2015年の慰安婦合意で交わした約束を、日本はすべて誠実に守った。
今度はとうぜん韓国の番で、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦像を撤去しないといけない。
でもムン政権は動かない。
約束どおり慰安婦像を撤去してほしいと要求する日本に対して、韓国政府は沈黙、代わりに元慰安婦のイ・ヨンスさんが激怒し、日本がそう言うたびに少女像が海外で建てられて、最後には東京の真ん中に建てられると言う。
そして、そこを歩く日本人が「わたしが間違っていました」と言うようになるだろうと強調した。
これを聞いて韓国国民は拍手を送り、「頑張ってください」「一緒にします」と応えたとか。
くわしいことはこの記事を。
慰安婦問題:「東京に少女像を!」 と言う韓国が一番嫌がることは?
日本は韓国に合意を履行してほしいと、当然のことを言っているだけなのに、こんな感情的な反応が返ってくる。
3年前はそんな空気だった。
でも、それも今は昔の話。
東京に少女像を建てると言ったイ・ヨンスさんが、元慰安婦を支援する市民団体「正義連」は私利私欲の集団で、国民や政府から集めた億単位の金を自分たちのために使っていたと暴露。
正義連と元慰安婦の争いという、日本人の想像を超える異次元の事態に発展している。
慰安婦問題といえばこれまで日韓最大の外交問題で、このために関係は未来志向に進めなかった。
この問題を大きく左右していたのが元慰安婦を後ろ盾にしていた正義連で、30年も行動を共にしていたイ・ヨンスさんはこの団体の正体を誰よりもよく知っている。
そんなイさんが、正義連にって自分は「芸をする熊」だったと発言し、韓国で大きな注目を集めた。
全国紙・朝鮮日報のコラム「萬物相」(2020/05/31)
30年間、芸は熊がやり、カネは熊使いがかすめ取った」と語った。ハルモニ(おばあさん)たちの恨(ハン。晴らせない無念の思い)を解いてあげると言ってあちこち行事に連れ回す一方、募金で集めたお金は個人口座でかすめ取ってどこに使ったか分からない
「芸は熊がやり、カネは熊使いがかすめ取った」
いまになって思えば、東京に少女像を建ててやるぞと言ったのも、熊使いに「仕込まれた芸」だったかもしれない。
世論を自分たちの望む方向に動かすために、正義連なら元慰安婦に何をしゃべらせるか事前に”指示”を出していただろう。
イ・ヨンスさんに「30年にわたりだまされるだけだまされ、利用されるだけ利用された」と暴露された正義連側は、暴露し返す。
元理事長でいまは国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)氏が、そもそもイさんは慰安婦ではなかったというような発言をした。
朝鮮日報の社説(2020/05/09)
「(30年前に)李さんと最初に電話で話したときは『わたしではなくわたしの友人が…』だった」と述べ、李さんが元慰安婦ではなかったとも受け取れる反応を示した。
「利用されるだけ利用された」との主張に対し慰安婦団体は問題を全て明らかにせよ
そして「李さんの記憶はわい曲されている」「心身が衰弱した状態」と言い、李さんを「認知症」と批判したという。
元慰安婦を自分たちに従う「芸する熊」ていどに考えていたから、とつぜん手をかまれて「飼い主」は激怒したらしい。
元慰安婦と正義連の暴露合戦によって、韓国社会では何が真実かわからなくなって混乱が広がっている。
それで朝鮮日報は尹美香(ユン・ミヒャン)氏と政府に真相究明を強く要求した。
もし李さんが慰安婦でなかったのなら、これまで彼らはこれを知りながら利用してきたことになる。もしそのことが事実なら絶対に容認できない。
尹当選人だけでなく、与党と政権は疑惑を解明する責任がある。
この記事に対する韓国ネットユーザーのコメントを見たけど、正義連と元慰安婦による壮絶な殴り合いで熱を失う人が多いようだ。
・なにこれ?わたしたちは両方からだまされてたってこと?
・わたしたちが日本に謝らないといけないようですね。ふふふ。
・これは真実を明らかにしないとダメだろ。納得いかない。
でもこれは他人事ではない。
慰安婦を象徴する人物だったイ・ヨンスさんが慰安婦ではなかったとしたら、慰安婦問題とは何だったのかということになる。
始まりが間違っていたとしたら、この問題を解決するために、何十年も汗を流して知恵を絞ってきた日本の努力が無意味になってしまう。
もし「偽者」だったのなら、東京の真ん中に少女像を建てるというのも何の話か分からない。
「絶対に容認できない」というのは日本のセリフだ。
でも2015年の日韓合意で最終的な解決を確認した以上、この問題について日本はもう今さらどうすることもできない。約束は約束だから。
でも、イ・ヨンスさんが慰安婦だったかどうかぐらいは明らかにしてほしい。
それに日本も韓国と交渉するときは、韓国側の言うことを鵜呑みにするのではなくて、まずはじめに事実を丁寧に確認しないといけないようだ。
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