“ハーフ”でも、大坂なおみ選手が「日本人」である3つの理由。

 

さて、クイズです。
この人は誰でしょう?

 

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答えは、宮本エリアナさん。
ミス・ユニバース2015世界大会の日本代表に選ばれた人で、大会ではトップ10入賞を果たしている。

父親が黒人のアメリカ人、母親が日本人という“ハーフ”のエリアナさんが日本代表になったことは、当時世界的に注目された。

たとえばCNNにはこんなニュース(2015.03.25)がある。

日本は国民の約98%を同じ民族が占める保守的な社会。「日本人らしい」白い肌が美の象徴とされるなか、宮本さんの選出は異例の出来事として話題を呼んだ。

米国人の父を持つ20歳、ミス・ユニバース日本代表に

ちなみに、宮本エリアナさんの得意料理は「カツオで出汁をとった味噌汁」。

このときは「日本人のように見えない」とか「黒人とのハーフが日本代表というのはおかしい」といった批判もあったけれど、それが日本の多数意見になることはなかった。

 

2016年のリオデジャネイロオリンピックでも、黒人の父親と日本人の母親の“ハーフ”であるケンブリッジ飛鳥選手に「日本人らしくない」という声はあった。
念のために書いておくと、転んで両手を挙げていない方がケンブリッジ飛鳥選手ですよ。

 

さて2019年のいま、全豪オープンを制して日本人として初めて世界ランキング1位になった大坂なおみ選手にも、同じような論争がある。

ただ大坂選手の事情は上の2人とはちがう。
彼女は日本で生まれたもののアメリカで育ったため、日本語をうまく話せない。
それに加えて「日本人らしい肌」をしていないため、「大坂なおみを日本人と言っていいのか?」とイマイチ納得できない人もいる。

でも、結論からいえば、彼女は日本人だ。
これからその理由を3つ挙げようと思う。

 

まずは2018年の「チャイナオープン」で行われたインタビューを見てほしい。
「Which nationality will you choose(あなたはどちらの国籍を選ぶの)?」という質問に、大坂なおみ選手はこう答えている。

NAOMI OSAKA: I don’t really understand why people keep asking me this. I’m pretty sure it’s obvious. I’m playing for Japan. Not to be disrespectful or anything, but I don’t really get where the conclusion that it’s a hard choice for me or anything comes from.

CHINA OPEN・Naomi Osaka

「私は日本のためにプレーをしている」から、なんでそんな質問をするのか理解できないと言う。
この言葉が、彼女が日本人である1つめの理由。

 

さらに、大坂選手のツイッターには日の丸がある。

この意思表示が2つ目の理由。

 

さらに3つ目の理由として、第三者の外国人が彼女を日本人と認めているから。

全豪オープンでも公式に日本選手の扱いだ。

 

去年、大坂選手が全米オープンで優勝したときに寄せられた外国人のコメントには、その内面から、彼女を「日本人らしい」というものが多くあった。

The attitude of Sarena and Naomi shows the difference between American and Japenese cultures.
アメリカ人のセリーナ・ウィリアムズとは違って、控えめな大坂なおみは日本人の文化を表していると指摘する。

This made me to do respect more about Japanese people because they are so polite kind hearted people Naomi Osaka is the one of the example .love for Japan 🇯🇵
大坂なおみ選手は礼儀正しい日本人の一人で、彼女によって、この人は日本人をもっと尊敬するという。

韓国メディア「朝鮮日報」の記事(2019/01/29)でも、セリーナウィリアムズとの精神的なちがいを指摘している。

大坂なおみは普段は口数が少なく、事あるごとに「ごめんなさい」と言う。生まれて初めて全米オープンで優勝した時の感想も「こんな終わり方になってしまってごめんなさい」だった。

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何かあるとすぐに「ごめんなさい」を言うのは日本人。
アメリカ人はなかなか謝らない。

 

世界の人から見ても、大坂なおみ選手は日本人らしい日本人だった。
もちろん、これとはちがう見方をしていて、彼女を日本人と認めない人もいる。
そう見たいと思う人にはそう見えてしまうのだから、これはどうしようもうない。

外部がどんなノイズを出していても、一番大事なことは本人の気持ちだ。
日の丸を背負って日本のために試合をしていると言う。
内面からにじみ出る態度や文化が「日本人らしい」と外国人も評価しているのだから、大坂なおみ選手は間違いなく日本人だ。

宮本エリアナさんやケンブリッジ飛鳥選手のときにあった「“ハーフ”は日本人か?」論争も、大坂なおみ選手の登場でピリオドを打つと思う。

 

「これこそ最も日本人らしい振る舞いだ」と言う外国人もいる。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。