最悪のタイミングで最悪の決断をする。
そんなことが隣国であった。
きのう韓国政府が「われわれはGSOMIAを破棄する!」と発表したのだ。
GSOMIAとは「ジーソミア」と呼んで、日韓軍事情報包括保護協定のこと。これは、親しい国の間で秘密の軍事情報を提供し合ったさい、その情報を第三国もらさないために結ぶ協定。
だから機密情報を共有するのではなく、その情報を外部にもらさないためのものだ。
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対北朝鮮・中国を考えたとき、日米韓の間でGSOMIAを結んでいることはとても重要だ。
とくに韓国にとっては。
だって日本には偵察衛星があるけど、韓国にはひとつもないのだから。
きのうまでの日本や韓国の各メディアを見ても、「韓国政府はGSOMIAを破棄することなく、延長する方針だ」と報じていたから、これは青天の霹靂で寝耳に水。
日本政府内では「信じられない」「何を考えているのか分からない」という声が続出した。
日本テレビのニュースでは官邸関係者が「もう頭がついていけない」と頭をかかえていた。
それと同時に、こんな決定して韓国は大丈夫なんだろうか?と不安視する声もある。
いまの日韓関係は、ためらうことなく「最悪」と言えるほどそれはそれはひどいもの。
でもどこの国でも、政治家の仕事は国益を守ること。つまり、自国民の生命や財産を守ることのはず。
だからどんなに政治的に対立していても、安全保障の根幹となる同意や協定だけは結んでおいて、最低限の関係は維持するべきだった。
なのにまさかの「GSOMIAは延長しませんっ」宣言に日米が驚天動地。
中央日報の報道によると、専門家のパク・ヨンジュン国防大安保大学院教授は、もし韓国政府がGSOMIAを破棄した場合、それは「KOREXIT(コレグジット)」を意味すると指摘した。
イギリスが欧州連合(EU)から離脱することを「Brexit(ブレグジット)」と言う。これになぞらえてパク教授は、GSOMIA破棄が現実になったばあい、韓国が日米韓の安全保障協力体制から離脱すると受け止められてしまうと懸念する。
これはそのまま、中国・北朝鮮・ロシアの仲間入りを意味する。
日本のネットでいう「レッドチーム入り」だ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。(2019年08月21日)
<危機の韓日関係、連続診断11>「GSOMIA破棄は韓日米安保協力からの離脱と映る」
韓国政府が破棄を発表した直後の朝鮮日報の記事(2019/08/22)でも、野党が「KOREXIT」という表現は使わないけれど、それと同じことを言っている。
最大野党「自由韓国党」は青瓦台の決定について、「韓米日の連携」よりも北朝鮮・中国・ロシア側を選んだ可能性を指摘し、「理性を失った決定」として強く批判。
日本との軍事情報協定破棄に与党歓迎 最大野党は「理性失った」=韓国
「文在寅政権が理性を失った」と言う韓国野党は、「もう頭がついていけない」と絶句した日本の官邸関係者と気が合いそう。ということは文政権といまの日本ではもう、まともな関係は築けないということだ。
明治の日本は「脱亜入欧」で、アジアを抜け出してヨーロッパの仲間入りを目指した。
文政権は日米韓から離脱して、中ロ北に近づきたいのだろうか。
前々から文大統領の北朝鮮への愛は半端なかったけど。
韓国で行われている「ジャパン・ボイコット」をいままで冷ややかに見ていたけど、自ら安全ロープを外す文政権を見て、韓国が本気で心配になってきた。
この国はこれからどんな航海に出るのだろう。
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