15か月ぶりにきのう日韓首脳会談がおこなわれた。
トップ同士が言葉をかわす機会を熱望していた韓国側では、
これで冷え切っていた関係が氷解するのでは?
少なくともこの対話によって関係改善のメンソレータム、いやモメンタム(勢い)はうまれた。
なんて声が上がっちゃってる。
でも下の朝鮮日報の記事(2019/12/25)を見ると、ことはそんなに甘くない。
日本政府には過去の「わだかまり」が残っているため、「関係改善がスピードアップするのは難しい」という見方があるからだ。
これはきょねん韓国が観艦式で海上自衛隊の旭日旗を認めなかったことと、昨年末に起きたレーダー照射問題をさしている。
この2つについて、「日本政府が依然として「残念さ」を感じている」と記事にある。
日本はどちらかといえば後者、レーダー照射問題での韓国側の態度を問題視しているようだ。
日本政府の関係者は、最近(今月12日)「韓日記者交流プログラム」で東京を訪れた韓国外交部(省に相当)記者団と対面し「レーダー照射は危険を招くものなので、現場で絶対にそうしたことが起こらないのでなければ防衛交流を再開できない」と語った。
「レーダー照射は危険を招く…現場で起きてはならない」
首脳会談が開かれても関係改善が難しい理由のひとつがこれ。
ここでこの事件を簡単におさらいしておこう。
きょねん12月20日、韓国海軍の軍艦が日本海で自衛隊の哨戒機に攻撃用レーダーを当てたことで問題がぼっ発。
これは銃を向けるような危険で無礼な行為で、相手を友好国とおもっていればありえない。
日本が韓国に説明や謝罪、再発防止を求めたところ、韓国は「自衛隊が危険な低空飛行をした」と逆に日本へ謝罪を要求してきた。
このとき韓国側が公開した動画では、客観的な根拠を示さないまま日本を非難して、被害者である自分をアピールするだけものだったから、これを見せた全日本があきれかえる。
時事通信の記事(2019年1月4日)
「主観的で一方的」=韓国反論動画にあぜん―防衛省
さてこの問題、結果からいえば日本が追及をあきらめたことで韓国の“勝ち”に終わる。
日本は韓国に謝罪や再発防止を求めたけど、韓国側は最後まで自分の責任を認めることなく逃げ切った。
国内には「危険な行為をした日本に謝罪を要求した」という強い姿勢を見せることもできた。
日本が危険な低空飛行をしたと主張する韓国側とのやり取りが防衛省のホームページにある。
防衛省は、実務者協議において、更なる客観的根拠の提示を求めましたが、韓国側からは、そのようなものは示されず、逆に「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」などの全く客観性に欠ける回答を繰り返しています。
被害を受けた者が被害と感じれば、それは被害者になる。
日本はこんな隣国とずっと話し合いをしてきた。
自衛隊機は国際条約にもとづいた航空法に従って飛行していて、この基準は米軍やNATOとほぼ同じだから危険行為になるはずがない。
でも根拠の提示を求めても、動画と同じように一方的・主観的に主張されて日本が謝罪を求められるしまつだ。
国内向けのアピールだとおもうけど韓国側は、「加害者である日本海上自衛隊が被害者を装って韓国軍に抗議している」と本気で怒る姿を見せていた。
このときの韓国は不誠実のかたまり。
くわしいことは上の防衛省ホームページ見てほしいけど、実務者協議の場で韓国側に証拠の確認を求めても、「韓国側はその提案も拒否しました」とある。
また協議内容の公表についても、「事前の合意に反して、事実と異なる内容を一方的に明らかにしています」という態度だ。
韓国が都合のいい情報を流して、世論誘導をするのはこのときだけじゃない。
ちなみに韓国は北朝鮮の遭難船を救助していたと主張したけど、「海自P-1 哨戒機は、韓国側が救助作戦を行っていることを認知できませんでした」とも書いてある。
我々がおこなっていた人道的行為を日本が邪魔したという設定が”うそ”と暴露されたから、これが韓国側をよけい怒らせた。
このときからほぼ一年がすぎたいま、韓国側は「海上自衛隊の哨戒機に韓国の軍艦が攻撃用レーダーを照射したという、一方的な主張も続けている」と言う。
そして日本にこんな「わだかまり」が残っていて、防衛交流を再開できないという状況では関係改善も難しいとなげく。
嫌なことはすぐに忘れて気持ちを切りかえる姿勢には、見習うべきところもあるけどこれはない。
この一年をふり返ると約束を破った側が守った側に謝罪を要求するなど、「加害者が被害者を装って抗議する」というのはまさに韓国だった。
この前も日本との話し合いを都合よく解釈して勝手な発表をおこなった。
くわしいことはFNN PRIMEニュースをどうぞ。(2019年11月25日)
日本政府は韓国コメントに反論 「謝罪した事実ない」
こんな虚偽発表の根底にも過剰な被害者意識がある。
韓国が日本の信頼をうしなった不誠実な行為はレーダー照射問題に集約されていた。
反日世論に迎合して日本に弱いところは見せられないから、自分の非は絶対に認めない。
そのためには日本の加害行為をつくって、被害者をよそおうこともする。
謝罪を要求されたら逆にそれを日本に求める。
客観的な根拠はなくても、「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」という韓国的発想は慰安婦問題でも元徴用工問題でもよくあった。
これらが日韓関係悪化の主要原因になっている。
韓国の反省なしでは前に進めない。
でも中央日報の社説のように、あちらは自分のしたことをきれいに忘れてバラ色の未来を夢想している。
過去1年余りの韓日葛藤を反すうし、これから解氷の道に進むことを期待する。
葛藤解決の第一歩を踏み出した韓日首脳会談…頻繁に会うべき
「歴史を忘れた民族に未来はない」という格言がどこかの国にあると聞いた。
首脳会談だけで関係改善がスピードアップするわけはないし、会う回数にも大した意味はない。
これから解氷の道に進みたいのなら、韓国は期待ではなくて行動するべき。
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