ことし7月上旬、日本は韓国に対して輸出管理の強化を発表した。
韓国にとってこの措置は軽い致命傷で、半導体製造に必要な部品が日本から入ってこなくなるかもしれない。
そうなるとサムスン電子やSKハイニックスといった超巨大企業の製造ラインが止まってしまい、その負の影響は関連企業にもおよぶ。
結果、韓国経済は大打撃をうけるかもしれないし、その可能性はきわめて高い。
だから、韓国側は日本の輸出管理を「経済侵略」と憎悪を込めて呼び、ムン大統領は「二度と日本に負けない」と宣戦布告した。
でも、9月になったいまから見てみると、このときの韓国側の怒りはかん違いにもとづく暴走だった。
これは韓国への禁輸ではなかったのだから。
このあと一部ではあるけれど、半導体製造に必要な素材が韓国へ輸出されている。
「日本に負けない」と国民の反日感情をあおるのではなくて、輸出手続きに必要な書類をしっかりそろえたらいいだけのことだったのだ。
でも、心に火を点けられた国民は立ち上がった。
日本製品は買わないし、日本にも行かないといった「ジャパンボイコット」が全国的に展開される。
SNSで使われるマークがだんだん過激化している。
上は初期のもので、最近はこんなものも多い。
日本製品は買わないし日本旅行はしない、というのはまだいいとしても放射能とドクロはいき過ぎ。
日本製品の不買運動に参加するなら、身近な物の中で何が日本製品かを確認する必要がある。
そんな国民のニーズに応えて、韓国社会にある日本製品を教える「ノーノ―ジャパン」というサイトが登場。
下のハンギョレ新聞の記事には、「18日だけで17万人が訪れ、アクセス障害が発生した。ノーノージャパンは誰もが新しい情報を載せられるように設計され、市民が積極的に参加している。」とある。
安倍政権を批判するのではなくて日本を拒否するのだから、これを「反日活動」と呼んでも特に問題はない。
*このあと「日本人お断り」といったレストランが出るなど、反日感情のいき過ぎに韓国国内から批判や懸念の声が上がって「ノージャパン」から「ノーアベ」に変わった。でも変わったのは掛け声ぐらいで、やってることはほとんど同じ。
日本製品不買運動のほかにも、韓国では「日本には行かない」という旅行ボイコットもおこなわれていた。
日本のマスコミもよく取り上げていたから、このことを知っている人は多いはず。
でも、こんなことがあったのをご存じですか?
ハンギョレ新聞の記事(2019-07-20)
会員数が133万人にのぼる国内最大の日本旅行ネットサークル「ネイルドン」は、17日から活動を中止した。ネイルドンの管理者は(中略)日本旅行が好きな人たちの気持ちを日本政府に示したいという内容の書き込みを掲載した。
安倍政府は「日本製品不買運動」の拡散の意味を直視せよ
2018年に日本を訪れた韓国人は約760万人で、訪日外国人全体(3119万人)の約25%を占めた。
1位は中国人(838万人:27%)で、韓国人は2位。
日本に行かないことで、日本の観光地にダメージをあたえる。
「買って応援」の逆だ。
韓国最大の日本旅行ネットサークルがこの趣旨に賛同して活動を停止した。
こうした国内の動きをうけてハンギョレ新聞は、「不当な経済報復に対する市民の怒りが、それだけ大きいためだろう。」「韓国人の“真の民心”を重く受け止めなければならない。」と誰かに確かに勝ち誇る。
ソウルにいるアメリカ人が撮ってくれたもの
でも、韓国人の“真の民心”の直撃をうけたのは韓国企業だった。
いまでも韓国では日本旅行をボイコットする動きがあって、大韓航空やアシアナ航空など大手航空会社から格安航空会まで、各社が韓国~日本の路線を減らしている。
減便でも不十分で、韓国の格安航空会社イースターエッグ航空はとうとう約900円という激安チケットを売り出して話題になった。
アメリカメディアCNNも取り上げている。
朝鮮日報の記事(2019/09/10)
秋夕(旧盆)連休を控えた9月は韓国人の海外旅行需要が高まるが、航空券の価格がこのように安いのは異例のことだとCNNは伝えた。
外信も韓日葛藤の余波に関心…CNN「韓日間の航空券が10ドル以下に」
「市民の怒り」の直撃をうけた韓国企業はほかにもある。
中央日報の記事(2019年09月10日)
韓国文化体育観光部、日本旅行急減で被害の旅行会社に特別融資
「日本には行きません」という“民心”の影響をモロにくらうのは旅行会社だ。
それで韓国の政府機関が「旅行需要減少で危機を迎えている旅行業界に対し」、特別融資をおこなうことをきめた。
「韓国人観光客の日本旅行キャンセルで直接的な被害が生じた旅行会社」のために、韓国文化体育観光部は150億ウォン(約13億6000万円)の緊急特別融資予算を編成したという。
もちろんこれは韓国国民の税金。
韓国での反日感情の勢いはピークを過ぎたものの、まだまだ健在だ。
日本製品の不買運動や「ノージャパン」の気運が盛り上がっているけど、そんな市民の怒りや韓国人の“真の民心”をうけた韓国企業が悲鳴を上げて、その代償を間接的に自分たちが払っている。
こんなバカバカしさに早く気づくべきだ。
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