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世界的に有名な「ニューズウィーク」(Newsweek)という雑誌があって、そこには世界での印象的な言葉を紹介するページがある。
2017/1/17号では菅官房長官の発言がのっていた。
互いに国と国として約束したことは履行してほしい。
菅官房長官ー韓国・釜山の慰安婦像設置が15年末の日韓合意に反するとして、駐韓日本大使の一時帰国などを発表して
ニューズウィークのこのページで、日本人の発言が取り上げられるのは珍しいと思う。
さて今回、日本が釜山の慰安婦像への対抗措置として、通貨スワップの交渉を中断することを発表した。
これは、日本が抗議の意味でおこなっている。
だから、韓国にとっては当然ダメージとなる。
朝鮮日報の記事(2017/01/07)にはこう書いてある。
6日に突然、通貨危機の際に外貨を融通し合う「韓日通貨交換(スワップ)協定」の再締結協議中断を宣言したことから、韓国企画財政部(省に相当)は困惑を隠せずにいる。
日本とスワップ再開協議中断の韓国、中国とは10月に期限切れ
通貨スワップの話がストップして韓国側は困惑し、「遺憾の意を表明する」という。
ただ韓国が困るのは経済的な理由だけじゃない。
「日本と韓国のどちらが先に、『交渉を再開してほしい』と要請するか?」ということでも、困ってしまう。
韓国にとっては、「どっちが先にお願いするか?」というメンツの問題にもなってしまうから。
韓国がそんなふうに頭を痛めているなか、麻生財務大臣が日韓通貨スワップの交渉についてこんなことを言っている。
時事通信のニュース(2017/01/10)から。
「金だけの話じゃなく、信頼関係で成り立っている。信頼関係がなくなり、難しくなってきている」と述べ、早期の交渉再開に否定的な見解を示した。
麻生氏は「(日韓合意という)約束が守られないのなら、貸した金も返ってこない、スワップなんか守られないかもしれないという話になる」とも指摘した。「信頼関係ないと再開困難=日韓通貨協定交渉―麻生財務相」
日韓合意にもとづいて日本はすべての約束を守ったけど韓国はまだ。
先に信頼関係を壊したのは、韓国なのは間違いない。
信頼関係がなかったら、交渉なんてできなくなる。
信用できない相手と、どうやって約束をできるのか?
麻生大臣の言っていることが正論だとしても、「韓国に金を貸しても、返ってこないかも」という言葉は韓国のプライドを傷つける。
メンツもつぶしてしまう。
何ごとにおいても、「日本より上か下か?」ということにこだわる韓国としては、麻生財務相の無慈悲な言葉にメンツをつぶされてしまうかっこうとなった。
さっそく朝鮮日報(2017/01/10)は、「妄言だ!」と反発する。
麻生氏また妄言「韓国に金を貸しても返ってこないかも」
しかし、記者たちとの公式な質疑応答の席で、韓国政府に金を踏み倒されるかのような発言をしたことは不適切だとの指摘も出ている。
麻生氏は過去に何度も、帝国主義による侵略と支配を正当化する不適切な発言で物議を醸し「妄言製造機」「失言製造機」などと呼ばれている。
さらに中央日報も怒る(2017年01月11日)。
2015年12月に締結された韓日政府間の慰安婦問題合意とその後にふくらんだ少女像問題を結びつけ、「韓国は信頼できない国」というニュアンスを強く漂わせた発言であり、波紋が予想される。
「波紋が予想される」
中央日報が予想した波紋は、日本では起きてはいない。
韓国に対してこんな失礼なことを言ったのだから、それなりの反応(波紋)が起こることを中央日報は期待したと思う。
韓国のことは知らないけど、日本ではこの発言について「問題なし」としてスルーされている。
それに麻生財務相にとっては、韓国の新聞に「妄言」と書かれたところで「それが何かね?」とカエルの面に水だと思う。
実際、韓国が「妄言だ!」と言おうと何といおうと、韓国が日本との通貨スワップの協定を結びたいという現実は変わらないのだから。
韓国としては、日本と通貨スワップの交渉を始めたい。
でも、韓国のメンツとプライドを守るために、自分から「交渉を始めたい」とは言い出せない。
そんなことで、最近はこんな苦しい言い方をしている。
中央日報(2017年01月07日)によると、韓国の担当者「宋寅昌(ソン・インチャン)」さんは、こんな強気なことを言っているらしい。
韓国、外貨準備高3711億ドル…「韓日通貨スワップにこだわる理由ない」
宋寅昌次官補は「今後日本が望むなら通貨スワップ協議を再開することができる」と述べた。
本当は韓国が通貨スワップ協議をしてほしいのだけど、それを言うことはメンツにかかわるから、素直には言えない。
だから、「日本が望むなら~できる」という苦しい言い方になってしまう。
そんなやせ我慢をしていると、後から自分が大変になると思うけどなあ。
「日本が望むなら」なんてことを言って、本当に大丈夫かなあ?
去年の通貨スワップ交渉について、麻生大臣は韓国からの申し出に不機嫌なようだけど。
これは、中央日報記の記事(2017/01/07)。
慰安婦:少女像設置に対抗措置、安倍首相は米副大統領に電話で根回し
麻生財務大臣は「こちら(日本)が『大丈夫か』と2度も3度も尋ねたのに、韓国は『大丈夫』といってスワップを中止した。『今まで必要ないと言っておいて、なぜ頼むのか。正式にスワップを要請するという文書をもってこい』と言った」と語った。
日本「大丈夫か?」
韓国「大丈夫だ」
日本「本当に、大丈夫なのか?」
韓国「大丈夫だ」
韓国「・・・やっぱり、通貨スワップをお願いします」
日本「だから言ったじゃないか!」
という感じ。
「文書をもってこい!」とでも言いたくなりますわ。
今度、韓国が通貨スワップの交渉を再開してほしいときは、文書の他に高級高麗人参も必要になるかも。
なんてことをボクが考えていたら、韓国は別の手段を考えているみたい。
中央日報の記事(2017年01月12日)では、「日韓通貨はあったほうがいい」としたうえで、アメリカや中国を利用して日本から韓国に声をかけるようにさせることを伝えている。
S氏は「過去から学ばなければならない。韓国がすがれば百戦百敗だ。日本が先に手を差し出すようにしなければならない。そうするには米国を動かし、中国をてこに使わなければならない」とした。
「韓国がすがれば百戦百敗だ」というところは、なかなか面白かった。
でも、韓国がアメリカや中国を動かして、日本から先に通貨スワップの交渉をお願いするようようにさせる。
そんなことを本当にできるのだろうか?
それよりまずは、慰安婦像を動かさなきゃ。
話はそれからですよ。
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