先月5月、韓国の議員団が日本にやってきた。
その目的は、戦後最悪といわれる韓日関係の改善と見てまず間違いない。
6月に大阪で行われるG20で、文大統領と安倍首相の首脳会談を実現させる地ならしでもある。
そのとき応対にあたった石原伸晃元経済再生相の言葉がネットで話題になった。
韓国議員団の訪日目的は分かっているはずなのに、「わが国においでになった目的は何なのですか?」と京都人のように言い放つ。
この言葉はたぶんあと半年ぐらいはネットで使われる。
この訪問の少しまえ、文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が天皇(いまは上皇さま)に対して「戦犯の主犯の息子」と侮辱発言をして、慰安婦問題での謝罪を求めた。
石原議員はこの発言を取り上げて、「天皇陛下をやゆするような発言は取り消すべきだ」と言ったのだけど、取り消すことはもちろん、韓国議員の口からは遺憾のイさえ出なかった。
きょねん12月に韓国海軍が自衛隊機にレーダーを照射した事件について、別の日本議員が謝罪を求めたけど、韓国側との議論はかみ合わなかった。
徴用工訴訟問題でも日韓請求権の約束を守ってほしいという日本側に対して、韓国側はやらない言い訳をするだけ。
韓国の議員たちが言ってきたのは、いま日本が進めている日朝首脳会談についての情報がほしいということ。
文政権のやりたい放題の反日で、韓国との信頼関係は地におちているのに情報は共有したいと言う。
日本が求めるものはすべて無視して、自分の言いたいことを一方的に伝えてくる。
そんなことが先月あったせいか、石原議員はきのうこんなツイートした。
人気取りのためにわが国に対し攻撃的な外交政策をとった結果、日韓関係のみならず国際的な信用まで低下し、その失政への非難が高まるとわが国にさらなる責任転嫁。文政権の対日外交は完全に支離滅裂であり、もはやまともにとりあうに値しない。#韓国 #外交 https://t.co/nl9AXMlIeY
— 石原伸晃 (@IshiharaNobu) 2019年6月26日
まあ日本への責任転嫁で天下(大統領)をとった人だから。
先月の韓国議員団とのやり取りは知っていたし、自民党議員ならこのぐらいのことは言うだろう。
意外だったのは、NHKも「日本に責任転嫁」と報じていたことだ。
2019年ニュース(6月26日)
「日韓首脳会談は日本しだい」韓国大統領 日本に責任転嫁か
きょう(6月28日)から大阪で開かれるG20で、文大統領は安倍首相と会って話がしたかった。
でもそれを不可能にしたのがほかでもない、文大統領その人。
韓国政府はこの直前、徴用工訴訟をめぐる問題の解決策として、日本企業にも慰謝料を出させる案を提示する。
これは国際法違反だから、「話にならない」と日本はすぐに却下。
そもそも日本は元徴用工をめぐる問題を解決するために、第三国をまじえた「仲裁委員会」の設置を韓国政府に求めていた。
でも文政権側はこれを無視。
「第三者がいると自分たちの分が悪い」ということをよく分かってらっしゃる。
受け入れ不可能な案を提示しておいて、「現実的な解決策を日本政府に伝えた」「韓日関係を一歩進ませる措置」と自画自賛する文大統領は、「G20サミットの機会を活用できるかどうかは日本にかかっている」と韓日首脳会談の開催は安倍首相しだいと日本にボールを投げた。
文氏のこの態度についてNHKはこう論評する。
ムン大統領が意欲を示していた日韓首脳会談は今回行われない見通しで、日本側に責任を転嫁することで韓国国内の批判をかわすねらいがあるとみられます。
これはきっと大正解。
文大統領側は、「こちらは会談を希望したけど、日本がそれを断った」という言い訳ができる状況をつくりたかっただけのこと。
「こちらは誠意を見せた。悪いのは日本」という責任転嫁は文政権の韓国ではいつものことだけど、それをNHKが指摘するとは思わなかった。
文政権に批判的な産経・読売新聞に、韓国のマスコミはよく「右翼的」「極右傾向の」とレッテルをはる。
そんな産経・読売がこう報じるのなら分かるけど、日本の一部から「韓国寄り」と言われることもあるNHKが
「非は韓国にある」とする報道をするとは思わなかった。
自業自得とはいえ、いまの日本では韓国に対する見方がかなり悪くなっているようだ。
このNHKの見方が「大正解」と書いたのは、朝鮮日報の記事(2019/06/26)で韓国大統領府(青瓦台)も「韓日首脳会談が実現しなかった責任は日本にある」と主張しているから。
韓国が会う準備はできていると言ったのに、日本からは何の反応もなかった」と説明した。G20サミット主催国の「狭量さ」を批判した格好だ。
G20大阪:韓国大統領府「提示した解決策を日本が拒絶」
日本がのめない案を突きつけておいて、それが断られると「日本は心が狭い」と非難する。
文政権がしたかったのはこのポジションを確保すること。
日本に責任転嫁することで、上から目線でものを言える立場にいたかった。
韓国政府が解決にならない解決案を提示したのはこのためだ。
だから石原議員には「文政権の対日外交は完全に支離滅裂であり、もはやまともにとりあうに値しない」と言われ、NHKにも突き放されてしまう。
でも、文政権がマウントポジションを手放すことはない。
日本への責任転嫁はきっとこれからも続く。
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