最悪の日韓関係、韓国の見方はまた「原因は安倍の右傾化」

日本で広がりつつある嫌韓・反韓・離韓ムード。
日韓ではいろんなことで意見が合わないけど、「関係は国交正常化以来、いまが最悪」ということでは認識が完全一致。
因果応報に自業自得、結果には必ずそうなった原因がある。
韓国側はその点についてどう考えているのか？

下の韓国SBSの報道によると、安倍政権をはじめとする日本の政治家やマスコミが嫌韓をあおり立てているから、「日本の社会が極右化している」という。

徴用工問題について日本の大学生が、1965年の請求権協定で日本が韓国側に８億ドルの“賠償金”をわたして解決したけれど、韓国側がいまになってその約束をひっくり返してしまったということを話している。
＊日本の統治は違法ではなかったから、あれは“賠償金”ではなくて経済協力金。

まあそんな細かいことは置いといて、一度決めたことを韓国側がくつがえしたことをこの大学生は関係悪化の原因とみているらしい。
この指摘は的のど真ん中を射ぬいている。
きょねん韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じててしまった。
韓国側が請求権協定をひっくり返してしまったことは事実なのだけど、この放送では「日本右翼の考えと似ている」とレッテルを貼るだけで終わっている。

「韓国も日本の人たちも問題ないけど、日本の世論を間違った方向（右）に導く政治家やマスコミがある」という自己中心的なスタンスだ。
「見たいものしか伝えない」という報道は韓国ではよくある。

日本の嫌韓化の直接的な原因は、韓国が何度も謝罪要求をすることや日本との約束（慰安婦合意や請求権協定）を守らないことにある。
それは日本で行われた各種世論調査の結果を見れば明らかなのに、上の韓国報道はその点をスルー。

きょうの韓国経済新聞／中央日報日の記事（2019.10.20）でも、関係悪化の根本的な原因は「安倍の右傾化」とみている。

両国の対立の核心は安倍政権のいわゆる右傾化政策とそれに対する韓国の激しい反発といえる。

韓日過去史の「遠心力」大きくなり安保・経済の「求心力」消える

この記事には、「それホント？」と首をひねりたくなる分析がある。
韓国は国力をつけてきたから、以前のように安保や経済の面で日本の力を必要としなくなった。「世界における日本の相対的地位が下がったこと」などから、日本では韓国への否定的な見方が広がったという。
これが「右傾化」の原因という。

でも、だったらなんで韓国は日本と通貨スワップ協定を結びたがるのか。
「韓国日本通貨スワップ」で検索すれば、それに関する記事がいくらでも出てくる。
熱意だけなら「三顧の礼」を超えている。
そもそも経済的に日本の重要性が低下したなら、輸出管理強化で韓国が大騒ぎする必要もないだろう。
どうも韓国側の報道はピントがぼけている。

もし韓国が日本との関係改善を考えているのなら、同じ日本の統治を受けた台湾が最も参考になる。
台湾は過去の歴史についてくり返し謝罪を要求することも大事な約束を破ることもない。
だから日台友好は永遠不変だ。
でも韓国はいつも台湾を無視する。
都合の悪いことには目を背けて、「アベノウケイカ」と呪文のように唱えてそこで思考停止になるから、日本との関係も前に進まない。