日本不買はもはや自傷行為。韓国企業が初の非常経営体制を宣言

 

韓国側の不審な言動に不安をおぼえた日本は7月に、対韓輸出の管理強化を発表した。

当時の世耕経済産業大臣のツイート

 

 

これに対して韓国のムン大統領は信頼回復ではなく、「日本には二度と負けない」と謎の宣戦布告をおこなう。
反日感情をあおられた国民はこれに全力呼応。
日本製品の不買や日本旅行はしないといった「ノー・ジャパン」「ボイコット・ジャパン」などの反日運動が全国的に広がった。

 

 

爆発した反日感情はまだ燃え続けている。

韓国経済新聞/中央日報の記事(2019年09月)

韓経:「ボイコット・ジャパン」長期化…国内線に目を向ける韓国航空業界

「日本には行きません」という民意の直撃をうけて、韓国航空会社の日本路線は激減。
少し前の韓国紙には、「日本のかわりに中国や東南アジアへの便を増やせばいいだけだから、ダメージを受けるのは日本であって韓国企業ではない」といった強気の論調があった。
でも、中国からはキックアウト。
中国政府は韓国からの新規・臨時・不定期便運航を許さなかった。
東南アジアへの新路線も考えたけど、経営的にうまくいきそうにない。
それで韓国の航空業界はもう国内に目を向けるしかなくなったのだ。

 

「他人の不幸は蜜の味」で、反日愛国の盛り上がりをビジネスチャンスととらえる企業もたくさんあらわれた。

中央日報の記事(2019年09月09日)

日本製品不買運動が持続…韓国ファッション企業、独島エディション予約販売830%増加

「愛国マーケティング」で得した企業が日本不買を長引かせる面もある。

 

きょうの朝鮮日報の記事(2019/09/18)に、「7月からの韓国の旅行客による日本旅行ボイコットの影響が産業界に表れ始めた」とあった。

「ノーアベ」の被害者がなぜか格安航空会社(LCC)のイースター航空で、この会社がいま特大ピンチ。
代表理事は「最近の内外の航空市場環境悪化で危機に直面している。きょう付けで非常経営を宣言し、危機克服経営体制に転換する」と社員に告げた。
イースター航空はすでに日本路線の減便・運航中断をしていたのだけど、それだけで出血は止まらなかった。
「LCC業界で公式に非常経営体制を宣言したのは同社が初めて」という。

でも、本当の地獄はこれからだ。

業界関係者は「業績悪化が長期化した場合、イースター航空が人員削減を含む徹底したリストラに突入する可能性もある」と語った。イースター航空は2週間前から客室乗務員を対象に10-12月の無給休暇申請を受け付けている。

イースター航空が3カ月の無給休暇実施、日本旅行客減少で初の非常経営

 

イースター航空は「one of them」で他もたいがいヤバい。
大韓航空やアシアナ航空といった大手航空会社はまだ体力があるけど、エアプサンなどの格安航空会社も青色吐息だ。

 

でも、実は知っていました。
韓国の「ボイコット・ジャパン」が続けば、こうなることは十分予想できていました。

乗客の激減をうけて、7月にある格安航空会社が日本への特別割引チケットを売り出したところ、いまの国民過剰に反するとたたかれてしまった。

韓国経済新聞/中央日報の記事(2019年07月22日)

「経済報復に出た日本に行けということか」という抗議性のコメントが相次いだからだ。該当の掲示物とコメントキャプチャーまでネット掲示板に一瞬にして拡散し、大きな波紋を呼んだ。A社は結局、該当の掲示物を急きょ削除し、代わりに東南アジア特価商品を出した。

韓経:「日本旅行の予約が半分に急減」…韓国LCCのため息

韓国の空気は特割チケットさえ許さなかった。

 

この時点で、チェジュ航空、ジンエアー、ティーウェイ航空、エアプサン、イースター航空、エアソウルなど、日本路線の比重の高い会社はダメージをうけていた。
この状態が続けば、どこかの韓国企業が非常経営体制を宣言することは時間の問題だったのだ。

8月半ばになってもまだこんな状態だ。
ハンギョレ新聞の記事(2019-08-16)

「独立運動はできなかったが不買運動はする」…光化門を照らした10万のろうそく

 

もはや自傷行為、セルフ経済制裁となった「日本不買」の影響はこれだけではない。

ついこの前も、韓国の旅行会社に政府が緊急融資をするという事態がおきた。

【助けて!】ノージャパンで韓国企業が悲鳴 → 政府が緊急融資

国民の日本不買運動を税金で穴埋めするというのはもはやコメディー。

 

いまの韓国航空業界を見ていると、19世紀のオスマン・トルコ帝国が思い浮かぶ。

オスマン帝国はこのような帝国内外からの挑戦に対して防戦にまわるしかなく、「ヨーロッパの瀕死の病人」と呼ばれる惨状を露呈した。

オスマン帝国・近代化をめざす「瀕死の病人」

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。