日韓では考え方が違うから、いつまでもたっても和解が成立しない。
両国の価値観の違いは日本にいる韓国人がよく知っている。
去年、評論家で拓殖大学の教授でもある呉善花(オ・ソンファ)氏が講演でこう話していた。
産経新聞の記事(2017.2.21)
「多神教の日本社会は歴史の多面性も受け入れるが、朱子学儒教を重んじる韓国では、情緒に反する事実が一切受け入れられない」などとして「和解」の困難さを分析した。
「韓国は情緒に反する事実一切受け入れられない」 呉善花拓大教授ら講演
「情緒に反することは一切受け入れられない」という韓国社会の硬直性については、今回の旭日旗騒ぎで日本人もイヤというほど分かったはず。
国民感情(反日感情)を前面に押し出す相手と和解することの困難さも。
日本の海上自衛隊の艦船は法律によって、旭日旗を掲げることになっている。これは決まりだから、隊員はそれに従わないといけない。
しかし、韓国はそれを認めず、済州島(チェジュド)でおこなわれる国際観艦式で、旭日旗を降ろすよう日本に要求してきた。
韓国でこの旗は「戦犯旗」として悪のシンボルになっているから、そんな旗が国内で堂々とかかげられることは国民感情が許さない。
韓国政府は日本に「韓国国民の感情を積極的に考慮する必要がある」と伝え、李洛淵(イ・ナギョン)首相も「韓国人の心に旭日旗がどんな影響を与えるか、日本も繊細に考慮する必要がある」と言う。
ただ、以上のことは、韓国メディアの日本語版の記事に書いてあったことで、韓国民のガチの感情や考えは、韓国人読者に向けたハングルの記事を見ないとわからない。
ここでそのひとつを紹介しよう。
トゥデーコリアがこんな記事(2018.09.30)を載せていた。
與, 일본 해군에 “몰상식은 기본, 일말의 양심도 없는 안하무인…기가차다”
「與」は「与」の旧字体で、政権を担当している「与党」を指す。
これを機械翻訳すると、「與(韓国与党)、日本海軍に「無知は基本、一片の良心もない無能…気色悪い」となる。
与党のパク報道官は公式の場でこう述べた。
*以下の文章は機械翻訳して修正したもの。
「戦犯国として世界平和を一瞬で壊し、人類に対して数え切れない殺傷行為を行った日本が旭日旗を恥とせず誇らしく思っている。これは日本がいくら経済的にめざましい成長をしても永遠に二等国家にとどまるしかない理由ではないかと思う」と日本に反省を促した。
こういう記事を読むと、韓国メディアの日本語版の記事は日本人読者を意識して、反日色をおさえた記事に仕上がっていることがわかる。
しかし、韓国の国民情緒を正確に表しているのはハングル版のほうだ。

くり返しになるが、海上自衛隊の艦船が旭日旗を揚げることは法律で決まっている。
これを「降ろせ」と求めるのは、自衛隊に「違法行為をしろ」と言うことと同じで、のめるはずがない。
しかし、国民情緒が絶対視される韓国では、それを認めないし許さない。
「韓国国民の感情を積極的に考慮する必要がある」
「永遠に二等国家にとどまるしかない」
そう言って日本に迫ってくるが、国際舞台の場で法律無視をするわけにはいかない。こんな要求をしてくるほうがおかしいのだ。
呉善花(オ・ソンファ)氏は、日本社会は歴史の多面性も受け入れるが、韓国は「情緒に反する事実が一切受け入れられない」と指摘した。
これを言い換えると、日本は法が支配する法治国家であることに対して、韓国は情緒が支配する情治国家と言うことができる。
だから和解することは困難なのだ。
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