【日韓関係】韓国と日本はいま、何を考えて(求めて)いるのか?

 

韓国紙の中央日報はいま、「危機の韓日関係、連続診断」という特集記事を組んでいる。

ご覧のように韓国側の危機感は相当なもので、もうあとがないと考えている(らしい)。

 

その崖っぷち企画の第四弾がきょう(2019年05月29日)の中央日報に載っていた。

<危機の韓日関係、連続診断4>文-安倍、大阪G20で条件なく会うべき

最悪の韓日関係を抜け出すために韓国各界の専門家が集結して、「韓日ビジョンフォーラム」の会合がおこなわれた。
ではさっそく出席者の意見を見ていこう。

チョン・ジェジョンソウル市立大名誉教授

いまから約100年前、韓国は誤った対応をして日本に国を奪われた。
でもいまの韓国は大きく成長して、「自由・民主・開放・人権など普遍的価値を持つ国」になった。
それでチョン教授は「当時の韓国がエビだったなら今はイルカほどに成長した」と話す。

ごめんなさい教授、何を言っているのかわかりません。
成長したいまでも対応を間違うとまた国がなくなる、ということを言いたいのだと思う。

 

ホン・ソクヒョン韓半島平和構築理事長

アメリカの政治家も韓日関係がこのままではいけないと考えている。
だから少なくとも6月に大阪で開かれるG20首脳会議までには、「時間を稼ぎながら合理的な代案を作る努力をすべきだ」と言う。

それはいいけど、あと一か月で間に合うか?
稼ぐほどの時間はないぞ。

 

チェ・サンヨン元駐日大使

いま大事なことは強制徴用問題(徴用工問題)を解決することだ。
そのためにも「意味のある結果を出せないとしても、(文大統領と安倍首相がG20で)ひとまず会わなければいけない」と指摘する。

でも、意味ある結果が出なかったら会う価値はない。
「自分たちは具体的な下準備をするわけではないけど、トップ同士が会えば何かが変わるかも」というのは安易でズルい。

 

キム・セヨン議員

韓日関係の重要性を認識していた世代が韓日で変わった。
韓日関係についての国際政治学的、世界史的認識が両国で不足していて、「慰安婦問題や徴用工問題などいくつかの民族主義的イシューでチャンネルがふさがってしまった」という。

嘆くだけなら誰でもできる。
ため息だけで世界を変えられるのは神だけだ。

 

ウィ・ソンラク元駐露大使

徴用工問題を何とかしないといけない。
それには基金の設立や国際司法裁判所(ICJ)への提訴などが考えられる。
いろいろな案について「得失を問いただして解決方法を考えなければいけない」と話す。

期限を決めずに考えているから、考えすぎてしまって決められなくなっている。
それに加えて、なるべく自分たちに有利な方法を見つけようとするから、ますます何も決められない。

 

金広斗(キム・グァンドゥ)国家未来研究院長は、韓日両国の企業で基金をつくる案を提示する。

いやいや。それはオール韓国で、韓国オンリーでやってほしい。
日本は1965年の約束通り、すでに巨額のお金をわたしているのだから。
韓国のミスは韓国で解決する必要がある。
それに基金をつくると言っても、慰安合意でつくった基金(慰安婦財団)の解散を発表したのは韓国だ。
「それはそれ。今度の基金は大丈夫」と言われても信用できない。

 

こんな感じに韓国の専門家がそれぞれ好きなことを、いや貴重な意見を述べ合っている。
結論としては、6月に大阪で開催されるG20首脳会議で、文大統領と安倍首相が「条件なしに会って首脳会談をすることが問題解決の第一歩」になるということだ。
でも、「条件なしに」というのはどういうことだ?
これだと結局、韓国側は何もしないということになりそう。
いまはわからなくていい。会えばわかるさ、みたいな猪木的なことを期待してないか。

 

 

とにかく、6月に文大統領と安倍首相が会うべきだ。会わないといけない。というのがいまの韓国の空気。
これに対して日本はどうだろう?

NHKニュース(2019年5月29日)を見るとわりとハッキリしている。

「徴用」問題 仲裁委に応じないなら首脳会談見送りを 自民

徴用工問題について、日本はいま韓国に第三国を交えた仲裁委員会の設置を提案している。
でも韓国政府はこれをガン無視。
これに応じないなら安倍首相は文大統領と会うべきではない、というのが日本の空気だ。

中曽根元外務大臣は自民党の会合でこう言った。

「韓国側は日本に責任転嫁し、誠意を持って対応しておらず、『なめられている』と感じる。仲裁委員会の委員を任命しなければ、来月のG20大阪サミットでの首脳会談は受けないとはっきり言うべきだ」

それはきっと国民の総意だ。
日本が求めているものを無視して、「条件なしに会え」なんて言うのは相手をなめていないとできない。
条件なしというのは、仲裁委員会を持ち出すなということだろう。
あり得ないことだ。
この会合では「今の日韓関係では首脳会談はありえないと伝えるべきだ」という意見が支配的だったという。

「危機の韓日関係、連続診断」というのなら、答えは出ている。
韓国は日本の求めに応じればいい。
でも、「得失を問いただして解決方法を考えなければいけない」と自分のことばかり考えているから、何も結論がでない。
結論がでないから、「とにかく会え」となる。
あとは結局、韓国が覚悟を決めるかどうかだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。