【韓国の自浄作用】日本の“パクリ商品”に国内で批判集中

 

10年ほど前、東京に住んでいた知人の韓国人が、バイト帰りにチューハイを買って家で飲むことを楽しみにしていた。「生きがい」と言っていいレベル。
当時の韓国には缶チューハイがなかったか、それとも日本の缶チューハイがうますぎたのか忘れたけど、帰国したあと日本について恋しく思ったのが缶チューハイと言う。

いまの韓国ではチューハイは一般的になっているらしい。
でも最近、韓国企業が売り出した缶チューハイを見て、「これは日本のパクリだろ!」という声がSNSを中心に上がっていていま問題になっている。

 

 

韓国の缶チューハイ「檸檬津」とコカ・コーラ社の「檸檬堂」を比較すると、もちろんどっちもレモンサワーで名称や缶のデザインがそっくりだ。
それでこの商品には“盗作”の疑いがかけられている。

Record Chinaの記事(2021年5月18日)

「檸檬堂」ではなく「檸檬津」…韓国で発売された缶チューハイが「日本のパクリ」と物議

韓国のネットでは「言うほどかな?」といった“擁護”もあるけれど、こんな批判が多いようだ。

「これはひどい」
「あからさまにパクるね」
「なぜここまで堂々と真似できるのか」
「『たまたま似ていました』との言い訳もできなくなる」

パクリかどうかは小さなことで、アルコール度数の高い缶チューハイが韓国に登場したことに大きな意味があるという、結局パクリを認めたようなねじれた擁護もあり。

 

政治的には「戦後最悪」の日韓関係でも、文化の面でいえば「無風?」と思ってしまうほど韓国で日本文化は受け入れられている。
いま韓国で上映されている『鬼滅の刃』の観客動員数は200万人を超えて、「千と千尋の神隠し」を上回り新記録を達成。
Naverの映画評価でも10点満点中、9.62と高い評価を受けている。
ベストセラーランキングでも『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』が上位にあるから、韓国での人気はホンモノだ。
キメツには「旭日旗騒動」もあったからさすがに完全無風とは言えないけれど、アニメやゲームのほか日本食も韓国社会にすっかり定着しているし、政治と文化は切り離して考えたほうがよさそう。

コロナ禍の前まで日本に来る韓国人は本当にたくさんいたし、日本で人気の店や商品などの情報はあちらでもよく知られるようになった。
だから国内に“日本のパクリ”があると、「あ、これ!」とすぐに誰かが気づいて問題にする土壌ができている。
3か月前には市民から「デジモンを無断盗用」と指摘され、京畿道(キョンギド)京畿道が「不快な思いをされた国民の皆さまに心から謝罪申し上げる」と謝罪して該当するコンテンツを削除した。

中央日報日本語版の記事(2021.02.08)

「日本アニメをまねた」…韓国京畿道、災難基本所得広報物を削除

こういう“パクリ商品”が出てきて「日本のモノを盗んだ!」と日本人が指摘すると、それはそれで別の問題が生まれるだろうから、こうした自浄作用がはたらいて、“身内の恥”は自分たちで処理するする動きは大歓迎だ。

 

 

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3 件のコメント

  • セウカン50周年のインタビューで「白紙から作った」って言ってたのであれは完全オリジナル、似てるのはパッケージだけみたいです。食べたことないからしらんけど

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。