日本への対抗心①通貨スワップ交渉に見る韓国のメンツやプライド

 

韓国人にとって、日本に対するメンツやプライドがどれだけ大事でやっかいなのものか?

中央日報にこんなコラム(2017年01月11日)がある。

【コラム】韓国が厄介な隣国と生きていく姿勢

韓国企画財政部と日本財務省、両国の経済官僚は毎年、サッカーの親善試合をしている。

親善試合とはいえ、激しい自尊心競争は他の韓日国家対抗戦に劣らない。選手に選抜された官僚は「死ぬ気でやる」と言う。

 

「友好親善」なんだから、目的は相手との仲を深めることのはず。
でも、韓国の場合、相手が日本だと勝ち負けの問題になってしまう。
日本への対抗心から、友好親善でも勝つことが目標になる。

友好親善は、死ぬ気でするもんじゃない。
楽しくやらなきゃ。

そんなヤツと親善試合なんてしたくないわ。
「厄介な隣国」って、こっちのセリフじゃ。

 

日本との通貨スワップの交渉でも、この韓国のメンツやプライドが邪魔をしている。
韓国にっては、「日本と韓国のどちらが先に通貨スワップの交渉を申し込んだか?」という順番がすごく大事になる。

これは、「日本と韓国のどっちが上か?」ということにもつながって、韓国のメンツにとっては死活問題にもなりかねない。
韓国から先に通貨スワップを申し出ると、「日本に頭を下げてお願いした」というかっこうになってしまうから、国としてのプライドが傷つく。
韓国の場合、日本がからむと経済問題が国や民族的なメンツやプライドの問題にもなってしまう。

 

たとえば、中央日報の記事(2016年01月15日) にはこう書いてある。

慰安婦問題でこじれた韓日通貨スワップ再開

だが柳副首相はこの日「ただちに韓日通貨スワップをしようという考えはない」と言い切った。

特有の曖昧な話法を使わなかった。彼は「日本が先にしようといえば反対する理由はない」としつつも「韓国が先に要請する段階ではない」とした。韓国の外貨準備高が3680億ドルに達し、純対外債権も3000億ドルを超えており、韓日通貨スワップを急ぐ時ではないというのが企画財政部の説明だ。

 

「日本が先にしようといえば反対する理由はない」
「韓国が先に要請する段階ではない」

本来は、「どちらの国にスワップ協定を結ぶ必要性があるか?」ということだと思うけれど、韓国にとっては「どちらが先か?」という順番の問題になっているみたいだ。

結局、メンツやプライドがかかわっているからだろう。
「日本が先にしようといえば反対する理由はない」なんという、やや上から目線も韓国の日本への対抗心が見え隠れしてる。
ホントは、日本と通貨スワップしたいんでしょ?

韓国の基準では、何事も「日本より上か下か?」ということが大事。

 

上の記事は2016年1月のもの。
その後、韓国の経済状態がマズくなってくる。
そうなると「やっぱり、日本との通貨スワップ協定を結びたい」となってくる。

韓国の新聞でも、「韓日の通貨スワップの交渉を考えてもいい」といった文がのるようになる。
そして、だんだんと「できるだけ早く日韓通貨スワップを結ぶ必要がある」となっていく。

で結局は、韓国から先に「通貨スワップの協定を結びたい」と言い出すことになる。

 

個人的に、このときの韓国の新聞の書き方に興味があった。

「今まで、日本との通貨スワップの協定を結ぶ必要がないと言っていた。でも、やっぱり結ばないとマズくなってしまって韓国のほうから願い出た。韓国の新聞としては、『韓国が先にお願いした』ということを書きたくないはず。そのへんをどうやってボカシて書くんだろう?」

 

そんなことを思いながら、中央日報(2016年08月29日)を見るとこんなふうに書いてある。

韓日通貨スワップ、話を切り出してすぐ受け入れた日本(1)

27日に開かれた韓日財務対話で双方が通貨スワップ協定を締結するよう合意するのに長い対話はいらなかった。柳一鎬(ユ・イルホ)副首相が切り出すと麻生財務相はすぐ待っていたかのようにこれを受け入れた。

 

これが、本当に韓国の新聞の書き方だと思う。

先に話を切り出したのは韓国だけど、「日本はそれを待っていた」というように書いている。
この書き方だと、まるで「日本が韓国との通貨スワップの交渉を結びたがっていた」という印象を持ってしまう。
同時に、「韓国から先に声をかけてやった」という大人の風格をも感じさせる。

韓国のメンツやプライドを傷つけないように、配慮した書き方をしている。
韓国の新聞は、こういう表現をよくつかう。

そんなことを書かなくても、「日本と通貨スワップの交渉を始めた」とだけ書けばいいと思うんだけどね。

 

「どっちが先か?」という順番が、そのまま「日本との上下関係」に結びついてしまう。
今の韓国も、本音としては日本との通貨スワップの交渉を早く始めたいのだと思う。
けれど、メンツやプライドの問題があって先に声をかけることができない。
もちろん、その前に、慰安婦像を動かしてもらないわいと困るけど。

その慰安婦像も、「日本に言われて像を撤去した」という形にはしたくない。
慰安婦像を動かすにしても、「どうやって、韓国のメンツやプライドを傷つけないでやるか?」ということで困って身動きが取れなくなっちゃっているんだろうけど。

韓国を見ていると、国のメンツやプライドってやっかいだなあと思ってしまう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。