いまユン・ミヒャンという人物をめぐって、韓国の「正義の基準」がグラついて社会が大揺れになっている。
ユン氏は慰安婦問題の「真の解決」とやらを目指して活動する市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の元理事で、その活動で得た名声や影響力を利用して、いまは国会議員に上り詰めた人物。
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「慰安婦に対する日本国政府の真の謝罪と賠償金」を要求し、世界各国で「日本軍慰安婦は強制動員された」と主張、ソウル特別市で常設博物館の戦争と女性の人権博物館を運営している。
「慰安婦おばあさんの名誉や尊厳を回復するため」とか言って国民から億を超える寄付金を集め、国から多額の補助金をもらったものの、最近になって元慰安婦から「寄付金がどこに使われたのか知らない」「だまされるだけだまされ、利用されるだけ利用された」と暴露された正義連。
この「私物化」の中心人物が前理事のユン氏で、寄付金を自分の口座に振り込ませていたが発覚して保守的な韓国紙から猛批判を受けている。
そんな中、産経新聞が社説「慰安婦団体 反日集会やめ像の撤去を」(2020.5.20)でこんな提言を行った。
「反日憎悪の象徴である慰安婦像を早急に撤去してほしい。」
「韓国の保守派の間では慰安婦問題で反日運動を続ける尹氏らに対して「元慰安婦を利用している」との批判が根強いという。」
「与党側には尹氏を擁護する声もあるが、「反日」なら何でもありでは通らない。」
日韓関係を改善するためにはソウルの日本大使館前にある慰安婦像の撤去や、毎週水曜日に行っている「反日集会」をやめないといけない。これはマスト。
ただ最近はコロナのせいで、オンラインで集会を行っているらしい。
産経新聞の考え方に賛成する韓国の保守派もいて、彼らも像の撤去や集会の廃止を訴えている。
でも韓国でこうした人たちは少数で、反日愛国を正義と考える人が多く、世論の主流を占めているのはあいかわらず彼らだ。
例えば、正義連やユン氏の側に立つ韓国の新聞ハンギョレは社説(2020-05-22)でこう反発する。
「ユン・ミヒャン問題」に乗じて極右勢力が組織的に「歴史歪曲」を試みている。国内の極右団体と日本の右翼勢力が少女像の撤去や水曜デモの中止などを要求し、歴史歪曲攻勢に乗り出しているのだ。
「ユン・ミヒャン問題」に乗じた「歴史歪曲」容認できぬ
こうした動きは韓日の「極右勢力」による「盗人猛々しい総攻勢」で「嘆かわしい限りだ」と嘆くハンギョレ。
でも、水曜デモの中止を訴えたのは「ユン・ミヒャン問題」を作り出した元慰安婦の女性だ。
元慰安婦の象徴的な人物で韓国社会で大きな影響力を持つ李容洙(イ・ヨンス)さんが、ソウルの日本大使館前で開かれている正義連の集会について「憎悪を教えている」「集会はなくすべきだ」と主張したのだ。
だからハンギョレの言う方だと、歴史歪曲攻勢に乗り出す「極右勢力」は元慰安婦ということになる。
正義連に集会の解散を求める元慰安婦も、「盗人猛々しい総攻勢」になってしまう。
こんなバカバカしい主張になるのは、これまでユン氏や正義連の活動を絶対的な正義として考えていて、同じ立場になることでいろんなメリットを得ていたからだ。
そういう韓国の人間や組織はいまさら自分たちの「正義」を変えられないから、極右や盗人などとレッテルを貼って反論を抑えようと必死になる。
それで結果的に、元慰安婦も「攻撃対象」にしてしまう。
それはユン氏が所属する与党も同じ。
「与党側には尹氏を擁護する声もあるが、「反日」なら何でもありでは通らない」と言う産経新聞に対して与党側は、正義連の活動に疑問を持つ元慰安婦の遺族に「口封じ」をしていた。
朝鮮日報の報道(2020/05/21)
慰安婦被害者遺族「与党関係者が訪ねてきて『静かにしていろ』と言われた」
「反日」なら何でもあり、が通ってしまう。
これを暴露された与党側は「事実無根」と言うけど、いまの状況を考えると、正しいのはこの遺族の方だろう。
これがいままで韓国で、反日愛国を正義と主張してきた人たちの姿。
自分の意にそわない相手にはレッテルを貼って、事実を知る人間には「脅し」をかけて、何とか自分たちの正義を守ろうとする。
でもきょう5月25日、正義連やユン氏がしてきた不正を告発し、韓国人に日本への憎悪を教える集会はなくすべきと主張した、李容洙(イ・ヨンス)さんが記者会見をおこなう予定だ。
韓国社会で絶大な影響力を持つ政府も正義連も、この人物の口を封じることはできない。
この人の口からどんな真実が呼び出すか注目だ。
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