「慰安婦人権運動と歴史を正す運動を揺さぶろうとする極右勢力の盗人猛々しい総攻勢は嘆かわしい限りだ。」
「『歴史歪曲』を通じて日本の植民地支配の責任に対する忘却を強要しようとする韓日極右勢力の意図がはっきりと表れている。」
韓国の全国紙ハンギョレが社説(2020-05-22)でこう激怒した。
ちなみにこの新聞の主張は、ムン・ジェイン政権や市民団体「正義連」の考え方に近い。
正義連とは「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」のことで、慰安婦問題の解決を目指す!と言いつつ、じつは慰安婦を利用して、自分たちのために金を集めていたことが元慰安婦から暴露された韓国の市民団体。
2011年にソウルの日本大使館前に、少女像(慰安婦像)を建てて日韓関係を決定的に悪化させたのもこの団体だ。
無許可で少女の慰安婦を模したブロンズ像(慰安婦像)を建てた。日本の在韓大使は韓国政府に抗議したが、韓国側は日本国政府が解決に向けて努力すべきだとし、黙認するに至っている。
いま日本と韓国にはこの慰安婦像の撤去と、正義連が行う「反日集会」の廃止を求める声が上がっている。
だけどムン政権や正義連に近い人たちは、そんな主張に「極右勢力の盗人猛々しい総攻勢」、「歴史歪曲」とレッテルを貼って対抗する。
でも前回も書いたけど、日本への憎悪をあおるということで、元慰安婦もこの集会の廃止を訴えているのだから、こういう人たちが言う「極右勢力」や「歴史歪曲」には説得力がないし、攻撃力もゼロに等しい。
上の説明にあったように、日本大使館前の慰安婦像について韓国側はいま、日本政府が解決に向けて努力すべきと黙認している状況だ。
そしてこれを訴える人がいると、韓国のマスコミは「日本の植民地支配の責任に対する忘却を強要しようとする韓日極右勢力の意図」と怒り出す。
別の全国紙・中央日報もこれに同調する。(2020.05.20)
正義記憶連帯をめぐる論議に便乗した日本極右新聞「少女像の撤去を」
だが待ってほしい。
少女像の撤去を約束したのは、他でもない韓国だ。
ただブログにこう書くと、「あのとき韓国政府はそんなことを言わなかった」という反発がよく寄せられる。
たしかに2015年に慰安婦合意を結んだとき、韓国政府はこう言った。
「韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する。」
これを根拠に「努力するけど、撤去するとは言っていない」と言い出す人が、日本にも割といるから困ってしまう。
でも幸いなことに、そんな主張を韓国の全国紙・朝鮮日報が否定してくれた。( 2020/05/17)
被害者の代理人が「この程度の謝罪・賠償ならいい」と言うから少女像問題で柔軟性を見せた-というのが交渉チーム側の主張だ。もし、尹氏が謝罪・賠償の水準に同意しなかったのに外交部が一方的に「少女像撤去」を約束し、被害者側に知らせもしなかったのなら、「屈辱交渉」という尹氏の主張が力を得る。
韓国外交部は尹美香氏との面談記録を全て公開せよ
慰安婦合意を結ぶ前、韓国外交部(外務省)が正義連の元理事・尹美香氏に像の撤去を伝えたかどうか?
韓国ではいまそれが問題になっているけど、日本にとってはどうでもいい。
大事なことは韓国政府が「少女像撤去」を約束したことで、それは朝鮮日報も動かせない事実として書いている。
日本は2015年の合意で約束したことはすべて実行した。
今度は当然韓国の番で、日本大使館前の少女像を撤去しないといけない。
約束したことを韓国はいまだに守っていないから、日本人や韓国人がそれを要求すると、「歴史歪曲」「慰安婦人権運動と歴史を正す運動を揺さぶろうとする極右勢力」とマスコミが反撃して、政府は「日本が解決に向けて努力すべき」と無責任なことを言う。
できない約束はするんじゃない。
した以上は、歯を食いしばってもやらなきゃ。
自分の言葉を自分で否定する人間を信頼することは不可能で、国家がそれをするのはあり得ない。
戦後最悪と言われるいまの日韓関係を改善するためには、まずは韓国側が合意や国際法を守る必要がある。
「極右勢力の盗人猛々しい総攻勢は嘆かわしい限りだ。」とマスコミが反発したとしても。
世界の常識からすると、どう見ても約束を守らない側が悪いのだけど、それを指摘されると「攻撃された」と自分で自分を被害者にして相手の理不尽を嘆く。
そんな隣国だけど、日本は「自分が言ったことは守ってほしい」と求め続ける必要がある。
それで「極右」や「盗人」と言われたとしても。
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