先週のゴールデンウイークに、ベトナム人(20代女性)・ドイツ人(30代女性)・台湾人(20代のカップル)とガストに行ってきた。
ドリンクバーのメニューを見て「メ、メロンコーラ? なにそれ」と衝撃を受けたドイツ人は抹茶ラテをチョイス。
コーラやファンタはドイツにもあるし(ドイツはファンタの母国)、メロンコーラを飲むほどの勇気はなく、やっぱりここでは日本らしい飲み物を飲んでみたいと。
抹茶ラテの感想を聞くと、おいしいけど甘すぎると言う。
で逆に、「緑茶と抹茶の違いってなに?」と聞かれて固まる。
そういえばなんだっけ?
調べると抹茶は緑茶の一種で、乾燥させた緑茶の葉を細かく砕いて粉末にしたものだ。
茶葉を粉末にして飲む抹茶は中国で生まれて、鎌倉時代のころ禅宗と一緒に日本へ伝わる。
明の時代になると初代皇帝の朱元璋が、民衆の負担になるからと抹茶の生産を廃止したことで中国では衰退していく。
逆に日本ではその後、茶道が発展していったこともあって、抹茶を飲む習慣は広がっていく。
英語版ウィキベテアにはそのへんの説明があって、日本の伝統的な茶道は抹茶を点てたり飲んだりすることを中心とし、瞑想の精神性を体現しているという。
The traditional Japanese tea ceremony centers on the preparation, serving and drinking of matcha as hot tea, and embodies a meditative spirituality.
もとは中国生まれなのに、「抹茶の本場は日本」と世界に認識されているのは日本で発達したからだろう。
抹茶や緑茶のラテも日本で成功した後、世界へ広がったらしい。
ガストにいたドイツ人の話では、抹茶は健康にいいとウワサでドイツでもじわじわ人気が出てきているが、まだ一般的な飲み物にはなっていない。
自分がよく利用するスーパーでは見たことないけど、お茶の専門店や中国人やベトナム人が経営しているアジアの食料品店ならありそう。
抹茶ラテを飲んだのはこれが人生初で、そのレビューはさっき書いたとおりだ。
遠いヨーロッパと違って、日本のご近所のベトナムで抹茶はかなり身近なモノらしく、南部のホーチミン市出身のベトナム人はこう話す。
「マッチャは有名ですよー。最近は抹茶を使ったスイーツもあって、わたしは抹茶のアイスやケーキが大好きです」
ホーチミン市には日本人もたくさん住んでいて、そういう人を対象にした店もあるから、抹茶製品のクオリティーも高そうだ。
もともとベトナムにはお茶を飲む習慣があって、いまではベトナム産の茶葉を粉にした抹茶も作られている。
ベトナムでは当たりはずれが大きいけど、日本の抹茶製品は美味しいか、とても美味しいかのどちらかという。
これが隣の台湾になると、抹茶は街に氾濫している。
コロナ禍が始まる前までは、毎年たくさんの台湾人が日本に旅行に来て、抹茶やそれに関連する食べ物や飲み物を味わっていたし、抹茶キットカットはお土産のド定番だった。
知人の台湾人女性が日本へ遊びに来た時には、京都の「都路里」で抹茶パフェを食べることが「日本でやることリスト」に入っていた。
だから台湾で抹茶のラテ、アイス、ロールケーキなんかは、そこらのコンビニでも売っている。
いまネットで見たら、台湾で使われている抹茶のほとんどが宇治抹茶ということだから、質もきっと日本と変わらない。
その台湾人のイメージでは、抹茶は日本の文化で中国の印象はない。
ベトナム人もドイツ人もその見方に賛成したから、きっとほかの外国人も同じだろう。
明の皇帝・朱元璋が廃止していなかったら、どうなっていたか分からないが、いまでは抹茶は世界的に有名なな日本文化のひとつになった。
しかもまだ伸びしろがある。
3月4日はバームクーヘンの日!ドイツ人ユーハイムと日本の関係
コメントを残す