関係悪化の原因は、偏狭な日本に失望？韓国の冷遇が寂しい？

先月６月７日に、日韓の学者やジャーナリストなどの専門家が集まって「日韓ジャーナリスト・シンポジウム」とやらが開かれた。
議題はとうぜん、いまホットな話題「日韓関係の悪化」について。
たしかにこれは大事だ。
戦後最悪といわれるいまの両国関係について、専門家が議論を交わし合うことの重要性は分かる。
そして多くの一般人がその意見に耳をかたむけることも大切だ。
でもその内容がさっぱり分からないし、まったく共感できなかった。

「なんで日本と韓国の関係はいま悪化しているのか？」

自分なりにこの答えを出してから、以下を読み進めてほしい。

韓国メディア・韓国日報によると、日韓関係悪化の原因を日本の参加者は「韓国の冷遇が寂しい」、韓国の参加者は「偏狭な日本に失望」とみている。
これがこのシンポジウムの成果らしい。

日本が韓国に冷たくされていることが関係悪化の原因？
しかも日本人がこういう見方をしている。
本当だろうか？

まわりの人やネットの声を聞くと、「韓国はもう日本にかかわらないでほしい」と、むしろさらなる冷遇を期待する人が多い。

しかも、現在の関係悪化をより深刻にとらえているのは日本のほうだという。
レコードチャイナの記事（2019年6月10日）

記事は「相対的に状況を悲観していたのは日本」とし、「韓国に絶対的に必要な国としての扱いを受けられず、北朝鮮や中国より優先順位が下であることを日韓関係悪化の最大要因と考えているようだった」と分析している。

日本は韓国の冷遇が寂しい？日韓シンポジウム出席者が語った“本音”に韓国ネット「まずは謝罪を」「賢明な民間交流が必要」

関係が悪化しているこんな時だからこそ、両国政府は冷静になって「まずは交流を再開させる必要があるとの考えで一致した」という。
ちなみにこのシンポジウムは慶応大学で行われた。
日本の出席者はだれだろう？

いまの日韓関係がかなり悪化していることはわかるけど、その原因として、「日本が韓国に冷遇されている」と日本人が考えている？
記事のタイトルにあるように、韓国のネットユーザーが「日本が謝罪をすれば関係は良くなる」と考えていることは、同意できないけど理解はできる。
これがまさに韓国的な発想だから。

でも、韓国内で日本の優先順位が低下していることが「日韓関係悪化の最大要因」という見方がまったく理解できない。
ネットを見ても、この言葉は日本人の理解と常識の外側にある。

・>日本は韓国の冷遇が寂しい
どうしたらこういう結論に辿り着けるんだ？さっぱり理解不能
・幸せ思考ですね
・どこの世界線の話をしているんだ？
・あーこんなんだからダメだって事わかんねえかな
・この調子なら、交流すればするほどお互いの距離が離れるねw

関係悪化の原因を日本側からみたら、韓国が国家間の約束を守らないことが一番だろう。
これは次回でも触れるつもりだけど、読売新聞が社説（2019/06/12）でこう書いている。

国家間の約束を守らず、国際常識に反する行動をとる国が、信頼を落とすのはやむを得まい。

対韓感情の悪化　「歴史蒸し返し」への苛立ちだ

日本人にとってはまずはこれだろう。
約束を破って、何度も歴史問題を蒸し返す。
だから韓国を信頼できなくなって印象も悪くなる。こうなったら、関係は悪化するしかない。
それに加えて、自衛隊機にレーダーを照射しては天皇陛下や旭日旗を侮辱する。
負の要素をあげたらきりがない。

ボクはこのシンポジウムの報道を韓国メディア以外で見たことがない。
日本人には見せられない内容と分かっているからではないか。
両国の関係が悪化した原因を韓国側は「偏狭な日本に失望したから」、日本側は「韓国の冷遇が寂しいから」と考えている。
日本側については完全に的はずれだ。でも、韓国人の優越感をくすぐる。
韓国人読者がこんな記事を読んで誤解するから、関係はますます悪化するのだ。