だいたい1990年代までの韓国と日本は、韓国視点だとこんな感じだったらしい。
朝鮮日報(2022/07/03)
韓国では皆、あらゆる分野で日本のまねをしていたが、誰もその事実を公に認めない国だった。むしろ反共主義と同じくらい激しく厳しい反日主義が社会全体に渦巻いていた。
【寄稿】反日スローガンを叫んでいるうちに「超格差」を失った5年間
いまの韓国人が子どものころから知っていて、馴染みのあった歌やお菓子、アニメなどが、実は日本の「盗作」、あるいは「影響を受けた」ものだったと知って、ショックを受ける若者がいるという。
韓国が「日本のまねをした時代は幕を閉じた」のはキム・デジュン政権のときに、日本の大衆文化が開放されてからだ。
この寄稿では、かつての韓国がいろんな分野で進んでいた日本を「参考」することは仕方なかったと認め、でもいまではK-POPが世界的に人気になり、サムスンがソニーを上回る高いブランドになったことを指摘して自信を持とうと読者に訴える。
いま韓国人がしてはいけないことは、反日を叫びながら日本の文化を楽しむ「二重規範的な態度」だという指摘には日本中も同意だ。
先進的な国の文化を「盗作」したり、「影響を受けた」ものはかつての日本にもあっただろう。
日本に住んでいる知人のアメリカ人に言わせると、日本のアニメやテレビ番組を見ていると、偶然とは思えないほどアメリカとソックリなものがあった。
こちろんそれは過去の話で、いまはたぶん違う。
過去に他国のものを「パクった」ことが事実なら、それはそれで潔く認めるべきで、そのうえでいまは世界で称賛される日本の文化を誇るべき。
たぶん、ある程度の模索期間が土台となって、いまの日本文化が花開いた面はあると思う。
「日本のまねをした時代は幕を閉じた」と朝鮮日報の寄稿は宣言したが、まだまだ完全ではなく、韓国のゲームが著作権を侵害したということで、ソニーからサービスの中断を求められたこともある。
中央日報(2013.01.15)
韓国の人気ゲームが盗作?ソニーがサービス中断求める
でもここ近年、韓国の文化力がレベルアップすると、立場が変わってこんなことで頭を悩ませている。
中央日報(2016.09.27)
韓国ゲーム盗作する中国企業、ヒット・アンド・アウェイ戦略
韓国企業がリリースしたゲームの中から、面白くて売れそうなゲームをピックアップして、キャラや内容のほとんどをコピーしたゲームを中国の企業が提供して金を稼いでいる。
いまの中国には質の高いゲームをつくる技術力はあるから、韓国としては「盗作ゲーム」が次から次へと出てくる状況に対応することがむずかしい。
といってもこの記事には中国側の主張がなく、すべて韓国側の視点で書いているから、中立性は保証できない。
それにこれが中国メディアの報道なら、きっと「韓国ゲームを盗作する中国企業?」となってた。
これは「二重規範的な態度」ではないのか。
そしてつい先日、いまディズニープラスで全世界で放送されている中国ドラマが、韓国ドラマのパクリだという指摘が韓国で上がっていて物議をかもし中だ。
中央日報(2022.07.06)
韓服を着てサムギョプサルをサムで食べる…『チャングムの誓い』盗作論議の中国ドラマ
中国ドラマの『恋する美食の宮廷記』が韓国ドラマ『チャングムの誓い』と、ストーリーや設定がよく似ていて、それだけではなく、韓国の伝統衣装と料理がドラマに出てきたことで、「韓国文化を盗まれた!」と怒りを感じる人もいるらしい。
これを世界中の人が見ているから、韓国人としては見過ごせぬ。
そんな韓国の反応に対し、中国側では中国ドラマが韓国で盗作論議に巻き込まれたとメディアが心外そうに報じるし、中国のネットユーザーもあれは中国・明王朝の服で、料理も中国の伝統料理だと主張しているとか。
まあ中国が「パクリ」を認めることはないだろうし、それに韓国側の指摘がどこまで正しいかはナゾ。
これについては日本は関係ないし、韓国・中国で気のすむまでやり合えばいい。
最近は文化大国として自信をつけてきて、マネをされる側となったいまの韓国なら、かつての日本の気持ちも分かるはず。
それより、中国企業が日本ではなく、韓国のモノを「参考」にするという現象は気になるところ。
「パクリ論争」に巻き込まれないことはいいことしても、相手にされないというのは、これはコレでヤバい。
実際、韓国の作品の質はかなり上がっている。
いまでは韓国のコンテンツを、日本の企業が日本人向けにリメイクすることも多い。
日本でも大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』の日本版『六本木クラス』がいま放送中だし、韓国人が原作のマンガ 『俺一人だけレベルアップ』を日本企業がアニメ化することもきまった。
日本版のタイトルは『俺だけレベルアップな件』で、こっちの方がダンゼン日本人受けする。
こうなると理想的な状態は、日中韓でそれぞれのイイところをうまく引き出し、協業して世界に通じる作品を作っていくことか。
でも、そんなステキな未来に到達するまで、まだまだしばらくは三国の間で「パクり・パクられ」は続くと思われる。
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