近ごろのお坊さんは、インスタグラムで情報を発信している!
ってのはもう当たり前。
ローマ法王もツイッターでつぶやく時代なんだから。
でも、ゲイにしてメイクアップアーティストにして、仏教僧でもある「西村宏堂(こどう)」さんは異質すぎ。
さらにこの人はラジオDJもしているらしい。
こんな斬新なお坊さんを海外のメディアが放っておくわけがない。
イギリスBBCがニュース(2019年03月5日)で伝えていた。
西村さんは、仏教はゲイとしての自分を受け入れてくれていると話す。(中略)西村さんにとって、仏教は平等であること、自分自身でいることを教えてくれたという。
僧侶でメイクアップアーティストでゲイ、ある日本人男性の信仰
日本の仏教僧はいろんな取り組みをする。
去年の記事では、京都・知恩院のお坊さんが「ぽくぽくすまいる」というバンドを結成したことを紹介した。
お坊さんがドラムをたたいてエレキギターを弾いて歌を歌う。
これがいま「ナムい」。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
他にも日本にはユニークなお坊さんがいらっしゃるけど、仏教僧・西村宏堂がまとっているオーラは別格。
知恩院で結成されたバンドには、一般の人たちとの距離を縮めるという目的があるけど、この人の場合はどうなのか?
いろいろやりたいことがありすぎて、煩悩のかたまりではないか?
ちょっとこれでは仏教僧とは呼べない。
ということはなくて、日本人の宗教観から見てみたら、これはめっちゃアリ。
仏教に対する日本人の見方はいろいろあるけど、ここでは、戦国時代を生きた「鈴木正三(しょうさん)」という仏教僧の考え方を紹介したい。
このお坊さんは高校日本史でならう人だから、知らなかったら知っとこう。
鈴木正山
1579~1655 曹洞宗の禅僧島原の乱後、キリシタンの改宗に努める。
また、世俗的職業に努力することを通して仏道修行もできると説いた。(日本史用語集 山川出版)
このお坊さんは元武士。
関ヶ原の戦いでは、徳川側の武士として石田側とたたかった。
当然のことながら、人を殺している。
でもそのあと、お坊さんにチェンジ。
ダイナミックな人だから、西村さんに通じるところがある。
鈴木正三は「仏さまはお医者さん」と言う。
いろいろ欲望によって人の心は毒されてしまう。
それは、心が病気になったも同然。
そんな心をいやすのが仏教であり、日本人にとっての宗教という。
いやしてくださいとお願いするのが人間の宗教心だというわけです。彼の言っている人間の宗教というのは、ここに出てくる。日本人が宗教と言う場合、この部分を言うわけです。
「宗教からの提言: なぜ他人の評価が気になるのか (山本七平)」
ゲイでメイクアップアーティストの西村僧のもとには、「家族から同性愛者であることを認めてもらえない」といった悩みが届けられるという。
このお坊さんでしかいやせない心があるのだから、西村宏堂は一人の仏教僧だ。
近々、こんなセミナーをおこなうらしい。
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