血迷ったのか？
先の展開を予想できなかったのか？
米メディア・ブルームバーグのインタビューで、韓国の文国会議長が天皇に謝罪を要求した。
慰安婦問題の解決には、「戦争犯罪の主犯の息子」である天皇陛下の謝罪が必要と言う。
昭和天皇を「戦争犯罪者」、現在の天皇を「戦犯の息子」と呼ぶこの人の頭はどんな物質で構成されているのか。
しかもこれをアメリカメディアに言う目的も分からない。
慰安婦問題は2015年の日韓合意で解決したのだけど、韓国文政権はその事実を認めようとしない。
それで文議長はアメリカ世論に訴えかけたのか？
政権が変わるたびに、約束も白紙に戻るような国と合意を結んでも意味はない。
担当者が変わるたびに、「あれは間違った内容でした」と契約を白紙に戻すような会社は絶対につぶれる。
さて、天皇を侮辱する国会議長の発言に日本国内では怒りに満ちているけれど、韓国はどうだろう？
これからそれを見ていきませう。
まず、韓国政府は議長の発言をどうとらえたか。
朝鮮日報の記事（2019/02/13）を見ると、適切で問題はないようだ。
慰安婦：韓国与党幹部が韓国国会議長の「天皇謝罪」発言を擁護
韓国というパラレルワールドでは、日本や世界の多くの国とは価値観が逆さになってしまう。
だから天皇陛下を「戦争犯罪の主犯の息子」と言うのは、あちらの社会ではおかしくない。
慰安婦問題を未解決とし、天皇に謝罪を求めるというのは常識の範囲内。むしろそれは良識だ。
だから韓国の与党は文議長の発言をこう支持した。
「日本政府が今まで一度も謝罪に相応しい謝罪をしたことはないという側面で（天皇に謝罪を求めることは）しかるべき要求」
「文喜相国会議長の発言は慰安婦ハルモニたちの傷を癒すために日本側が誠意ある姿勢を見せることを求めたもの」
政治的権限のない天皇は政治問題を解決する立場にない。
日本のことを知らないし、日本の国民感情にも配慮しない。
そのうえで日本に誠意を求めるのが大韓民国の政治家だ。
もちろん、いつもの説教も忘れない。
「過去の歴史に対して真摯に認め、反省することから韓日両国の未来志向的な関係に向かうことができるということを日本政府はしっかりと認識しなければならない」
韓国の言う「過去の歴史」には、４年前の慰安婦合意がいつも抜けている。
では、韓国国民の反応はどうか？
意外にも政治家とちがって、文議長の発言を非難する声が多かったという夢を見た。
現実は厳しく、やっぱりこんな感じ。
中央日報の記事（2019年02月13日）
日本閣僚の攻撃的な謝罪要求は天皇を神聖視する日本世論を意識したためとみられるが、韓国国内の世論は「謝罪すべき側が謝罪を要求した」と反発し、両国関係はさらに冷え込む見込みだ。
韓国国会議長「天皇が慰安婦に謝罪を」 安倍首相「韓国が謝罪を」
天皇を神聖視していたとすれば戦前・戦中の話で、いまは日本の象徴だ。
天皇は立場上、何を言われても、自分で直接抗議することはできない。
言い返せない相手に一方的にものを言うのは卑怯の一言。
こういう背景があって、日本の首相や国民は文議長の発言に怒っているのだけど、韓国にはそれが分からない。
というのは韓国人は日本に対して、「過去の歴史に対して真摯に認め」、被害者である韓国に「誠意ある姿勢を見せる」ことだけが大事と考えているから。
独善的な人間に他者への配慮はないのだ。
この反応は昨年の「BTS原爆Tシャツ騒動」でも同じ。
反日無罪の国では、原爆Tシャツを着ようが天皇に謝罪を要求しようが罪には問われない。
日本が怒れば、「謝罪すべき側が謝罪を要求した」と反発するだけ。
何があっても前後の文脈は無視して、「日本は謝罪しろ」という結論にいたる。
まあ、それが大韓民国ですよ。
理解できないのはこっちのセリフじゃ。
日本がほしいのは、大賞に輝いたキムチじゃなくて議長の謝罪。
でも韓国人は、みんなが同じ価値観や考え方を持っているわけじゃない。
保守的な人たちが読む朝鮮日報を読むと、上とは違う反応がある。
「天皇が元慰安婦の手を握って謝罪すればすっきり解消」記事への韓国読者コメント
（2019/02/09 ）
このへんの人たちは、話せばわかり合える可能性をうっすら感じさせる。
「天皇が謝罪すれば慰安婦問題は解決する」という国会議長の言葉について、イさんはこうコメントした。
「私はそうは思わない。これまでも日本政府は2回も公式謝罪した。それにもかかわらず、今も食い下がっている。天皇が謝罪しても従北左派はまた国民感情をあおって食い下がり続けるだろう。」
これがきっと正解正論。
「すっきり解消」なんて絶対にない。
また国民の反日感情をあおって、食い下がり続ける。
ちなみに、この意見が「賛成82反対3」と一番多くの支持を集めていた。
他にキムさんは、「同じことに対して何で何度も謝罪しなければならないの？」と、まるで日本人のようなことを言う。
別のキムさんは、「文喜相（ムン・ヒサン＝韓国国会議長）は物覚えの悪いバカなの？」と、まるで日本のネットの書き込みのようなことを言う。
もちろん、文議長の発言を支持する人もいる。
たとえばチェさんは、「日本のやつらをムカつかせ、ブチギレさせるには最高の発言だ…しかし、子ども並みの日本人の頭の中の精神世界は謝罪というものを知らない」とコメントしている。
こういう言葉が「読者の声」として載ってしまうのが大韓民国の新聞だ。
ということで、本日のまとめ。
「慰安婦問題解決のために、天皇は謝罪しろ」という非礼・非常識・不快な言葉は、「反日無罪」によって基本的に無罪になる。
だから韓国の与党はこの言葉を支持したし、反発する日本に国民は反発した。
でもそれがすべてではない。
安易に反日発言をする政治家を非難する人もいる。
こういう韓国人は、
「過去にこだわりすぎて現実的な国益を逃してはならない」
「従北左派は彼らの政治的利益のために国民の反日感情をこれ以上あおってはならない」
などと、まとも過ぎてビックリするようなことを言う。
でも、韓国社会でそういう人は、絶滅危惧種の指定が必要なほど少なそうだ。
日韓の夜明けはまだまだぜよ。
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