まずは論より証拠、百聞は一見に如かずでこのグラフを見てほしい。
外務省ホームページ 大韓民国 最近の韓国情勢と日韓関係
韓国に「良い印象」をもっている日本人が2012年を境に激減して、「悪い」が急上昇している。
でもこれは韓国の自業自得。
この年、李明博大統領が竹島へ上陸して、さらに歴史問題に関して天皇陛下に謝罪を要求するというツープラトン攻撃をおこなって、日本での韓流人気は一気に冷めた。
くわしいことはここをクリック。
この3か月後、3人の韓国人と話す機会があった。
こちらにそのつもりはなかったけど、向こうから竹島上陸についてどう思うか、日本の反応はどうかをきいてくる。
このときは先ほどのグラフは出ていなかったけど、「好韓」が減って「嫌韓」が増えていることは各種マスコミ報道やネットの書き込みからわかっていた。
それで率直に「最悪だよ」と日本の反応を伝えると、彼らは日本人の反発の大きさに驚く。
こうした感覚のズレはいまもある。
怒られて当然のことを韓国がして、日本が反発すると「予想外」と逆に向こうが怒り出す。
日韓には根本的な価値観の違いがあるから、互いに「まさか」があったし、きっとそれはこれからも続く。
このとき個人的に「韓国の損得」が気になっていたから、彼らにそれを聞いてみた。
日本の反発を無視して李明博大統領は竹島上陸を強行したけれど、それによる韓国の利益は果たしてなにか?
具体的にどんなメリットを韓国側は得ることができたのか?
すると1人が「独島に上陸した韓国の大統領は初めてです。だから、それはとても誇らしいです」と言う。
へ~。で?
「誇らしい」以外の”得”をきいても、「他は分かりません」と平気で言う。
3人とも「自尊心を満たした」の他はこれといって思い浮かばない。
彼らにとっては想像を超えていたけど、大統領が竹島へ上陸すれば日本が怒ることは分かっていた。
それで韓国側に不利が生じることはあっても、韓国人としてのプライドを守ることは大事だから、それは仕方がないらしい。
そもそも日本がそこまで怒る理由が分からないと、軽い逆ギレのようなことを言いだす。
お互い理解できたことは「分かり合えない」ということだけだったから、この話はこれでおしまい。
でも韓国国民にとって、自尊心やプライドが大事ということはよく伝わった。
このあと日韓関係は氷河期をむかえて日本人の韓国旅行は減って、このときの日本での韓流ブームは消滅した。
「自尊心」の対価がこれなら、現実的に考えたら圧倒的に割に合わないと日本人のボクは思うけど、韓国人からしたら、それでもあの行動は「正義」だったからこの痛みはやむを得ないと思うのだろう。
さて、あと12時間ほどで日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が消滅してしまう。
日本やアメリカが、それによって得をするのは北朝鮮、中国、ロシアだけだと言っても、韓国政府は「すべて日本の責任」と見当違いの筋違いを言って耳を貸さない。
ムン政権きっとこのまま、GSOMIAの息の根を止めてしまうだろう。
崖に向って突き進むことに不安をもつひとは韓国にもたくさんいる。
きのう野党の議員が国会で、GSOMIA破棄で韓国が得られる利益は何かをカン外相に質問したところ、外相は「韓日間の葛藤から出た、避けられない決定だった」と答えをはぐらかす。
正面から答えなかったということは、具体的なメリットはないということだ。
でもそれを国会で認めることはできない。
それは青瓦台(韓大統領府)も同じ。
韓国政府も目を背けていて、現在とこれから先が見えていないのだ。
中央日報の記事(2019.11.22)
GSOMIA破棄は韓米同盟に打撃を与える決定であり、青瓦台はその深刻性を十分に認識できていない。最近会った米国の高官や将官、シンクタンク専門家および議員はこの懸案に深い懸念を表した。例外はなかった。
GSOMIA破棄、米軍撤収を招くことも
これをやったら日米韓同盟に決定的な亀裂を生むし、韓国国民の安全も脅かされる。
それになにより、アメリカを激怒させてしまう。
GSOMIAをやめるのをやめればいいのだけど、ムン政権にはそんな英断ができないまま、ここまで韓国を追い込んだ。
現実的な損得を考えれば考えるまでもないけど、結局は「日本にはゆずれない」という自尊心を優先してしまうのだろう。
延長も破棄もいまとなっては韓国しだいだからどうしようもない。
でも、プライドに引きずられて引き際を見誤った例として、反面教師にはさせてもらおう。
後日談
なんとこのあと、GSOMIA延長しました。
でも、前日の韓国紙・中央日報は破棄を前提に記事(2019.11.22)を書いていたぐらいだから、予想が外れても責めないでください。
韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を一日前にした21日、国家安全保障会議(NSC)常任会議を開いて事実上終了強行の方針を決めたことが分かった。
「GSOMIAのない韓国」果たして備えはできているのか
ムン大統領の英断は素直に評価する。
ただ終了の数時間前にとつぜん態度を変えた裏には、アメリカからすさまじい圧力があったらしい。
嫌々渋々、この発表をしたはず。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す