先週おこなわれたG20・大阪サミットに参加するまえ、韓国の文大統領はこんなことを言っていた。
「この機会を活用できるかどうかは日本にかかっている」
「徴用」をめぐる問題などで現在悪化中の韓日関係を打開するため、韓国側は安倍首相との首脳会談を希望していた。
でも、国際法違反の状態を是正しない韓国に日本の返事はノー。
G20のチャンスをいかして韓国と会談できるかどうかは日本しだい、と文氏は言ったのだけど、その結果は安倍首相が文大統領と8秒間握手して終わり。非公式の会談もなし。
ホスト国の日本は韓国を招いたけど、相手にしなかった。
でもいまになってみたら、その理由はよくわかる。
G20が終わったら、日本は韓国に“切りつける”予定だったのだから。
中央日報の記事(2019年07月01日)
G20終えてすぐ刀を抜いた安倍首相…韓国向け半導体部品事実上の禁輸措置
6月29日にG20を終えた日本政府は2日後、韓国に対して半導体製造に必要な3品目の輸出を規制すると発表した。
これは事実上の禁輸とみられ、サムスン電子やSKハイニックスなどの韓国の半導体企業に大打撃をあたえる可能性が高い。
その関連企業への影響を考えたら、韓国全体でどれほどのダメージを受けるのか想像もつかない。これはもう、国家にとっての非常事態だ。
朝鮮日報の記事(2019/07/01)
韓国産業通商資源部(省に相当)は同日、サムスン電子やSKハイニックスなどの業界関係者と緊急対策会議を開き、該当品目の供給の問題について協議した。
強制徴用:日本の輸出規制、韓国半導体業界は深刻な打撃を受ける恐れも
材料がなければ製品はつくれない。
製品がつくれなければ、企業活動はストップしてしまう。
韓国はいまパニック状態だ。
この緊急事態を受けて、朝鮮日報は社説(2019/07/01)で韓国政府を批判している。
日本のこうした対応は十分に予想されていたが、韓国政府がどのような対策を立てているのか心配だ。
「華為制裁の10倍」の衝撃、韓国政府は日本の報復に備えているのか
「この機会を活用できるかどうかは日本にかかっている」と文大統領が日本にボールを投げた時点で、日本政府内では韓国への輸出規制が決定されていたはず。
そのトリガーを引いたのは文大統領なのに、本人はこのとき何も気づいていなかった。
せっかくの機会を活用できるかどうかは韓国にかかっていたのに。
韓国全体が日本への正確な認識を欠いていたから、いまの韓国政府を見ても「日本への備え」なんてまるで見えてこない。
「G20終えてすぐ刀を抜いた安倍首相」と書いた韓国メディアも、このとき日本で何が起きているのかまったくわかっていなかった。
こうした事態をふくめて日韓関係が悪化を続ける理由は、河野外相が指摘した「(文政権は)認識自体が事の重要性を全く認識できていない」ということが一番大きいだろう。
さらにその認識は、「韓国=被害者、日本=加害者・悪者」という一方的な設定にもとづいている。
次回、そのことを書きます。
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