【韓国を見る日本の目】「こんな冷遇は初めてだ」驚く韓国議員

 

季節と逆行するように、日韓関係は寒く冷たくなっていく。
関係悪化はいいけど、日本による経済制裁で韓国がダメージを受けることだけは困る。
「韓日の対立を解消するため」という目的で日本を訪問した韓国の国会議員5人の本音はきっとそんなところだろう。
日本で心のこもったおもてなしを受けた5人はこんな感想を口にした。

「韓日関係がどれほど悪化しているのか、東京で肌で実感した。「コリア・バッシング(韓国たたき)」が深刻だ」
「日本には何度も来ているが、こんな冷遇は初めて」

朝鮮日報の記事(2019/05/29)を読むと、韓国議員が日本の超絶塩対応に衝撃を受けたことが伝わってくる。

韓国議員団、日本で韓日関係悪化を実感「これほど冷遇は初めて」

たとえば彼らは若宮衆議院外務委員長と会いたかったのだけど、若宮議員は「韓国側の連絡を避けているかのように」これを拒否。グッジョブ。
韓国側は「元法務長官や元海洋水産部長官、元セヌリ党院内代表、元セヌリ党代表などそうそうたるメンバー」で日本にやって来たけど、なんとか面会できた日本の議員は当選1回の新人議員だけ。

しかもその議員から釘を刺されてしまった。
いま日本は元徴用工問題をめぐって仲裁委員会の設置を要求している。
でもいまのところ、韓国政府はこれを無視。
それでこの議員から、韓国が日本の要求を拒否すれば、来月大阪でおこなわれるG20サミットで安倍首相は文在寅(ムン・ジェイン)大統領とは会わないだろうと聞かされた。

重鎮が新人に説教される構図がそこにはあった。

でも日本側の反応は、「コリア・バッシング(韓国たたき)」ではなくて「パッシング(無視)」ではないかと思う。
とにかく韓国の議員は「こんな冷遇は初めてだ」と、韓国を見る日本の冷え切った目に衝撃を受けた。

 

朝鮮日報は一面トップで日本の雰囲気を伝えている。

 

中央日報もこのことを記事(2019年05月29日)で報じていた。

「合わせて20選」韓国議員5人を日本は初当選議員1人が相手 「このような冷遇初めて」

5人の合計当選回数は20選で、それを初当選の議員1人が迎える。
部長クラスの人間5人を新入社員1人が対応するようなものだろう。
つまり、「あなたたちが今のままなら、われわれは取引をするつもりはありません」ってこと。

「これほど冷たい待遇は初めてだ!」と驚く韓国議員は現状を分かっていない。
いや、分かっているから認めたくないのかもしれない。
日本を訪問した尹議員はこう話している。

「韓国と日本の政府が先に手を差し出して問題解決に対する意志を見せるべきなのに、そのような意志があまり見られない」

問題というのは生み出した側が解決しないといけない。
徴用工訴訟問題は、日韓請求権協定をひっくり返した韓国側が一人で完全に対応しないといけない。
だから「日本が先に」という発想は、現実離れした都合のよさだ。
それを見透かされたから、かつてない冷遇を受けたのだろう。

 

そもそも韓日関係の改善が目的なら、韓国の議員は日本に来る必要はなかった。
きょねん10月、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じてからこれまで、韓国政府は半年以上も対応策を発表していない。
日本の議員より先に自国の大統領に会って、「人気取りの反日政策はもう終わりにして、元徴用工問題でどう対応するのかハッキリするべきだ」と言えばいい。
その覚悟を見せれば日本側もきっと態度を変える。
今度は当選2回の議員が対応にでるかもしれない。
韓国がんばれ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。