日本統治の見方:韓国で協力者は抹殺、台湾では日本軍兵士が神

 

日本にとって北と西の隣人、韓国と台湾には共通点があって、それぞれ日本の統治を経験している。

日清戦争で中国(清)に勝利したことで、日本は1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)まで台湾を、そして日韓併合条約によって1910年から1945年まで朝鮮半島を統治していた。

期間は台湾の方が15年ほど長いけど、日本統治に対する現在の韓国・台湾の見方の違いはまさに天地、銀河系レベルでとほうもなく異なっている。
これからその一端をお見せしよう。

 

統治時代を生きた韓国人に金性洙(キム・ソンス)という人物がいて、いまこの人が社会的に抹殺されようとしている。

キムは早稲田大学を卒業したあと実業家として大成功をおさめ、その財の一部を朝鮮のために使った。

朝鮮独立のためには実力の養成が必要だとして、朝鮮人の立場を代弁するメディアとして『東亜日報』を、人材の育成を目的に中央高等学校と高麗大学校を設立した。

金性洙

韓国の全国紙・東亜日報の社屋にあるキムの像
高麗大学や東亜日報では高く評価されている。

 

でも、この経済的な成功がいまになって問題視され、2005年に民族問題研究所による親日派リストに入れられた。
ここでいう親日派とは、日本に協力するなどの反民族行為を行ったとみなされた人物のことで、「売国奴」「裏切り者」といった扱いを受ける。
いまでも韓国では相手を侮辱するときに「親日」というレッテルをはることがある。

でもキム・ソンスには朝鮮独立のために活動してきた面もあるから、彼が本当に裏切り者かどうか裁判が行われ、2017年に最高裁でキムの親日反民族行為が認められた。(いやそこまで争うか?)

それで、1991年にソウルの公園に設置されたキムの像の撤去が決定。
首都の公共空間に親日派の像があるなんて、とてもじゃないけど耐えられない!という韓国国民がそれほど多いということだ。
でも像がなかなか撤去されないことに怒った人がいたらしく、公園側は像の前にこんな案内板を設置する。

きのうの朝鮮日報の記事(2020/06/11)

ソウル大公園は「審議手続きが長期化しているため、まずは案内板を設置して市民に案内している」と説明した。

仁村・金性洙像の前に設置された「親日案内板」

この板に、2017年4月に大法院(最高裁)で親日反民族行為が認められたという案内がある。

 

100年ほど前にはその時代の常識や価値観があって、キムもそうした時代の縛りを受けてつつも、朝鮮独立のために汗を流したと思うのだけど、現代の韓国の価値観によって全否定されてしまった。

裁判所で裏切り者認定されて、像が撤去されるというのは日本ではちょっと考えられない。
それは日本統治を受けた台湾でもきっと同じだ。

台南のグルメや観光スポットを紹介している「Hsu Hsu‎」さんが、台湾人に神として祀られている統治時代の日本人をフェイスブックで案内している。

上の記事の前日には、戦争中に米軍機に撃墜されて墜落死したといわれる日本軍の兵士(階級は分からない)を祀る廟が紹介されていた。

 

 

こんな立派な廟をつくって、下のご神体に台湾の人たちは手を合わせている。

 

くわしくはHsu Hsu‎さんの「木村将軍」をご覧あれ。
台湾人の目線で日本や日本人を紹介するこのページに、ぜひポチっと「いいね!」を。

 

ある人物が民族の裏切り者かどうかを最高裁まで争って、銅像の撤去をきめるというのは台湾人にはきっと想像を超えた展開に違いない。
そもそも日本に協力的だった自国民を裏切り者としてカウントし、「親日派リスト」を作成していまになって断罪するという発想が台湾にはない。

逆に、日本軍兵士を神として祀るなんてことは韓国人の発想では絶対にあり得ない。想像を絶する「親日行為」だ。

同じ日本統治を受けた台湾と韓国でも、それに対する見方は現在ではこれほど違うのだ。

 

おまけ

先日、親日派が眠る墓を掘り起こすイベントに、国家機関が200万円以上の支援金を出していたことが分かった。

朝鮮日報の記事(6/13)

顕忠院「親日派破墓イベント」に2500万ウォン出した韓国報勲処

これも台湾人の感覚ではあり得ない。

 

 

こんな記事もありますよ。

必読!台湾人が日本を好きな理由・日本人が台湾を好きな理由。

中国と台湾の関係を、わっかりやすく説明しますよ。

日本・韓国・ヨーロッパで起きた台湾と中国の問題(台湾問題)

台湾 「目次」

中国 「目次」 ③

【ASUS秘話】日本人が台湾を好きにならずにいられない理由

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。