きのうの記事で、韓国に住んでいるアメリカ人が「世界最悪レベル」の大気汚染に文句を言っているのを書いた。
この大気汚染のおもな原因はPM2.5。
日本でも以前、中国からやって来るPM2.5についてよく話題になっていた。
韓国人もいまの大気汚染は、中国が最大の原因と思っている人が多い。
だから当然、中国に対する怒りはとても深い。
…と思ったら、案外そうでもなかった。
上のソウル在住のアメリカ人に聞くと、みんな韓国政府に怒っているという。
つくづく思けど、韓国は中国に弱すぎないか?
でもって、日本には強気すぎる。
西高東低というと日本の冬の気圧配置だけど、韓国の外交姿勢は「西低東高」だ。
日本に対してはめっぽう強いけど、中国には下を向いてしまう。
たとえば3年前、韓国の全国紙・中央日報はこんなコラムをのせていた。
中国には抗議もできないのか
結論から言えば、できません。
このときすでに韓国では、大気汚染が国民の健康をおびやかす深刻な問題になっていた。
そして、(韓国側の見解では)汚染物質の多くは中国に原因があると分かっていた。
それを示す科学的なデータがあって、多くの国民が不満を持っているにもかかわらず、政府は中国に何も言えない。
だから、市民は空を見上げてこう嘆くしかなかった。
抗議も要求もできない政府の態度が、韓国が小国だからというならば悲しい。(中略)外交的判断のためならば、国民の日常の重みをあまりにも軽く思っているのではないかと思うと残念だ。今や私たちは中国に抗議もできない境遇なのか。
そしていまは2019年。
このときから3年後の月日が流れたのだけど、韓国はまったく変わっていなかった。
やっぱり中国はいまもおそろしい。
中央日報の記事(2019年01月16日)
「死の粒子状物質」襲撃も…中国に一言も言えない韓国青瓦台
文大統領は2017年の大統領選挙期間中、国民に力強くこう訴えていた。
「日本には『慰安婦合意は問題だ』、中国には『粒子状物質はあなたたちに責任がある』、(中略)と堂々と話せる大統領を望んでいることでしょう。それで、かっこいい国、かっこいい大統領を望んでいることでしょう。私、文在寅が先頭に立ちます」
へ~。
で、実際はどうだったのか?
たしかに日本に対しては、大統領はこのときの約束を守った。
2015年に最終的な解決を確認したにもかかわらず、「慰安婦問題は解決してない」といまだに問題化している。
昨年は慰安婦財団の解散まで発表した。
これはもう、日韓合意を破棄したようなものでしょ。
でも、中国に対しては相変わらず弱い。
「粒子状物質をめぐる中国への要求だけがまともに行われていない」という状態だ。
「かっこいい大統領を望んでいることでしょう。私、文在寅が先頭に立ちます」と宣言したのに、大統領になってみたら、中国には相変わらず下を向いている。
でも韓国には、「日本なら何を言ってもいい」という空気がある。
そうでなかったら、国会議長が天皇陛下に謝罪を要求したり、「戦犯の主犯の息子」なんて侮辱することはない。
韓国政府は議長を注意するどころか、この発言を支持した。
日本が相手なら、韓国はここまで言うことができるのだ。
でも、中国に対しては何も抗議できない。
といっても、「二重基準の韓国はズルい」という非難は一方的だ。
日韓が対立する問題が起きると、なんだかんだいって韓国にゆずってしまう日本にも責任はある。
「韓国はすぐにゴールを動かす!」と怒る日本人は多いけど、よく見ると、一緒にゴールを運んでいる日本人もいる。
日本が反省しないといけないのはこのことだ。
そして大事なことはルック・ウェスト。
未来志向な日韓関係を築くためには、中国の態度はとても参考になる。
でないと、韓国はいつまでたっても「西低東高」のままだ。
こちらの記事もいかがですか?
韓国の反日の結果。”少女像”が嫌韓日本人をつくって韓国が苦しむ。
韓国議長の「(天皇は)戦犯の主犯の息子」を否定→ウソでした。
コメントを残す