日本を感動させた韓国の選挙映像
先日、韓国で統一地方選挙がおこなわれ、全国民が緊張感をもってその結果を見守った。
いっぽう、日本でも別の意味でこの選挙に注目が集まった。
きっかけは、この選挙で投票を呼びかけるCMだ。
一人の少女の目を通して、朝鮮戦争、戦後復興、民主化運動、ソウル五輪の開催、IMF通貨危機、サッカーW杯開催…といった戦後の韓国社会の移り変わりを表現している。
百聞は一見にしかず。
まずはそのCMを見てほしい。
独立から現在まで、約 80年の間に韓国が経験した困難と挑戦、絶望と歓喜を2分ほどの映像にまとめた。
最後に少女がおばあさんに変わって、投票用紙に記入し、明るい未来を期待しながら投票箱に入れる。
韓国語がわからなくても、戦後の韓国の歩みや選挙の大切さがしっかり伝わる。
映像の完成度が高く、一つの芸術作品と言ってもいいほどのクオリティだったため、日本でも「本当にすばらしい」「感動して泣いてしまった」といった絶賛の声が続出した。
ただし、これは投票を呼びかけるCMではなく、選挙結果を報じる韓国のテレビ番組のオープニング(カウントダウン)で流されたものらしい。
細かいことはさておき、この映像が玄界灘を越えて伝わり、多くの日本人の心に刺さったことは間違いない。
韓国が「文化大国」と称されるのはダテじゃない。
国を超えて、人の心を動かす表現力は一流だ。
肝心の選挙は「ポンコツ」だった
しかし、肝心な選挙そのものは、信じられないほどの「ポンコツ」ぶりが明らかになり、メディアや国民が怒りあきれた。
なんと開票所で別の選挙区の投票用紙が見つかったのだ。
城南市の開票所で作業をしていると、安山市の議会比例代表選挙の投票用紙が出てきて、「無効」と判断された。
昨年も似たようなことがあった。
富川(プチョン)と金浦(キンポ)の投票所で、以前の選挙で使われた投票用紙が発見されたのだ。
つまり、有権者が投票したにもかかわらず、担当者が気づかず、結果的に「無効」となったのだろう。
2025年の選挙では、投票所が狭いという理由で、投票用紙を受け取った人が建物の外で待たされた。
待ち時間が長くてお腹が減ったせいか、投票用紙を持ったまま食堂へ行ってご飯を食べる人もいた。
どれも日本では考えられない。
「投票用紙がなくなった!」
そして極め付きは、今回の選挙で起きた「投票用紙がなくなった!」という事態だ。
選挙が始まると、各地の投票所で用紙が足りなくなったため、投票できなかった有権者が続出。
民主主義にとって選挙は「命」のように重要なものだ。
最低限のことさえできなかったから、朝鮮日報は社説で怒りをあらわにした(2026/06/04)。
有権者が自らの主権を行使するための「紙を用意する」という最低限のインフラすら整えられていないとなれば、民主主義の国としては失格の烙印を押されても文句は言えない。
投票用紙不足で投票中断、大半は野党優勢の選挙区…まともな選挙とは言えない【6月4日付社説】 韓国統一地方選
ほかにも、開票がおこなわれ、テレビ局が選挙番組を放送している最中に投票がおこなわれるケースもあった。
候補者の得票結果を見ながら投票するのも、まともな選挙とは言えない。
選挙管理委員会は、「投票率が想定以上に高かったため」と説明したが、これに納得する国民なんているわけない。
実際の投票率は約 60%だったのだから。
現実的には、すべての有権者が投票することはないだろうが、運営する側は全有権者の投票用紙を用意するのが常識だ。
お粗末すぎる言い訳に対し、朝鮮日報はこう嘆いた。
「韓国はいまだにこの程度の国なのか」
「21世紀の大韓民国は投票用紙がなくて投票ができない国なのか」
あまりにもずさんな選挙管理
ドイツでは 2021年に統一地方選挙がおこなわれた際、ベルリンで投票用紙の不足と誤配布が発生した。
それを受けて、ドイツの連邦憲法裁判所は全国での再選挙を命じたという。
厳正で中立・公正な選挙ができなかったら、民主主義は成立しないからだ。
今回の選挙では、多くの有権者が「投票用紙不足」に激怒し、投票所から記入済みの用紙が搬出されるのを阻止した。
そのため、1000人以上の機動隊員が投入され、抗議する市民が引きずり出される騒動が起こり、複数の市民が負傷した。
「予想以上に有権者が来て、投票用紙が足りなくなった」という事態は、お粗末やポンコツというレベルを超えて、民主主義の危機でもある。
中央日報は追い打ちをかけるような報道をした。(2026.06.05)
選挙予算は多く受け取ったのに投票用紙は少なく印刷…正気を失った韓国の選挙管理委員会
選管は投票用紙を「全有権者+10%」用意することを想定し、各地方自治体に報告して予算を受け取っていた。
お金はあったはずなのに、なんで用紙が足りなかったのか?
もう「腐臭」しかしてこない。
今回の地方選挙で、投票用紙が足りなかった投票所の数は、ソウルが33カ所でもっとも多く、仁川や大邱、釜山などでもあって、合計 50カ所に達していたとみられる。
一体どれだけの有権者が投票できなかったのか。
「韓国はいまだにこの程度の国なのか」という思いは国民も同じだ。
多くの人が怒りを超えて、あきれ果てている。
見た目と中身が乖離した「K選挙」
外側から見える姿は美しくて感動的だが、選挙そのものはダメダメで、大混乱を引き起こし、国民を失望させる結果となった。
「パッケージはとても美しくて魅力的だが、中身は不良品だった」というアンバランスさは、ある意味とても韓国らしい現象だ。
韓国の民主主義にとっては痛恨の出来事ではあったが、第三者から見ると、申し訳ないが、展開としては面白くオチも秀逸だ。
良い部分も悪い部分も含めて、「K選挙」の実態をまざまざと見せつけられた思いだ。
なお、日本ではそんな韓国民の怒りを知らず、あの映像だけを見てお気楽なコメントをする人がチラホラいた。
「民主主義で日本は韓国に負けている」
「みずからの手で民主主義を勝ち取った国はすごい!」
「日本はどれだけ韓国に遅れているんだよ」

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