【韓国の選挙】反日団体トップが出馬で、日韓関係に暗雲

 

戦後最悪といわれる日韓関係がさらに悪化しそう。

産経新聞の記事(2020.3.26)

文大統領の与党が自ら選挙法骨抜き 反日団体トップが当選圏内に

 

この反日団体というのは「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(以下、正義連)のことで、2011年には日本大使館前に慰安婦像を設置して、いまでは慰安婦問題について日本へ謝罪や賠償を求めるデモを行っている。
この慰安婦像は違法に設置されたものだったけど、この団体の影響力は絶大であとから合法化させている。国民の支持があれば法律は動かせるのだ。
「反日無罪」を象徴する事例で、法治国家の日本では考えられない。

日韓の間で慰安婦問題は2015年の合意ですでに解決済みで、残っているとしたら韓国の国内問題としてだから、韓国のことは韓国が解決しないといけない。
終わったことについて、日本に謝罪や賠償を要求するというのは筋も見当も違っている。

慰安婦像を建てて日韓関係を底なしに悪化させた団体が正義連で、そのトップである尹美香(ユン・ミヒャン)氏が与党「共に民主党」の依頼を受けて、4月15日におこなわれる総選挙に出馬した。

負ければ地獄を見るといわれる文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、今回の総選挙に総力戦でのぞんでいる。

文春オンラインの記事(3/6)

文大統領は韓国のポピュリズムを煽るため、反日的な政策や言動を次々に繰り出し、なんとか総選挙に勝とうと必死になっているわけだ。

総選挙に負けたら地獄……“反日”文在寅が脅える韓国「自由右派」とは何者か?

ユン氏の出馬もこの延長にある。

 

反日活動家が政治家になるのだから、日韓関係にいいことは期待できない。

韓国通のジャーナリスト、赤石 晋一郎も文春オンラインの記事(2020/03/29)で、「“反日”団体トップの出馬宣言の衝撃は大きい」と書く。

慰安婦支援団体代表が韓国選挙に与党から出馬へ 突然の政界転身の理由

ユン氏は正義を“自称”しているけれど、韓国にはいくつもの正義がある。
「正義連」の考え方や活動を嫌う人は韓国国内にたくさんいて、例えば沈美子氏(故人)という元慰安婦の女性は、挺対協(正義連の旧団体で実質は同じ)が元慰安婦を利用して不当に金もうけをしていると裁判に訴えた。

これに激怒した正義連は、「沈美子氏は元慰安婦ではない」という主張をするようになる。沈さんは韓国政府から元慰安婦と認定された女性であるにもかかわらず。

元慰安婦の尊厳を踏みにじり、正義を叫んで日本に謝罪や賠償を要求するのが「正義連」。
そして「選挙で使える」と思えば、そのトップに出馬を依頼するのがいまの韓国与党で、こんな反日迎合のポピュリズムが受けてしまうのが韓国という国。

こういう人物が政治家になるという事態に、良好な韓日関係を望む人は心を痛めている。
上の記事で韓国の市民団体「太平洋戦争遺族会」のメンバーが不安をこう吐露する。

彼女が政界入りすることになれば、今後、慰安婦問題の政治利用が更に激しくなるのは必至。歴史問題での和解への道は限りなく遠くなってしまう可能性が高いでしょう

「慰安婦問題の政治利用」という言葉がこの団体の本質をつく。

 

これからどうなるか分からないけど、このままユン氏が当選してしまえば日韓関係にハッピーなことはない。
それにしても「困った時の反日」で、韓国の選挙では相変わらずこれが武器になる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。