ヒンズー・スクワットの由来。なんで「インド」なのか?

 

日本でも新型コロナウイルスの感染拡大は止まらないが、いまのところは、海外のようにロックダウン(都市封鎖)が必要な状況ではない。
ロックダウンになると市民の外出が厳しく制限されて、違反した場合は警察に捕まる国もある。
マレーシアでは、警察官の警告を無視してジョギングをしていた日本人、韓国人、イギリス人が逮捕された。
警官が違反者を取り締まる光景はどこの国でもあるけれど、インドのやり方は独特だ。

FNNプライムニュース(2020年3月26日)

警察官の号令で、足腰を鍛錬する市民。
本場インドの“ヒンズースクワット”。
外出を禁じた法令に違反したため、スクワットや腕立て伏せをペナルティーとして強制されているのだという。

外出禁止 世界の事情は? インドは罰でスクワット NYは2日間で一変

 

なんで、スクワットはインドが「本場」なのか?
日本では最近は「スクワット」と言うことが多いけど、以前はよくヒンズーを付けていた。
ヒンズーとはヒンドゥー教(hindu)のこと。
「この運動とインドにどんな関係が?」と気になって調べたことがあったから、これからその由来を書いていこうと思う。

ちなみに、ヒンドゥー(ヒンズー)という言葉はインドを指していて、数十年前の本には「インド教」と書いてあったし、いまでも辞書には「ヒンドゥー教=インド教」として記載されている。
もともと「ヒンドゥー」という言葉は、インダス川を意味するペルシア語に由来するのだ。
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ヒンドゥー教・語源と名称

 

 

インドには、クシュティー(Kushti)と呼ばれる相撲とよく似た有名な格闘技がある。
くわしいことはこの記事をどうぞ。

インドで人気の格闘技「クシュティー」ってどんなん?

 

 

上の人物はインドの元プロレスラーで、タイガー・ジェット・シンという。
彼が日本のマット界に現れる前には、ダラ・シンというインド人プロレスラーがいた。

 

ダラ・シン

 

スクワットはもともとはクシュティーのトレーニングで使われた運動で、ダラ・シンがそれを力道山に伝えた。
力道山がこれをとても有効と考え、プロレスのトレーニングに取り入れたことから、日本でこの名前と運動が広がったといわれる。
力道山はアントニオ猪木やジャイアント馬場の師匠で、日本のプロレスを築いた人。
ジャイアント馬場は力道山の目の前でヒンズー・スクワットを100回こなしてその場で入門が認められ、プロレスラーとしての人生がはじまった。

さらにさかのぼると、インドでヒンズー・スクワットは刑罰のひとつだったらしい。
だから、警官が違反者にこれを命じるのは、インド的にはおかしくないのだ。

 

 

現在のインド人が考えるイギリスの植民地統治、その闇と光

インド 目次 ①

インド 目次 ②

インド 目次 ③

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。