フランスの哲学者で、文学者や歴史家でもあったヴォルテール(1694年 – 1778年)はこう言ったという。
「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」
表現の自由や民主主義の精神をあらわす言葉として、この名言は世界的に有名だ。
こんな言葉が生き続ているのは、現代でもこの精神は必要とされているから。
つまり現実には、反対意見を封殺する空気や勢力がどこの社会にもあるからだ。
「我々は十分、日本に打ち勝つことができる」
「加害者の日本が盗っ人たけだけしく騒いでいる」
こんなふうに国民の反日感情をあおる文大統領の韓国では、反対意見を言うことが本当にむずかしい。
24歳のヴォルテール
日本が安全保障の観点から、対韓輸出の管理強化を発表した。
理由はこのほかにも、韓国側が不誠実な態度を続けたことで、信頼関係がなくなってしまったことがあげられる。
世耕経済産業相の説明では、日本が話し合いを求めても韓国はずっと無視していて、なぜか「日本が悪い」ということになった。
日本の輸出管理に対して、文大統領は信頼回復を宣言した。
そんな素敵なことがおこるわけはなく、「我々は二度と日本に負けない」と総力戦を呼びかけて国を“戦時体制”に突入させる。
戦時となれば、かつての日本でもそうだったけど、政府に反対する意見は許されなくなる。
2019年の韓国もそうらしい。
朝鮮日報の記事(2019/08/06)
青瓦台「国民感情と相いれない公職者の言動に厳正措置」
日本が韓国を「ホワイト国」から除外したことを受けて、韓国大統領府(青瓦台)は「公職社会を対象とした特別監察に着手した」という。
その具体的な内容は、金照源(キム・ジョウォン)大統領民情首席秘書官の言葉から見えてくる。
「日本が輸出規制を敢行したことで、(政府が)総力対応する厳重な時期だ」
「(民情首席室内の)公職監察班の人員を全員動員し、公職者の紀綱のゆるみに対して重点的に監察を実施し、国民感情と背馳する(相いれない)言動など公職者の深刻な品位毀損(きそん)について厳正な措置を取る予定だ」
韓国の国民感情に反する発言をした政治家は処分の対象になる。
でも問題はその判断基準だ。
国民感情に相いれないかどうかを誰がどう判断するのか?
この重要な点についてキム・ジョウォン氏は、「『国民感情と背馳する言動』が何なのかは具体的には言及しなかった」とノーコメントだ。
公職監察班の人員を全員動員するのも、厳正な措置を取るのも韓国政府なのだから、これは文政権の考え方に反する人間が処分対象になると考えてまず間違いない。
そうでなかったら、明確な基準を発表するはず。
「韓国が日本に総力対応する厳重な時期だ」
「加害者の日本が盗っ人たけだけしく騒いでいる」
「我々は二度と日本に負けない」
こんな政府の意見に反することを公職者が言うと、厳正な措置を取られてしまうのがいまの韓国。
これでは言論の自由や民主主義の精神が死んでしまったも同然だ。
韓国政府にはそれだけ余裕がないということだろう。
自分たちに都合の悪いものは排除するという姿勢は、文政権には前からあった。
きょねん南北閣僚級会談がおこなわれたとき、韓国政府が脱北者の自国メディア(朝鮮日報)の記者を取材からしめ出した。
韓国政府が韓国の記者を排除した背景には、文在寅(ムンジェイン)政権の北朝鮮への配慮がある。
そんな文政権をジャーナリストの黒田勝弘氏がコラムでこうなげく。(2018.10.20)
親北政権の見苦しいばかりの対北低姿勢策がとうとう北朝鮮ばりの“言論弾圧”にまでなってしまったか。
【ソウルからヨボセヨ】文政権 切ない言論規制
言論弾圧をすれば民主主義は死に絶える。
ちなみに文氏が大統領になるまえ、大統領候補だったときには「私が大統領になったら言論の自由は必ず守ります」と話している。
日韓の信頼関係が地に落ちるワケだ。
文政権の韓国を見ていると、21世紀のいまでもこの言葉が必要とされている理由がよくわかる。
「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」
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最近の韓国を見ていると、民主主義からファシズムが生まれる過程をリアルタイムで観察しているようで、なかなか興味深く思います。
数年前から騒がれているシリア難民をはじめとする民族大移動も目の当たりにしましたし、天皇の生前譲位と上皇即位もそうですが、歴史の授業で昔習った出来事を実際に目撃していると思うと、言い方は悪いですが面白いと思います。
日本製品の不買運動を地方自治体が率先して行うなど、いまの韓国は感情的は反応が目立ちます。
それにこちらも感情的になっては悪循環ですので、そうやって冷静に見ていることが大事ですよ。
歴史はいろんな形で繰り返しますね。