経済新聞の記事(2017/10/23)でも、韓国が憲法改正の動きを不安視している。
与党「共に民主党」の洪翼杓(ホン・イクピョ)政策委員会首席副議長は23日、「日本が再び戦争できる国となり、北東アジアを危険に引きずり込むことは同意できない」と警戒感を示し
日本が憲法を変えて「戦争のできる国」になることを強調していたのは、中央日報もハンギョレ新聞も東亜日報も同じ。
韓国ではこれが一般的な反応だ。
韓国人の常識的な見方でもある。
でも、自民党の圧勝したからといって、「日本が戦争を引き起こし、北東アジアを危険に引きずり込む」というわけではない。
これは現実離れしている。
中央日報の記事では、これから数年のうちに「日本は戦争を遂行できる「普通の国」に生まれ変わる」とも書いている。
これも、かなり一方的な見方だ。
それに憲法を変えるかどうかは、政府ではなくて日本国民が決めること。
自民党がどんなに憲法を変えたくても、国民が「NO!」と言ったらそれはできない。
それに万が一憲法を変えたとしても、日本が戦争を引き起こしたり北東アジアに攻めこんだりすることは考えらえない。
そんなことをして、日本にどんなメリットがあるのか?
自民党が言っていることは、憲法に自衛隊を明記すること。
だから韓国の憲法に近くなる。
「日本は戦争ができる国になる」というのは、日本が韓国に近づくということもである。
韓国は憲法9条を持っていないし徴兵制もある。
「戦争のできる国」としては、日本よりもずっと先を進んでいる。
韓国の見方からしたら、中国もアメリカも世界中のほぼすべての国が「戦争のできる国」になってしまう。
韓国の言う「戦争のできる国」とは、世界の中の一国、つまり「普通の国になる」ということでもある。
「崖っぷちの安倍政権を救った北核危機…改憲が実現すれば日本は戦争を遂行できる「普通の国」に生まれ変わる」
この韓国紙の記事に対して、日本ではどんな反応があったのか?
インターネット上ではこんなコメントがあった。
・今までが異常だったと
・普通の国になろうとする国家は世界でも日本だけだ。
・その通り!普通の国になるのだよw
・戦争のできる「普通の国」な韓国は 、何故戦争のできない「平和な国」に自らなろうと声を上げないの?
・北朝鮮は関係ないよ。野党の自爆と自滅だろ
・日本国憲法がそんなに好きなら、九条の内容を韓国の憲法にそのまま取り入れればええやん。
やっぱり、「普通の国に生まれ変わる」という韓国の特徴的な見方に反応する人が多い。
憲法の改正には日本でも賛成・反対に意見が大きく分かれている。
今回の選挙結果を受けて、国民がより一層この問題を真剣に考えることになるはず。
日本での改憲の動きに警戒心をもっているのは中国も同じ。
そんな中国も、「戦争のできる普通の国」なワケですけど?
海外のほかの国は、この選挙結果にどう反応したのか?
日本経済新聞の記事(2017/10/23)によると、欧米の国は韓国や中国と違って歓迎の声が多い。
EUのユンケル欧州委員長はツイッターで安倍首相の勝利をこう祝った。
「自由で公平な貿易を支持する日本とEUの強力なパートナーシップのための協力を継続できることを楽しみにしている」と書き込んだ。
イギリスBBCは、与党が「念願の憲法改正を推し進める機会を手にした」と報じている。
でも、中国や韓国のように、日本が「戦争のできる国になる」とか「軍事大国化する」と不安視する様子はない。
アメリカ政府は前から自民党の勝利を望んでいたから、この結果に満足している。
なんせトランプ大統領から安倍首相への電話に、韓国が”嫉妬”するぐらいだから。
中央日報の記事(2017年10月24日)から。
「強いリーダーが国民から強力な支持を受けたということが非常に重要だ」
安倍晋三首相の圧勝で終わった衆議院選挙の翌日である23日午前11時30分、ドナルド・トランプ大統領が安倍氏に述べた祝いの言葉だ。30分間行われた両首脳による電話会談は、安倍氏の圧勝を祝うためにホワイトハウスからの要請で行われた。
世界の国には、それぞれの価値観や見方がある。
特定の国や地域を取り出すだけではなくて、いろいろな国の反応を知ることが大事ですね。
それにしても、韓国はいろいろと大変だと思う。
日本が「戦争のできる国」になることを警戒したと思ったら、日米のつながりの強さを見て、すぐに「韓国が無視されないか?」と不安になる。
実際、今の韓国としては、日本の「憲法改正」とアメリカの「韓国パッシング(無視・軽視)」の2つはかなり不安なはず。
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