【タイ人と日本人】仕事文化や責任感、自己肯定感の違い

タイ人の本名は長いから、普通は短く「チューレン(ニックネーム)」で呼んでいる。
チューレンは基本的に何でもアリで、ビアー(ビール)、ドーナツ、メイ(5月)、ムー(豚)など、食べ物や飲み物、月、生き物の名前でもOK。

これから登場する30代のタイ人女性はカニが好きなので、ここでは「プー(カニ)」というチューレンで呼ぶことにする。
プーは日本の大学を卒業し、日本の会社で働いていたけれど、いったんタイに戻り、今度はアメリカの日系企業に就職した。その後、子供が生まれたため仕事を辞め、現在はミシガン州で主婦をしている。
最近、彼女と話をしたので、今回はその模様を紹介しよう。
なお、これはプーの個人的な体験や意見で、日本の話は10年以上前のことになる。

 

ーーことしの4月から、日本の会社で働き始めたインド人がいて、彼と会って話を聞いたら「日本人の同僚と仲良くなるのが難しい。職場でリラックスできなくてしんどい」と弱音を吐いていた。

あ〜、それはわかる。日本人はね、なんていうか… ガードが固いの。インド人はフレンドリーですぐ距離を詰めてくるけど、日本人は仲良くなるまでに時間がかかる。だから、そのインド人さんは慣れるまでちょっと大変かもしれない。

ーープーは日本、タイ、アメリカの3カ国で働いた経験がある。日本の仕事文化で嫌なことはあった?

嫌だったのはね、残業が「頑張っている証拠」みたいに見られちゃう雰囲気かな。
部長がなかなか帰らない人で、わたしはサッサと帰ってたけど、上司より先に職場を出ることに抵抗を感じる人が多くて、「何だこの空気?」って思った。
日本人は人の目を気にしすぎて、自分で自分を窮屈にしているみたいだった。

ーーアメリカは違う?

アメリカではね、「会社より自分」っていう考え方が主流なの。社員は自分の都合を優先するから、用事があれば午後2時でも3時でも平気で帰っちゃう。そのへんの自由さはタイ人の感覚に近い。
わたしが働いていた日系企業では、日米の文化が半分半分あって、社員が休みや早退をとろうとすると、プライバシーに口を挟むような上司がいて、彼はアメリカ人の社員にウザがられていたw

 

タイと日本のつながりは深く、バンコクのスーパーでこんなポスターを見た。

 

ーー日本の仕事文化でほかに嫌なことあった?

日本人が仕事に真面目すぎることも好きじゃなかったな。自分や家族の時間、健康を削ってまで仕事をしている人がいて、見てて「もっと気楽に仕事をしようよー」って思ったよ。

ーー外国人が日本人を見て、責任感が強いと感心することは多い。強すぎて呆れることも多い。

そのとおり。だから、日本人は仕事をキッチリこなすけど、タイ人は細かいミスが多い。大学のイベントでも、日本人学生の行動を見ていて、「そこまで考える? そこまでやらないとダメ?」ってウンザリしたことがあった。

ーー前に日本に住んでいたタイ人から、こんな話を聞いた。
日本人は自分を大切にする気持ちが薄くて、自己犠牲の気持ちが強い。タイ人は良くも悪くも「自分ファースト」で、自分の気持ちを大事に考えるから、日本人からは「わがまま」とか「自分勝手」に見えることがある。

その見方に賛成で〜す。
日本人と付き合っていて、「必要以上にネガティブな言葉を使うな」って何度も思った。たとえば、「私は英語ができません」って言うけど、実はそこそこできるみたいな。
タイ人は逆に、自己肯定感が実力を上回っているから、同じレベルの英語力で「私は英語が得意です」とドヤ顔で言う。

ーー日本にいたインドネシア人も同じようなことを言ってた。
「君は〜が上手だね」と褒められると、インドネシア人なら「ありがとうございます。私は努力しましたから!」と言うけれど、日本人は「いえいえ」と否定から入ると。それも自己肯定感の高さの違いなんだろうな。

タイ人の感覚もインドネシア人に近くて、褒められたら素直に受け取る人が多い。日本ではそれを否定するのが謙虚さの表れだけど、タイ人的にはそれは失礼だと思う。

ーー日本人が人の目を気にしたり、責任感が強いことにも、自己肯定感の低さが原因にある気がしてきました。

そう、日本人はもっと自信を持っがほうがいい。でも、そうすると、礼儀正しさとか日本人の良さが無くなるかも。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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