8月22日、韓国政府がGSOMIAの破棄を発表した。
小泉純一郎元首相が言っていた人生の3つの坂上がり坂・下り坂・まさか」のまさかが本当に起きた。さすがは奇跡の国。
そのあと韓国側は、この決定についてはアメリカも「十分に理解している」と明言する。
韓国側が「〇〇が~と言った」と発表したあとに、当事者が「そんなことは言っていない」と否定するブーメラン現象はよく韓国で発生する。
でも今回に限ってはそうではないだろう。
韓国の言葉は本当で、アメリカは今回の決定について韓国から説明を受けていて、理解と支持をしていると思っていた。
というのは韓国政府がGSOMIA破棄を発表したとき、ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が韓国にいたから。
ビーガン氏はGSOMIAを破棄しないよう韓国政府に強く求めていたアメリカの重要人物で、韓国政府が絶対に無視できない人。
そんな大物がいるにもかかわらず破棄を発表したというのは、事前にアメリカ側の理解を得ていたからだろう。
そうでなかったら、ビーガン氏のメンツは丸つぶれだ。
いくらブーメランが多い韓国でも、ゲストがいる場で失礼な発表はできないはず。
日本を無視して、米韓が水面下で固く結びついているということか。
なんて思っていたらじつは全然ちがった。
韓国の文政権は「ウソ」をついていたのだ。
そのことで元防衛大臣の小野寺五典議員が「あり得ない」「信用出来ない」と韓国を批判する。
あり得ないことが普通に起きるのが韓国だけど、でも今回はやり過ぎた。
アメリカもわれわれの立場を十分に理解している、と言ったのだけど、韓国がGSOMIA破棄を宣言した直後からアメリカの韓国批判がはじまる。
ポンペオ国務長官は「失望した」と語り、米国務省と国防総省は「ムン・ジェイン政権に強い懸念と失望を表明する」との見解を発表。
ポイントはアメリカが公式声明で「ROK(韓国)」と呼ばずに、「Moon administration(ムン・ジェイン政権)」と名指ししたことだ。
朝鮮日報によるとこの表現は「非常に異例なこと」というから、アメリカは文大統領に怒り心頭ということがわかる。
アメリカ側がここまで怒った理由のひとつに「韓国のウソ」があった。
朝鮮日報の記事(2019/08/24)
トランプ政権の高官はまた、青瓦台がGSOMIA破棄について「米国が理解を示した」と説明したことに関して、本紙に「うそ(lie)」だとして、「明確に言って事実ではない。ここ(駐米韓国大使館)とソウルの(韓国)外交部に抗議した」と語った。
米「文在寅政権、GSOMIAうそ
アメリカ政府高官が「うそ」という表現を使ったことに、「極めてまれなことだ」と朝鮮日報はおどろく。
でもどうだろう。
韓国が正しくて、この米政府高官がウソをついている可能性はある。
ウソつきはどっちなのか?
その答えは韓国政府が教えてくれた。
GSOMIA破棄について韓国大統領府は「米国は理解した」と言った直後に、米側から「そんな事実はない」と抗議された。
「うそ(lie)」という強い表現にあわてた韓国政府は次の日に、「アメリカと疎通した」と言葉をかえる。
日本の抗議なら一蹴できるけど、相手が米中だと絶対に無理。
「理解」から「疎通」への変化に韓国メディアも関心を寄せて、記者会見で質問したけど政府はスルー。
朝鮮日報の記事(2019/08/24)
「米国が理解したのか」という質問が相次いだが、これに対する回答は避け、事前協議の事実だけを強調した、政界からは「政府は波紋を小さくするためうそをついたのではないか」という批判の声が上がった。
「米が理解した」と言っていた青瓦台、翌日「米と疎通した」と言い直す
ウソをついたのは韓国側だったのは明らか。
内弁慶の韓国政府は米中にはめっぽう弱いけど、自国のメディアにはやたら強い。
アメリカの懸念を懸念した野党や韓国メディアに対して、与党は「一部メディアや野党は、あたかも韓米同盟と韓米日安全保障協力体系が崩壊するかのように不安をあおっている」と逆批判を展開する。
そして文政権はポジティブだった。
アメリカが失望したことを「当然だ」と言い、GSOMIA破棄の決定は「韓米同盟をアップグレードさせる契機になるだう」と、この世のものとは思えない能天気なことを言う。
韓国はここでも相手を無視して、自分の願望を口にしている。
いまフランスで開かれているG7(主要7カ国)首脳会議の場で、各国首脳をまえにしてトランプ大統領は「文在寅という人は信用できない」と怒りを見せたのだ。
さらに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏が「『文大統領はウソをつく人だ』と俺に言ったんだ」と批判したという。
くわしいことはFNNニュース(8/26)をどうぞ。
「文大統領 信用できない」 トランプ大統領 G7の席で
韓国の言う「アップグレード」とは何なのか。
小野寺元防衛大臣が怒ったのも文政権の「言い直し」で、出演したテレビ番組でこう話した。
「私がとても腹が立つのは、最初韓国側はGSOMIA破棄について『米国は理解してる』と言ったが、米国側が『失望してる』と言ったらさらっと言葉を変えたこと。普通、外交当局等が嘘を付くのはあり得ない。レーダー照射も言い逃れをしてるが、一事が万事。韓国側の今までの発表は信用出来ない」
では、なんで韓国文政権はアメリカに「ウソ」をついたのか?
韓国人の行為を世界で最もよく理解しているのは韓国人。
東亜日報がこんな分析をしている。(2019/8/24)
政府が、米国が理解したと明らかにした根拠は何か、米国に非公式の通知だけして理解を求めたと誇張したのではないか、米国の立場を恣意的に解釈したのではないか、経緯を明確にし、事実のごまかしがあったとすれば、責任を問わなければならない。
「理解を求めた」という韓国と「そなことなかった」と否定する米国、協定破棄で浮き彫りになった形だけの同盟外交
韓国のお家芸「ブーメラン」も大体このパターン。
一方的に伝えて相手の返事を確認しないで「向こうはこちらを理解した」と理解する。
または、相手の言葉を自分の希望にそって都合よく解釈する。
その2つが組み合わされたのがWTOでの日本批判だ。
日本の輸出管理強化を「不当な措置」と世界に訴えたけど、それに賛同する国はひとつもなかった。
でも、世界の沈黙を「われわれへの理解」と勝手に解釈するのが韓国という国。
今回文政権が「うそだ(lie)」とアメリカから抗議される事態を起こした理由はわからないけど、「責任を問わなければならない」というのが無理ってことはわかる。
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