【数字は独身に限る】日本発の世界的パズルゲーム“Sudoku”

 

10年ぐらい前にタイを旅行中、出会ったイギリス人から、

「君は日本人か。わたしはスドクが大好きなんだ。素晴らしいモノを作ってくれてありがとう」

と謎の感謝をされた。
イギリスではかなり人気があるらしく、「スドクってなんですか?」とナチュラルに聞いたら、「え?日本人の君が知らないの?」と驚かれたでござる。
日本語みたいな響きだなあ、と思ったらけど意味までは知らなかった。
イギリス人の話からこれは漢字で「数独(すうどく)」と書く、数字遊び(パズルの一種)と判明。

江戸時代に日本の数学・和算の水準を世界トップレベルに引き上げた偉人が関孝和(せき たかかず)なら、数独の文化を世界に広めた功績者は鍜治 真起(かじ まき)さんだ。
まぁ両者は直接関係ないんだが、関孝和や和算に興味があったらこの記事を読んでクレメンス。

【遺題継承】江戸時代に日本の数学が世界レベルだった理由

 

数独とはこんな3×3のブロックが9つある正方形の枠内に、1〜9までの数字を入れるパズルのこと。

 

 

このパズル自体はもともとはアメリカにあったもので(まったく同じかは知らん)、それを鍜治氏が1984年に日本の雑誌で紹介したことが世界的ブームの始まりだ。
*だからこれは日本人が考案したパズルというわけではない。
1から9までの数字を重ならないように入れることから「数字は独身に限る」になり、それを略して「数独」の出来上がり。

日本で数独を知ったニュージーランド人が「なにこれ、おもしろい!」とほれ込んで、自分が作ったスドクの問題をイギリスの新聞『タイムズ』に売り込んだところ、これが気に入られて、そのニュージーは2004年からタイムズで「Su Doku」という連載を始めることとなる。
これがイギリス人にバカ受けしたことがきっかけで、「Su Doku」は世界中へ広まった。

2005年8月には権威ある英BBC(いわばイギリスのNHK)が毎週、数独を特集する番組を放送し、アメリカでは14年に初めて新聞で取り上げられて、2005年には世界初となるスドクの生放送がテレビに登場した。
詳しいことは英語版ウィキペディアの「Sudoku」をチェック。

 

「Sudoku」が海外で絶賛され人気を集めるようになると、日本でも知られるようになる。
世界での知名度はバツグンだから、今月10日、その命名者である鍜治氏が亡くなると韓国の全国紙・朝鮮日報がその死を惜しんだ。(2021/08/18)

2004年に英国の日刊紙で数独が紹介されたことをきっかけとして、世界各国で数独ブームが起きた。数独はオックスフォード英語辞典(OED)にも収録された。06年にはニコリ社の主管で数独の世界選手権大会が開かれた。

訃報:鍜治真起さん 69歳=数字パズル「数独」の命名者

 

ということでここまで読んだ日本人なら、あるときイギリス人から「わたしはスドクが大好きなんだ!」と言われたときに、「それってなんですか?」よりは上質な返事ができるはずだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。