8月2日、日本は韓国を「特別あつかい」することをやめた。
日本政府は、輸出手続きの簡略化を認めるホワイト国(優遇国)から韓国を除外して、「普通の国」と同じ待遇にすることを発表する。
これに韓国大激怒。
韓国ではその日の午後、文大統領による「国民向け談話」が生中継で全国に放送された。
「我々は二度と日本に負けない。今日の韓国は、過去の韓国ではない」
「(日本の)挑戦に屈服すれば、歴史は再び繰り返される。我々は十分、日本に打ち勝つことができる」
こうは言うけど、日本は韓国に差別的な措置をとったわけではない。
ホワイト国から、中国やタイなどと同じ「普通の国」にしただけのこと。
勝ち負けの問題とはまったく違うのだけど、文大統領は日本をここまで敵視する。
韓国政府としては具体な対応策が見つからないから、国民の怒りを日本に向けて自分は安全地帯にいたいのだろう。
日本が特別あつかいをやめたら、日本は韓国メディアから悪者あつかいされてしまった。
共同通信社(2019/08/03)
「破局へ」、韓国紙が一斉に批判 日本の措置、1面で報道
もともと大変だった日韓関係は、これからどうしようもないほど大変になる。
といっても、きのうの韓国で「ホワイト国 意味」 が検索キーワードランキングで急上昇したらしい。
自分たちがいままで、日本に優遇されていたのを知らない国民は多いだろう。
とにかくこれから、日韓は「破局」かそれに近い状態に向かうことになりそう。
この「終わりの始まり」は去年10月、韓国の最高裁判所が徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じたとき。
いわゆる元徴用工の問題は1965年の請求権協定で、日韓両政府が解決を確認している。
この協定を国内法で否定することは国際法で禁じられているのに、韓国の最高裁はそのタブーを犯してしまったから、日本政府が激怒した。
その後、日本は国際法違反の状態を是正してほしいと訴えたけど、文政権はこの問題をずっと放置。
韓国最高裁による国際法違反と韓国政府の無責任が、今回の「破局」の大きな原因となった。
でも、じつはこれは避けることができたのだ。
それは朝鮮日報の記事を読むとわかる。(2019年7月17日)
盧武鉉政権の民官共同委は「請求権協定に含まれる」と結論
*以下、「」は上の記事の文章。
元徴用工問題については、2005年8月にノ・ムヒョン政権下で構成された民官共同委員会が結論を下している。
1965年の請求権協定で日本から受け取った経済支援金3億ドルに、「強制徴用の補償金が含まれたと見なす」という判断をしたのだ。
日本はこのとき、元徴用工個人への補償金も韓国側にわたしていた。
それを韓国政府も2005年に認めた。
だから民官共同委員会は徴用工問題に関して、「政府が日本に再度法的な被害補償を要求することは信義則の上で問題がある」と言い、韓国政府も「強制徴用問題は請求権協定で終了した」という立場を確認。
このことをいまの文大統領が知らないはずはない。
文氏はこのとき、共同委員会の委員として参加していたのだから。
韓国政府はこれまでずっと、この問題は解決済みで、日本に被害補償を求めることはできないとしていた。
文大統領が歴代政権の立場を守っていれば、いまの日韓関係のカオスはなかった。
日本から国際法違反と非難されることはないし、ホワイト国から除外されることもなかった。
2005年に解決を確認したのに、大統領になったいまは「解決していない」と言って、日本企業に慰謝料を払うよう求める。
これでは、共同委員会の委員だったときの自分に”嘘”をついていることと同じだ。
文大統領は過去の自分とは向き合わず、
「我々は二度と日本に負けない」
「我々は十分、日本に打ち勝つことができる」
と反日感情をあおって、国民の憎悪を日本に向ける。
いまある混乱は文大統領の”嘘”から始まったもの。
始めた人間には、終わらせる義務と責任がある。
「今日の韓国は、過去の韓国ではない」と文大統領は言ったけど、「今の私は2005年の私ではない」では困るのだ。
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