中国人の経済力。今の日本には、その影響力がうれしくてコワい

 

いま京都や大阪など関西の百貨店はかなり景気が良いらしい。
たぶん、笑いが止まらないほどもうかっている。

日本経済新聞にこんな記事(2017/11/20)があった。

関西百貨店の免税売上高、初の100億円超え 10月

 

この記事によると、関西の百貨店はこんな感じで絶好調だ。

・10月の関西地域の百貨店の免税売上高は前年同月比約2.3倍の105億9700万円だった。
*売上高が100億円を超えたのはこれが初めてのこと。

・阪急うめだ本店(大阪市)は待ち時間を減らすために免税カウンターを増設し、免税品売上高は前年同月比2倍に膨らんだ。

・あべのハルカス近鉄本店(同)は化粧品などの販売が好調で免税売上高が8倍になった。

この飛躍の理由はなにか?

「免税売上高」ということから想像がつくと思うけど、日経新聞の記事は「中国人」をあげている。

免税件数は14万6177件で67.8%増えた。中国の大型連休である国慶節で関西に訪れる訪日客が増えて、大阪や京都の免税品販売を押し上げた。

もちろん、これだけではなくて、ほかにも理由はあるはず。
でも、記事を読む限り、百貨店の活性化に、もっとも大きな影響を与えたさせたのは中国人観光客だ。

「前年同月比2倍に膨らんだ」とか「免税売上高が8倍になった」とか、中国人の経済力・買い物力はすさまじい。

 

インターネットでは、いつもは中国に対して厳しいコメントが多いけど、さすがにこれには文句を言えない。

・大阪の百貨店儲け過ぎ
・今の大坂は東京なんて相手にしてないからね
負けたらアカンで上海に
・大阪各地のクリスマスイルミネーションが今年は派手だね!バブリーイルミネーション✮✯✭
・ほんまほんまどこもかしこも景気ようなればええねん
・大阪のアジア人率やばいわ
・日本のGDP成長の半分が中国人観光客で説明がつくと言う時代に

 

 

5、6年前にUSJのホテルに泊まったとき、中国人観光客の多さに驚いた。
ホテルのビュッフェでは、そこら中から中国語が聞こえてくる。

「でも、これはきっと今だけだろう。中国経済がこのまま上がり続けることはない。数年したら、ここで中国語が聞こえることもなくなるだろう」

そんなことを思っていた自分をぶん殴ってやりたい。

今の大阪は、「繁華街行くともう四方八方から外国語聞こえてくる」という状態らしい。

大阪観光局は、外国人の多さを売りにしている。
ホームページには「OSAKA外国人観光客クイズ」というものがある。

大阪の街を歩いていると、外国人をよく見かけるようになったなぁと思いませんか?

事実、大阪の注目度は世界的にも注目されるほど増加傾向にあり、大阪を訪れる外国人観光客は5年前に比べて約6倍に増加しています。
これからも、大阪は多くのお客様が楽しんで、満足して、最高の思い出に残してもらえる世界一の観光都市。そんな「OSAKA」を目指して、大阪の皆さんと一緒に作っていきたいと思っています。

クイズをしたかったら、これをクリックしてください。

OSAKA外国人観光客クイズ

でも個人的に、関西の百貨店のにぎわいよりも驚いたのはロイター(2017年11月14日)のニュース。

東芝(6502.T)は14日、テレビ事業を展開する子会社の東芝映像ソリューション(TVS)株式の95%を中国ハイセンスグループに129億円で譲渡したと発表した。

東芝、テレビ事業を129億円で中国企業に売却

「東芝の経営がうまくいっていない」ということは聞いていたけど、まさか東芝のテレビが中国企業の一部になるとは!
こんな日が来るとは、数年前はまったく想像できなかった。

関西の百貨店のにぎわいと考え合わせると、中国の経済力と影響力は、日本にとってうれしくもありおそろしくもある。

 

これには、いろいろな意味で衝撃を受けた人が多い。

・たった129億かよ
・これはよく買ってもらえたほうだと思うわ ハイセンス様々
・日本の先人達が培った技術がたったそんなもんか。
・いよいよ日本の家電も追い込まれたな。パナソニックが最後の砦だが、どうなることやら
・世界のテレビ市場はサムスンとLGの2強だろ。
・サンヨーに続いて東芝までもとは感慨深い
・すげえなあ。
何年もかけて作り上げた知や技術の融合体を簡単に売り渡すのか。
・もう10年後にはソニーやパナソニックやトヨタも外国に買い尽くされて
日本カスしか残らない貧乏国になってしまうんじゃないか暗澹たる気持ちになるな

 

ロイターの記事には、「同社ブランドの継続使用を許諾した」とある。
だから「TOSHIBA」と書いてあっても、それは中国企業のテレビだ。

日本って「ものづくり大国」じゃなかったっけ?

 

 

中国には「抗日ドラマ」がある。

抗日ドラマ

1930年代から45年にかけ、中国を侵略した旧日本軍から中国の庶民を守る共産党や軍の戦いを題材とするドラマ。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

「残酷な日本兵を中国軍兵士がやっつける」というストーリーがほとんど。
で、内容はデタラメ。
中国兵がなぜか武術の達人で、「銃を持って武装している日本兵を、次つぎと素手倒していく」という、ファンタジーに近い演出もある。

 

以前、この抗日ドラマについて、中国人の日本語ガイドからこんな話を聞いた。

「抗日ドラマなんて、心配しなくていいですよ。特に今の若い人はあんなものを見てません。ほかにおもしろいことがたくさんありますから。それに私の親戚なんて、東芝のテレビで抗日ドラマを見てるんですよ。「あのドラマを見たら反日になる」なんて、気にする必要はありません」

でも、今では東芝のテレビが中国のテレビになってしまった。

 

抗日ドラマ
「天皇陛下」という字がある。
ホテルのテレビでこれを見ていると、日本人として何とも言えない気持ちになる。

 

 

おまけ

中国の古都・洛陽(らくよう)の様子

 

奈良・平安時代の日本人にとって中国の洛陽はあこがれの都市で、日本に大きな影響を与えた。

今でも、京都に「洛陽」や「洛」のつく建物がある。

そのうち日中関係も、この時代に戻ったりして。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。