前「日本は永遠の二等国」→今「韓国の国民感情を尊重しろ」

 

いま、韓国があせって困ってイラ立っている。

韓国の最高裁が53年前に日韓両政府が交わした合意(日韓請求権協定)を否定して、日本企業に約4000万円の支払いを命じた。

ふだんはノーと言えない日本人もこの約束破りには怒った。
安倍首相は「断じて受け入れられない」「国際法に照らしてあり得ない判断だ」とこの判決を完全否定。
河野大臣も「徴用工判決は暴挙であり、国際法に基づく国際秩序に対する挑戦」と韓国を猛批判。

 

慰安婦問題はまだよかったのだ。
「日本政府は反省しろー。謝罪しろー」と、日本の政府を相手にしていたから。
でも、徴用工問題はちがう。
新日鉄住金に賠償金の支払いが命じらる事態になってしまった。
民間企業にまで「実害」が及んでしまったのだから、日本政府は命がけで企業を守らないといけない。

これで「遺憾の意」を表明して終わりなら、安倍政権が終わってしまう。
今度ばかりは日本が強く出るのはあたり前。

 

それは当然として、よく分からないのは韓国側の反応だ。

朝鮮日報にこんな記事(2018/11/06)がある。

強制徴用判決から1週間 声強める日本と静かに対応練る韓国

歴史問題について韓国は日本に妥協をしない。
「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」のサウザー精神で日本を攻撃してくる。省みることはしてほしいのだけど。
これまで韓国は、日本が気に食わないことを言うと「正しい歴史を学べ」「心からの反省と謝罪が必要だ」といった圧倒的な上から目線で反発してきた。

でも今回はこれがない。
「声強める日本と静かな韓国」と逆転現象が起きている。
日本政府が韓国政府を批判して、韓国側は黙っている。

でも日本に言われっぱなしで、韓国国民が納得するわけない。
韓国政府も何か言い返すはず、と思っていた。

 

 

このまま冬眠するのか?と思われていた韓国がついに口を開く。

韓国外交部(外務省)はこう言った。

「最近、日本の責任ある指導者らが問題の根本を無視して、国民感情を刺激する発言を続けていることを非常に憂慮している」

「過剰な対応に、深い遺憾を禁じ得ない」

また日本政府には、「今回の事案を政治的に過度に浮き彫りにすることは、韓日関係の未来志向的発展に全く助けにならないということを、日本政府は明確に認識しなければならない」と警告する。
ちょっと、いつもの調子を取り戻したようだ。

この発言は下の朝日新聞の記事(2018年11月7日)による。

韓国外交省「日本、節度ない過剰な対応」 徴用工判決

「我が国の国民感情を刺激するな」と言うのはいいけれど、韓国は1か月ほど前に自分が言ったことを忘れていないだろうか。
日本を「永遠の二等国」と呼んだことを。

 

 

先月10月、韓国は済州(チェジュ)で海軍国際観艦式を開いた。
日本の海上自衛隊も式に参加する予定だったのだけど、韓国側の「旭日旗を降ろせ」という非常識な要求を受けて結局キャンセルする。

このとき韓国は、「自国の旗と韓国の国旗だけをかかげるように」と参加国に要請していた。
でも当日、そう言った韓国が別の旗を掲揚してしまう。
文大統領が演説をした駆逐艦には、16世紀に日本軍と戦った抗日の英雄・李舜臣を象徴する旗が風に揺れていた。

自分が決めたルールを自分で破る。
これには韓国紙・朝鮮日報も記事(2018/10/13)であきれていた。

韓国は参加各国の艦船に対して自国国旗と太極旗のみ掲揚するよう要請したのにもかかわらず、自ら矛盾する対応を取ったということだ。

李舜臣旗掲揚、自ら通達破った韓国に日本政府が抗議

韓国の「約束破り」は徴用工訴訟の前からあったのだ。

 

韓国は言っていることとやっていることが違う!
この言動不一致を日本が批判すると、韓国与党は「戦犯国として最低限の恥も知らない」と日本を逆批判。

さらに与党の朴ギョン美院内報道官はこう言った。

「過去に対する徹底した反省と謝罪なしには、韓半島(朝鮮半島)の平和と繁栄で再編される東アジアの未来に日本はいないことをはっきりと述べておく」

ね?韓国は日本を相手にしたら、退かないし媚びないでしょ?
そして何より省みない。

韓国議員の言葉は中央日報の記事(2018年10月15日)にある。

韓国「帥字旗」に驚いた? 「旭日旗はためかせながら」自衛隊を査閲した安倍氏

さらにこの言葉の前に、日本側が旭日旗をかかげて式に参加すると発表すると、韓国与党はこう反発していた。

「非常識をもちろん、一抹の良心さえも見られない日本の傍若無人にあきれる」
「日本が旭日旗を誇っているのは、日本が永遠に二等国家にとどまるしかない理由でないかと思う」

くわしいことは中央日報の記事(2018年10月01日)に書いてある。

韓国与党「旭日旗を誇る日本、永遠の二等国」

 

自ら定めた原則を無視する。暴君サウザーでさえ、そこまではしなかった。
それを日本に批判されると、「戦犯国として最低限の恥も知らない」と怒り出す。
これが1か月前の韓国だったから、「なんで今回は沈黙したままなのか?」と不自然に感じていた。

 

*中央日報の紙面のキャプチャー

「韓国国民の感情を考慮せよ」って言われましてもねえ。

 

ほんの1か月前、韓国は日本にそんなことを言っていた。

それが今の徴用工訴訟では、「我が国の国民感情を尊重しろ」と日本に自制を求める。
国民感情なら日本にもある。
自分たちは言いたいことを言って、日本には「過剰な対応はするな」と言う。

日本政府が強気に出ている背景にも、この旭日旗騒動の影響があるはず。
公の場で「永遠の二等国」と言われて、1か月で忘れるほど日本人の頭はポンコツではない。

いまの韓国に何があっても、それはすべて自業自得。
相手の国民感情を尊重しない国が敬意を払われることはない。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。