韓国人は平昌五輪をどう見た?日本人も”自画自賛”を学ぶべき。

 

平昌五輪が終了した。

平昌五輪のおかげで、このブログのアクセスも上がっていたのだけど、きっとすぐ元に戻るはず。
一瞬だったけど、いい夢をありがとう。

 

それはいいとして、韓国では早くも、オリンピックの「ふり返り」をおこなっている。
韓国人は平昌五輪をどう見たのか?

朝鮮日報はこんな記事(2018年2月25日)をのせていた。

「文化強国」アピールした五輪 多彩なイベントが好評」

記事のタイトルを見ただけで、韓国語の「ホルホル」が日本語になる理由がよくわかる。
*ホルホルとは自画自賛のようなもので、誇らしく自慢気になっている状態のこと。

 

この記事によると30年前のソウルオリンピックで、韓国は世界にその存在を知らしめることができた。
ソウルオリンピックのスローガンがこれ。

「韓国を世界に世界を韓国に」

このオリンピックで韓国は世界に広く知られるようになる。
これはそのとおりだと思う。

ちなみに、東京オリンピックのスローガンは「世界に学ぼう」だった。

韓国人は韓国を世界に伝えたかった。
日本人は世界から学びたかった。
スローガンのちがいに、日本人と韓国人の考え方や発想の違いがよくあらわれている。

 

今さらだけど、平昌五輪のスローガンはこれ。

「ひとつになった情熱」
それはすばらしいけど、情熱の「情」が間違ってる。

 

公式ホームページにその説明がある。

全てがひとつになった情熱で冬季スポーツに対する世界の人々の共感を連結します。いつ、どこにいても全ての世代が参与することができ、冬季スポーツの持続的な拡散に新境地を開いていくという意味を込めました。

大会紹介

 

ソウルオリンピックでは、世界の多くの人に韓国という国を伝えることができた。
平昌五輪で韓国の人たちは「韓国は世界の文化強国になる」という確信を得たらしい。

今回の平昌冬季五輪は国際社会で「文化強国」としての韓国の地位を確固たるものにする礎になったと評価される。

開会式は韓国の伝統、現代、未来の潜在力を結合させた文化の力量を全世界に披露した。

「文化強国」アピールした五輪 多彩なイベントが好評」

 

平昌五輪の開会式は海外のメディアから、「劇的な感動を伝えた」と称賛されたという。
たしかにアメリカCNNは開会式を「スペクタクル(壮観だ)」、イギリスBBCは「Wow moments(すごい瞬間)」と表現していた。

朝鮮日報は開会式で世界的な話題をさらった「人面鳥」について、「文化五輪に対する関心を高める役割を果たした」と評価している。
でも、これを見た中国人は「あれは中国の古典『山海経』に出てくる生き物じゃん」と思ったらしい。

 

平昌五輪の開会式で、各国の選手が入場してくるときにはK-POPが盛り上げていた。
PSYの「江南スタイル」をはじめとして、防弾少年団、TWICE、BIGBANGなどの曲が流れ、「曲に乗ってはしゃぎながら入場する選手の姿も見られた」と朝鮮日報は書く。

音楽だけではない。

韓国の文学、公演、造形美術、メディアアートなどいろいろな文化を世界にアピールすることに成功した。
平昌五輪でのこうした活動を通じて、韓国は国際社会での「文化強国」の地位を確固たるものにする自信を持つことができたという。

 

日本も、うかうかしていられないですね。

と思ったら、日本のネットには危機感はない。

・なんでこう現実を見ないで
願望だけで書いてしまうのか……
・良い反面教師になったと思う
・そうかー好評かー。じゃーもちろんこれから訪韓外国人が増えるなー
・そういうのを自分で言っちゃう所がなあ
・モルゲッソヨは収穫だったよ
・閉会式は北京に助けられと思う。
・自画自賛の安定感はハンパない。
・またナントカ強国かよ

 

なかにはこんなコメントもあった。

・韓国で韓国人が韓国すごいと言っても文句言う人はいない
日本で日本人が日本すごいと言うと文句言う人がいる

このことはボクも前から感じていた。

 

ソウルの景福宮を守る「ヘチ」という想像上の生き物。
今ではソウル市のキャラクターになっている。
これも中国から伝わった生き物だ。

 

 

韓国人は、韓国の歴史や文化を外国人に伝えることがとても好き。

ソウルに景福宮という朝鮮時代の王宮がある(上の写真)。
*朝鮮時代が始まったのは1392年で、日本では足利義満が南北朝を統一した年でもある。

ここでは日本語ガイドが無料で案内してくれるサービスがある。
1時間~1時間30分ほどで、1日に3回もある。
日本語だけではなくて、英語や中国語の無料ガイドサービスもある。

 

ほかの王宮や宗廟でも、無料で専門知識を持ったガイドが案内してくれる。
さらに、こうした韓国文化に触れられるところは入場料が安い。
10年ほど前は100円もしなかったと思う。

博物館も無料のところが多い。
「国の内外を問わず、できるだけ多くの人に韓国の歴史や文化のすばらしさを伝えたい」という韓国人の思いから、こうしたサービスや料金設定になっているのだろう。

 

「韓国人は、韓国のことを外国人に伝えることが好き」

そのことについて、韓国の日本大使館の元職員で韓国の事情にくわしい人がこう書いている。

韓国人は非常に熱心な愛国者なので、外国人にも韓国語や韓国文化を積極的に教えてくれます。そして、教えてくれたことを吸収すると「お前も韓国人らしくなった」と褒めて(?)くれます。

(中略)外国人に自国語や自国文化を積極的に教えるという姿勢は、いい迷惑の場合がなきにしもあらずなものの、やはり積極的に見習いたいものです。

「つきあいきれない韓国人 (渡辺晶平)」

 

日本人も韓国人の姿勢に習って、日本のすばらしさをもっと世界にアピールしたらいい。

1964年(昭和39年)の東京オリンピックのスローガンは「世界に学ぼう」だった。
そういう謙虚さも大事だけど、韓国人のように、自分の国に愛着や誇りを持って外国人に日本の歴史や文化を積極的に伝えてもいい。

「”日本すげー”は気持ち悪い」という声もあるけれど、韓国人の”自画自賛”に比べればまだまだ甘い。
悪い意味で言っているのではなくて、日本人は基本的に謙虚でひかえ目だから、日本の良さを知って自画自賛するぐらいになってもいい。

 

2020年の東京オリンピックのときには、

「国際社会で『文化強国』としての日本の地位を確固たるものにすることができた」
「日本の伝統、現代、未来の潜在力を結合させた文化の力量を全世界に披露した」

と、新聞やテレビが堂々と伝えるぐらいでもいいだろう。

謙遜を美徳とする日本人はきっとそこまで大胆にはなれないから、それを目指すぐらいでちょうどいいと思う。

韓国通の日本人が「外国人に自国語や自国文化を積極的に教えるという姿勢」を韓国人の長所として、日本人も「積極的に見習いたいものです」と書いていた。

ボクもこの意見には賛成だ。
韓国人の姿勢に学んで、日本人も外国人に日本の良さをもっと積極的に伝えたらいい。

 

おまけ

景福宮でおこなわれるショー。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。