前回の記事で、「警察が組織的に買収されていたことが分かって、韓国ではとんでもない騒ぎになっている」ってことを書いた。
いまはまだ「その疑いが強い」という段階だけど、首相や大統領が「この件は徹底的に捜査する」と宣言していることから、この汚職は間違いないと思う。
この記事の導入部分で、インド旅行中に出会った日本人のことを書こうと思ったのだけど、書いてるうちに予想以上の長さになってしまったから、独立してひとつの記事にすることにした。
それが今回の記事っす。
いまから20年ぐらい前、インドのある街(たしかビカネール)に滞在していたときのこと。
宿のロビーでイスに座ってくつろいでいると、怒り心頭の日本人旅行者から突然、「インドの警察はマジ腐ってます!」と話しかけられた。
へ~、インドの警察に“鮮度”があるなんて初耳。
というのはどうでもいいとして、ヒマだし彼の話に耳を傾けてみた。
その日本人旅行者は今まで別の宿に泊まっていたけど、昼間観光をしているときに、部屋(シングルルーム)に置いてあったバッグから貴重品を盗まれてしまった。
現金とウォークマン(な、なつかしい)だったような気がする。
彼いわく、部屋にはカギをかけていたから、犯人は宿のスタッフしか考えられない。
でも宿のスタッフは、知らぬ存ぜぬアイドンノウ。
「本当に盗まれたのか?お前のカン違いじゃないのか?とにかくオレは知らない」と言われて、全く話にならない。
でも、そこまで強く拒否られると、ますますそいつがあやしく見えてくる。
「警察に行くぞ」と日本人が言っても、「早く行け」とあしらわれた。
そんな対応に激怒した彼は、その宿を出てボクが泊まっていた宿にやって来た。
この宿でスタッフに事情を話して、「これから警察署に行くから、場所を教えてほしい」と言ったところ、こんなアドバイスをしてくれたという。
「それならこの街の警察署ではダメだ。別の地区にあるもっと大きな警察署に行け」
インド人スタッフの話では、日本人旅行者が泊まっていた宿は、宿泊客が盗難にあうことで知られていた。
でも、その宿は警察署長にワイロを渡していてすでに買収済み。
だから宿泊客が訴え出ても、捜査をしてくれない。
だから行くなら、もっと大きな警察署に行かないと意味がない。
そしてこれがインド的なのだけど、「そこまでのタクシーを手配してやる。安心しろ、ベリーチープだ」とスタッフが持ちかけてくる。
「それはちょっと待ってくれ」と日本人が言うと、「ホワイ?」と理由を聞かれて、ウザいこと山のごとし。
話を聞いていた彼は、このインド人の話も信用していいのか分からなくなった。
そんなときロビーで座っていたボクを見つけて、「インドの警察はマジで腐ってます!」となる。
「宿の盗難をどう思いますか?」と聞かれても、「ザッツ・インディア」以外に何を言えばいいのやら。
この宿のスタッフが言っていることについては正しいと思う。
その当時のインドの地方都市なら、警察が「署」単位で買収されていることがあってもおかしくない。
でも、もう一度確認するけど、ここはインドだ。
街の警察署に行っても別の警察署に行っても、旅行者の貴重品が戻ってくるとは思えない。
このときは言わなかったけど、部屋に置いてあるバッグに南京錠をかけなかった君にも落ち度はあるんだよ。
被害者が無条件で同情を受けられるほど、インドの旅はやさしくないのだ。
おまけ
コルカタの有名宿「パラゴン・ホテル」
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