海外で慰安婦像が登場すると、いつも日本で“起こる”こと海外で慰安婦像が登場すると、いつも日本で“起こる”こと

さて今回もまた、いま日韓を騒がせているこの話題だ。

韓国の全国紙・ハンギョレ新聞の記事（2024-06-24）

日本政府の妨害作戦を乗り越え、イタリアで「初の平和の少女像」除幕式

もちろん、NHKをはじめとする日本の各メディアもこの出来事を伝えている。（2024年6月23日）

イタリアで慰安婦問題象徴する少女像設置日本は“強い懸念”

この像と一緒に設置されている碑文には、日本軍が少女たちを強制連行し、性奴隷にしたと明記されているが、これらの主張には根拠が無い。
だから、日本政府は前々から「事実に反するので使用すべきでない」（慰安婦問題についての我が国の取組）と強く否定してきて、今はイタリアの日本大使館が「様々な関係者に強い懸念を伝え、適切な対応を求めている」ところ。
韓国の視点は反対で、日本政府がイタリア当局に圧力や圧迫を加えていると韓国紙は“懸念”を伝える。

ただ、この像を見つめる視線には、韓国内にも“温度差”がある。
ハンギョレ新聞や野党など、いわゆる進歩派の人たちはこの「イタリア初」を快挙と考え、スタンディングオベーションをするが、日本との関係を重視する保守派の人たちはそうでもない。
保守派を代表するメディア、朝鮮日報は、日本が「妨害」ではなく「抗議」したと伝え、性奴隷についても「性奴隷」とカッコ付きで表現している。
野党側は「日本の妨害行為を放置してはならない」と、韓国政府に日本へ対抗するよう訴えた。過去にとらわれず、未来志向の韓日関係を目指してきた尹政権は、口には出せないものの、イタリアに像が建てられたことをきっと迷惑に思っている。

韓国の団体がおこなう「反日活動」の中でも、海外で慰安婦像を建て、一方的な歴史観を伝えることが特に日本人を激しく怒らせる。それは経験的に明らかだ。
今回の件についても、ネット掲示板には侮辱語や差別語が飛び交っていて、とてもここには載せられない。
AIが適切と判断したコメントだけが表示される『ヤフコメ』を見ると、やっぱり結果は予想どおりだ。

「今すぐにでも慰安婦問題に関しての根拠の無さを国際社会に伝えていくべきだと思う」

このコメントに対し、 1965人が「共感した」を押し、44人が「うーん」を押した。

「女性に対する戦争犯罪への普遍的な批判の気持ちを込めている？これが認識違いであることを指摘しないとダメでしょう」

これに「共感した」が 1780で、「うーん」は 41しかない。

慰安婦問題について日本では、政府が歴史の真実を世界にもっと強く訴えるべきと考えている人が本当に多い。『正義連』の活動は、いつもこんな民意を引き出す結果になる。

偶然だろうけど、『夕刊フジ』が“イタリア初の少女像”へのカウンターとなるタイムリーな記事を掲載した。
それによると、韓国の研究者・朱益鍾（チュ・イクチョン）氏は、ファクトに基づいて「強制連行」や「性奴隷」説を否定し、歴史の事実を広めることが必要だと主張している。（2024/06/22）

「嘘の慰安婦神話」崩壊させよ　強制連行・性奴隷説を論破、韓国人研究者が激白　徹底駆逐のため日本は何をするべきか

韓国内でも、こうした説に疑問を感じている人はいる。けれど、公の場でそれを口にすると「大変なことになる」と考え、みんな触れないようにしているという。
そういう雰囲気こそ、「圧力」や「圧迫」では？

この記事にも、

「2度とこのような錯誤が生じないよう、我々日本人は事実に準拠しない情報を世界に拡散しないよう心がけたいと思います」

というコメントが寄せれた。それに対して「共感した」が 1721で、「うーん」が 50と圧倒的な差がついている。
「日本政府がなぜ噓に引っ張られていったのかについて、日本国内で議論が必要だ」と語る朱氏に同意する人も多いはずだ。

日本では、2015年に日韓政府が慰安婦問題の「最終的・不可逆的な解決」で合意したこともあって、　一般の人たちは普段はこの問題について考えない。
でも、今回のように韓国の団体が海外で慰安像を建てると、それを強烈に意識するようになり、日本国内で「政府は世界に真実を伝えるべきだ」という声が高まる。これは毎回同じパターン。
韓国の進歩派にとっては、これも「妨害活動」になって反発するのだろうけど、その悪循環は日本がはじめたわけではない。

日本政府も、現在の韓国の状態は国際法と日韓合意に反していると非難し、「国際社会が韓国側による合意の実施を注視している状況である」と、外務省ホームページに英語やイタリア語、フランス語などで明記している。（慰安婦問題についての我が国の取組）

努力はしているが、国民の期待に十分応えているとは言えない。
「積極性」だけは韓国の団体を見習うべき。